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<新生日本新聞 XX年10月18日号 2面>
第3特区猟奇連続殺人
「新たに第3特区中央部にある鐙山にて男性のものと見られる他殺体が発見されました」。東京第3特区中央公園にて11日未明、東京第3特区第7区域、自営業の小平聡さん(27)が他殺体として発見された事件に関連して、東京第3特区警察は17日午後会見を開いた。会見において東京第3特区警察は遺体の身元が発覚したことを公表し、それに加えて14日東京第3特区中央公園にて女性の他殺体が発見された事件も同一犯と考えられることを発表し、最後に17日未明第3特区中央部に位置する鐙山の中腹にて新たに男性の他殺体が発見されたことを発表した。
山中にて男性死体発見
-これで3人目の被害者-
この事件は、11日未明東京第3特区中央公園にて、小平聡さんのバラバラ死体が見つかったもの。小林さんは事件前日、友人と飲み会をしたのち帰路についていたと考えられ、防犯カメラには午前2時ごろ公園付近の道を歩く小林さんの姿が撮影されていた。警察は、この事件に関して小林さんが帰宅途中何らかのトラブルに巻き込まれたとして捜査を続けているが、未だ何の手がかりも得ていない。
小林さんはバラバラにされた形で発見され、未だ右腕部と左脚部が発見されていない。発見当初、公園内のベンチに立てかけられるようにして小林さんの右脚部が放置されており、通行人が発見し通報。駆け付けた警察が辺りを捜索したところ、ゴミ箱より小林さんの左腕部が、公衆トイレ裏に小林さんの胴体があるのを発見、病院にて死亡が確認された。その後の捜査により、中央公園湖底において石に括り付けられた小林さんの下半身部と頭部が入った袋が発見され、袋に入っていたIDカードにより身元が判明した。
小林さんは司法解剖の結果他殺であることが確認され、死因はひも状のものによる窒息死。小林さんは死亡後に何か鋭利な刃物で全身を切断されたとみられている。現場には争った形跡がないことから、小林さんは何者かに争うまもなく殺害されたとみられている。警察では犯人像の特定、凶器の特定を急いでいるが捜査は難航しており、情報提供を呼びかけている。
また、14日未明、小林さんが立てかけられていたベンチに座り込む女性を付近を警戒中の警察官が発見、病院に搬送したが間もなく死亡が確認された事件に関しても同じ犯人が行ったと警察は発表した。発表によると女性は全裸でベンチに座らされており、司法解剖の結果死因は窒息死、凶器は小林さんのものと同一のもの。また、女性にも争った形跡はなく、暴行された様子もないことから警察では愉快犯による行動と考えている。
女性の私物は残っておらず、警察では引き続き捜索するとともに彼女ん身元の特定を急いでいる。
公園ではなく山中
そして17日未明、東京第3区鐙山中腹の林において、早朝登山にきていた男性客ら3人が倒れている男性を発見、警察に通報した。男性は発見した時点で死亡していたと考えられ、司法解剖の結果死亡した時刻は16日午後10時から17日午前2時前後、死因はひも状のものによる窒息死と判明した。死体発見現場には争った形跡がなく、また前述の2事件と凶器の痕跡が一致しているため、男性は同一犯による連続殺人事件と認定、捜査を進めている。
男性は服を着た状態でうつぶせにされて発見され、衣服に乱れはなかった。現在警察は所持品による身元の特定を急いでおり、早ければ18日午後にも発表するとしている。
怯える市民
同一の地域で同一犯による事件がきわめて短期間の間に発生した件について、東京第3特区警察長の清水住吉さんは、「警察を踏みにじり、嘲笑した事件。被害者のかたの御冥福を祈ると共に全力を挙げて捜査をしていく。」と述べている。しかし、後述の事件が発生した結果、第3区に住む住民からは不安と不信の声が上がっている。
第3特区第7区域にすむ高齢の男性は、「警察は夜間のパトロールを増やしたと言っていたが、こうも連続して事件が起きているのではないか、いささか認識が甘いように見える。」と怒りをあらわにしている。また同第7区域に住む小学生の子供を持つ母親は、「子供がいるので非常に心配、どこにいくにもついていくようにしている。」と非常に怯えた印象を受けた。
こうした状況において、東京第3特区教育委員会は1週間の間、同特区内にある全ての小中高および大学の全ての教育機関の臨時休校を発表。また同特区長は夜間の外出を控え、2人以上での行動を呼びかけるなど極めて異例の処置をとった。




