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第二話
「…っ?」
目が覚めたら見知らぬ天井が見えた。
飛び起きるとそこは和室だった。
「っ母さん!」
あれからどうなった?母さんは?
「起きられましたか」
「あ…」
襖を開けて入ってきたのは、お盆を持ったスーツの強面の…確か桔梗さん?
「これを」
お盆を床に置き、上に乗っていた吸い飲みを私に渡す。
「あ…りがとうござい…ます」
素直に一口飲む。
「そのまま落ち着いて聞いて下さい。ご両親のことですが…間に合わず申し訳御座いません」
「そんなっ…!母は!父はどこですか!」
「現在我々のほうで…」
「会わせて下さい!」
桔梗さんに詰め寄るが、桔梗さんは口を閉ざした。
「桔梗、会わせてやれ」
私を助けてくれた蓮夜と呼ばれた青年が、黒い和服で立っていた。
「だが…」
渋った桔梗さんに、青年は私のところまできて私を抱えた。
「ひゃぁ!」
「行くぞ」
スタスタと歩き出した青年に、桔梗さんが慌ててついてくる。
「蓮夜!母親はともかく父親はっ!」
「黙れ。親の死に顔ぐらい見せてやれ。最後なんだ」
その言葉に両親の死を突きつけられた気がした。




