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或る世界の軌跡  作者: 蘚鱗苔
1 召喚、地固め
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 ハルニレ大森林への道すがら、彼女と話をかわす。昨日は、軽い自己紹介なのでもっと詳しいことを。一応、パーティーを組む相手、しかも結構名がうなる可能性がある、故に少しは知っておいたほうがこれからの会話等に困らないのでは、と思うゆえの行動。


 まずは自分のものを。当然異世界から来ました、なんてことはいえるはずがなく、記憶喪失ということにしておく。ラツィア村からここまでの簡単な遍歴を伝え、時折質問に答える。どうやら彼女はマルーンに数年前までいたそうで、住んでいたのはプルミエとは違いもう少し南にある都市だったそうだが。その後、自分に関して。一応聞いてみたところ、サラは鑑定の魔法を持っていないそうで、故に自分のレベルを伝える、今は92、結構上がったものだ。どうやら、ここまで高いとは思っていなかったそうで、かなり驚いた顔をする。これでも毎日1レベル上がらなくなってしまったのだから、上がるスピードは遅くなっているはずなのだが。90レベルに入った途端レベルが上がらなくなり、7日ほどかかってやっと92まであげたのだ。これ以上上がりにくくなる場合少し困るな、そんなことを彼女に伝える。

 すると、記憶喪失だから知らないのかな、という言葉とともに、1つ情報を。どうやら、90レベルから100レベルまでの間は非常にレベルが上がりにくくなるそうで。しかも100に近くなればなるほど上がりにくくなるそう。その後はまた少しは上がりやすくなるものの、190、290、といった感じで規則的にレベルが上がりにくいレベル帯に入るそう。はたしてこれはテン達にも言えることなのだろうか。彼らもそろそろ90レベル、これで上がりにくくなった場合、もともと上がりにくいので厄介なのだが。


 次は魔法に関しての話、火魔法と闇魔法、まぁ数自体は少ないが使える、と伝え、召喚魔法のことも。テンとシェム、ガルムを見せると相当驚いた様子で、これならソロでもやっていけるはずだわ、ともいっていた。自分もソロでやっているのだろうに。

 そのままガルムの毛皮をもふもふもふもふもふ。仕方がないだろう、確かに気持ちもわかる、ガルムもかわいい若い女の子にもふもふされて心地いいようで。


 次に、サラの話。

 「わたしは、マルーンの南部も南部、南端の都市トレーズで生まれたわ。特に不自由もしていない生活を送ってきていたけれど、まぁある事情があって折角だからこの冒険の旅にでることにしたのよ。かれこれ1年前かしら、そこからやっとBランクまで上がって、この村に来てから2か月、先日あなたを見かけてね。非常に強く、毎日依頼をこなし大量のドロップアイテムと共に帰還してくるとのことじゃない。ソロでの限界を感じていた私は同じくソロの貴方に声を掛けたってわけ。」

 「やはり、思った通り強いじゃない、召喚魔法まで使えて、火力の心配もなし、いや私は寄生するつもりはないわよ、勘違いしないでね。」

 「私だって、ここまでソロでやってきたのよ、腕には自信があるつもりだわ、それにアクセサリー類も持っているしね。」

 そう告げる彼女の指には5つのリングが嵌っていて、首にもネックレス、どうやら不自由をしていないのは本当らしい。金持ちの道楽、というわけか。

 「今はあまりお金はないけれど、Aランクに昇格してしまえばかなりの額が稼げるのよ。私の趣味は貴金属の収集、きれいなネックレスとかリングとか、大好きなのよ。貴方は持っていないのかしら、お金が貯まり次第買い取りたいのだけれど。

 「あいにくとなくてね、市場あたりで買えるんじゃないか、大きな都市の。」

 この前のダンジョンクリアの報酬があるが、これはトリスへのプレゼント、あげるはずもなく。


 あとは、他には彼女の家族のこと、父親の話、かなりの金持ちなようで、恵まれている人はいいものだ。兄もいるそうで、彼はサラが7歳の時冒険者になったと、年齢は7歳差。いまはかなりのレベルになっているそうで、生まれだけではなく才能にも恵まれていたのか、不公平なものだ。

 そんなこんな話をしている内に、大森林の目の前。ここからは少し集中していく必要がある、歩き出す。それでも口に戸は立てられるはずもなく会話は続く。

 「私の初めての依頼はネガキノコの採集だったかしら。見本も見て必死に覚えようとしたのだけれど、いざ森にいくとわからなくて、それっぽい物を採集して並べていたら後ろにビッグモスの幼虫。初めて見たモンスターはすごく怖くて、気持ちが悪くて、体当たりをもらいつつ必死に逃げたわ。」

 「結局その依頼は達成できなくて、モンスターが怖くて1週間は外にでれなかったわ。それが原因で虫モンスターは無理なの、それなのになんで受注するのよ。」

 「悪かったな、けどこれからも冒険をするんだろう?嫌がっていては進めない、頑張って克服していこうか。」

 

 そんなこんなでオーガの住む地帯へ。今日はなぜかあまりいないらしく、1時間ほど探し回る。足跡を見つけたのは40分ほどたったころだろうか、そこから追跡すること20分、そこにいたのは相当数のオーガ。何か集会でもしているのか、言語には到底聞こえない唸り声をあげつつ何かフォレストオーガリーダーやフォレストオーガスリーダーが5体ほど何かを相談しているよう。周りにはオーガが30体近く、オーガスも見受けられる、おそらくこの中に突撃したら死は免れられないだろう。

 「サラ、これは無理だ、場所を変えてほかの小さな集団を探そう。」

 「そうね、私も命は大事だわ。」

 「広範囲高威力の殲滅魔法でもあれば行けるだろうが、そんなものは覚えているはずもなし。仕方がないさ。」

 「そうね、ちなみにそんな魔法は火魔法レベル5当たりで取得できるって聞いたことあるわ。」

 「そうなのか、ありがとう。」

 いい情報を手に入れた、未だレベル3なので道は遠いが目指したいものだ。

 

 オーガの集団から離れ小さなグループを探す。一帯のオーガが集合しているのか、本当に姿が見えない。探し続けること1時間ごろ、やっと小さなグループを見つける。オーガリーダー1体、オーガ4体、メイジ2体のパーティー、最初にメイジとリーダーさえやってしまえばいけるだろう。メイジは前回と同じくテンとシェムに任せ、オーガリーダーはサラ、オーガは自分で行くことに決定する。奇襲に合わせオーガの首を刎ねる、あっさりうまくいき、残り3体、1体を激しく切り付け、交代する。左腕が血まみれのオーガに向かい、迷わずフレイムランスを。


 あと2体を大量の魔法と共にさっさと片付けて見合わすと、サラがリーダーの剣を盾で受け流しつつ首を刎ねていて、きれいな動き、これなら特に足手まといにはならないだろうか。

 その後、もう1時間かけてもう1グループ見つけ、殲滅する。そして、森の奥へと。

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