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或る世界の軌跡  作者: 蘚鱗苔
1 召喚、地固め
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 かれこれ2周目も終わり、30分はやったのだろうか、4ツ葉さえもない。群生地がいくつあるのかわからないが、いささか舐めていたようで、大銅貨20枚の意味を今さらながら悟る。立ち上がり次の群生地を探す。まだ太陽は頭上にはなく、次の群生地を求め歩き始める。ふと、プルミエにいく道の方向をみると、若い3人組のパーティがいるのが見える。こちらに気が付いたのか、別の方向へ向かっていく。これだけ広いならば、まぁ冒険者がいて当然だろう。

 テンとシェムを引き連れ、今度はもっと奥へ。彼らは自分が必死になって目を皿にしている間にラビット狩りとしゃれ込んでいたようで、肉を4つほど回収。ゴブリンの番いにまたであったけれども、今度は奇襲をくらう前に討伐、群生地も2つほど見つけた。しゃがみこんで探す。相変わらず腰に悪い作業、そして見つからない5ツ葉。4ツ葉自体が、大体3000株に1株、という噂も聞いたことがある、必死に探すが、ここにもないようで。


 昼としてパンを食べつつ、群生地を探す。ホーンドスネークも3匹ほどたおし、兎肉に至っては13個追加で集めている。そのあと群生地を1つ見つけたが、なし。ある程度歩いたところで、いったん引き返す。入り口までもどってなかったら、諦めようと思いつつ、すこし弧を描くように南のほうに膨らみながら道へと戻っていく。


 歩いていると、草が倒される、自分たち以外の音。周囲を確認する、右側から来ているようで、姿は見えにくいが、100メートルほど先の草が倒され、こちらへ近づいてきている。30メートルほどに近づいてきたころ、何がいるのか確認できた。蛇の群れ。おおよそ40体ほどの蛇の群れ。すさまじい数、ある程度姿が見えるとはいえ、草をなぎ倒しながら近づいてくる蛇の群れは、非常に気持ち悪く、慌てて撃退する算段を考える。5メートルほどの大きさの群れは、刻一刻と近づいてきていて、シェムに麻痺の煙を自分の動きのあとに、テンには、麻痺の煙が出次第、そこに火を放ってもらうよう伝える。25メートル、15メートル、10メートル、7メートル、5メートル、4メートル、ここで、カードを切る。

 ≪ファイアウォール≫

 草の何倍もの大きさの火が、地面から噴き出す。所詮目の前に3メートルほどの長さの火の壁を出すだけの魔法だが、近づいてきた蛇たちは、その炎に突っ込み、麻痺の煙が彼らを覆う。そこに跳ねたテンがファイアを放つ。枯草は少ないが、それでも引火した草も少なくなく、蛇を舐めるように覆う。あわててダークソードで目の前の草を切り払い、こちらまで燃えるのを防ぐと、もう一発ファイアウォール。横から抜けてきた蛇も、それに巻き込まれ炎上、それさえも避けてきた蛇には、ダークソードで切り払う。おおよそ5、6体ほどだろうか、切り払い、火が消えるのを待つ。所詮平原、草は短くすぐ燃え尽きる。それでも前方一帯は焼野原。まるでそこだけ呪われたかのように、遠くから見ると草が生えていないように見えるだろう。その真ん中にひときわ大きな蛇。あれが、ホーンドスネークリーダーというわけか。火にあぶられてもなお動いているあの蛇は、うまくファイアウォールを避け、草に延焼した火だけを被ったのかもしれない。50センチほどの長さの胴体、しかし頭の上についている捩れた角はまるで錐のようで、7、8センチはあるのではないのか。こちらに、飛びかかってくる。相当俊敏で、ダークソードでうち落とす予定が、必死に回避したものの、わき腹を切られていて。傷は深くないものの、脈打つわき腹。ホーンドスネークリーダーは飛びかかった勢いで自分の後ろに位置どったが、着地地点をなんとなく目測をつけていただろうテンの火を浴び、火だるまになる。隙を見逃さず、フレイムをあて、もう一発ダメ押しとばかりにテンのファイア。黒こげになり、ついに動かなくなった蛇のリーダー、周囲は焼野原。周りには肉の焼ける嫌な臭いが立ち込め大量の角のドロップが落ちている。上半身の服を脱ぎ、腕の部分を裂いてわき腹に巻く。圧迫して血を止めようという魂胆、そこまで傷が深くないと考えたからやった行動で、HPは残り1100。今のかすっただけの一撃で300も削られていて、もしも刺さっていたら目も当てられない結果になっていただろうことは確実。流石低級モンスター、まるでビッグモスの成虫張りの威力であった可能性もある。痛みを我慢し、歩き出す。ホーンドスネークの角は、38本あり、ホーンドスネークの捩れた角は1つ。一応依頼はクローバー以外は達成したが、次ゴブリンや蛇の群れの襲撃を受けた時点で、そうとう危ない状況に陥るだろう。群生地をさがしつつも、ゆっくりとプルミエに向かって歩き始める。


 歩くたびに、衝撃がわき腹に響き、思わず眉を顰める。神は自分を見捨てなかったのか、群生地を見つけ、寝るようにして探すも無し。兎肉も、2つほど追加。そろそろ平原をでようとしたとき、小さな群生地を。これが最後か。そう思い、わき腹を叱咤激励、しゃがみこんで神に祈るように探す。

 オルケー神、というものに初めて祈ったかいが会ったのか、5ツ葉のクローバーが生えているのを見直している際に発見。採集し、アイテムボックスに入れる。無事に全部の依頼を達成したようで、ふらつきながらも道へと戻る。時刻は太陽からみて3時ごろだろうか、もうクローバー探しはしたくないものだと思いながら歩き出す。そういえば、平原を見返すと、冒険者パーティが3、4組はいる。しかしソロでやっているのは自分だけなようだ。事情も事情、仕方ないと思いながらも歩く自分の心に、少しその事実は刺さった。


 今回入手したアイテム

 ・兎肉 19個

 ・ホーンドスネークの角 41本

 ・ホーンドスネークの捩れた角 1本

 ・ゴブリンの牙 4本

 ・5ツ葉のクローバー 1枚


 残金 0

個数間違えていたので修正


2012-11-26修正

2013-3-12改稿

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