トリンドルの決意
トリンドルはシミアの枕に顔を深くうずめた。鼻腔には、彼女をこの上なく安心させる、あの慣れ親しんだ匂いが満ちていた。
「シミア……あなたって、本当に大馬鹿!」
彼女の小さな拳が布団の中でそっと枕を叩くと、かえってシミア特有の匂いがさらに濃くなった。
「魔法について議論するって約束したくせに……帰ってきたら絶対、きつくお説教してやるんだから!」
彼女はとうに準備を整えていた。しかし結果は深夜まで待たされ、約束を反故にされた怒り以外に、もっと強い感情が今、固く彼女の心臓を鷲掴みにしていた。
「シミアは一体どこへ行ったの? もしかして……何か危険な目にでも?」
そう思うとトリンドルは、まるでそれがシミア本人であるかのように枕を抱きしめた。しかし、その匂いがもたらす安心感は、今や彼女の心中にますます募る心配を少しも和らげることはできなかった。
「約束を破るにしても、シミアが一晩中、寮に帰らないなんて……」
一筋の陽光が無粋にもカーテンの隙間から差し込んできて、まるで鋭い手術刀のように、布団をかけているトリンドルの脚を二つに切り裂いた。苛立つ気持ちが彼女に小さな手を伸ばさせ、徒労にもその光を遮ろうとさせた。最終的に彼女は諦め、再び全身をシミアの枕の中に丸めて目を閉じた。
まさにその時、鍵が鍵穴に差し込まれる「カチャリ」という音を彼女は聞いた。
「シミア?」
彼女は猛然とベッドから飛び起き、最速でシミアの枕を元の位置に戻し、きちんとベッドの端に座った。まるでたった今、枕を抱きしめて叩いたり匂いを嗅いだりしていた恋する乙女が、全く存在しなかったかのように。
扉がゆっくりと開いた。
疲れきった顔のシミアが、夢遊病者のようなよろよろとした足取りで入ってきた。
「シミア! あなた、一体どこへ行っていたの!」トリンドルは一足飛びに彼女のそばへ駆け寄ると、濃厚で少し異常な紅茶の香りが鼻を突いた。
「王宮……わたくし、どうやら……疲れすぎて、それで眠ってしまったようで」シミアは努力して思い出そうとしたが、記憶はまるで断ち切られたフィルムのように、あの紅茶を飲んだ後、真っ白だった。
一陣の強烈な眩暈が再び襲ってきた。
彼女は手を伸ばしてドアフレームを支えようとしたが、その体はしかしふらついた。トリンドルは急いで自分のその小さな体で、彼女のぐらつく重心を支えた。
「シミア、あなた、一体どこで眠っていたの?」
我に返った時、自分はベッドの上に横たわっており、そしてミリエルが……ミリエルが一糸まとわぬ姿で、微笑みながら自分を見ていた。
「……ミリエル……陛下の、ベッドで……」
また一陣の眩暈がし、シミアは全身の力が抜けていくのを感じた。トリンドルは全力を尽くしてようやく彼女をベッドのそばまで支えた。強烈な倦怠感が再び襲ってきて、シミアの体はふっと力を失い、トリンドルを巻き込んで、あの彼女自身の柔らかいベッドの上に倒れ込んだ。
「シミア! 今これを、するなんて、まだ……まだ早すぎるわよ!」
トリンドルはからかおうと思ったが、しかしシミアの苦痛に満ちた生気のない表情を見た時、その瞳が猛然と収縮した。
彼女はこの表情を見たことがあった。商品として永遠の烈陽帝国から密輸されてきた女奴隷たちの顔に見た、薬によって蝕まれた後の、全く同じ空虚な表情を。
一つの恐ろしい推測が、まるで一本の黒い稲妻のように容赦なく彼女の脳裏に突き刺さった。
彼女は直ちに身を振りほどいて戸口へと駆け寄り、周りに誰もいないことを確認した後、猛然と扉を閉めて内側から鍵をかけた。そして彼女は、ようやく慎重に一歩また一歩とベッドのそばへと戻ってきた。
あの濃厚な紅茶の香りが、今嗅ぐと、しかし毒薬のように鼻を突いた。
「シミア……あなたの服を、脱がせて」
シミアのいつもは平静な瞳が、今はしかし一面の空虚だった。彼女は苦痛の表情を浮かべたまま、機械的にぎこちなく自分の服を引っ張ったが、どうしても脱ぐことができなかった。その自己の意志を失った様子を見て、トリンドルは自分の最も恐ろしい推測が現実となったことを知った。
彼女は震える手でシミアの胸元のリボンを解いた。制服の襟元が自然に広がり、少女のあの白皙で優美な鎖骨が現れた。
トリンドルは窓辺まで歩み寄り、猛然とカーテンを引いた。部屋は瞬時に一面の薄暗闇に陥った。彼女は再びベッドに這い上がり、シミアの寝姿勢を整えてやった。
シミアの苦痛に満ちた表情、微かに震える茶の染みのついた唇が、トリンドルの脳裏に、制御不能な一つの邪悪な念を閃かせた――もし今なら、シミアは自分の全ての要求を叶えてくれるだろう。
「シミア……キスして」彼女の声は緊張で微かに震えていた。「子供をあやすようなのじゃなくて……お、大人のキスを」
シミアは手を伸ばし、そっとトリンドルの頬を撫でた。そして彼女はゆっくりと、ゆっくりと近づいてきた。トリンドルの頬が瞬時に真っ赤になり、彼女は目を閉じ、シミアのあの柔らかな唇が自分の双唇に印されるのを感じた。あの枕の上よりも千百倍も濃厚な、本物のシミアの匂いが彼女の大脳を真っ白にした。
続いてシミアの湿った舌先が彼女の歯列をこじ開けた。二人の舌先が触れ合ったその瞬間、トリンドルは自分の体がまるで一本の優しい稲妻に打たれたかのように、瞬時に麻痺するのを感じた。
しかし、まさに彼女がこの幸福な眩暈に溺れようとした時、シミアのものではない、女王ミリエルが常用するあの紅茶の匂いが、シミアの口の中からくっきりと伝わってきた。
トリンドルの脳内が瞬時に炸裂した。
ミリエルが紅茶をシミアに飲ませる光景が、彼女の兄ノールがあの女奴隷を拷問する光景と、狂ったように交差し重なった!
あの女奴隷の苦痛の表情が、今この瞬間のシミアの表情と完璧に重なり合った!
彼女は猛然とシミアを突き飛ばした。シミアの体はベッドの板にぶつかり、力ない悲鳴を上げた。
トリンドルの視線が、シミアの胸元の、あの雪のように白い肌に落ちた。あの……もしかしたら、すでに別の女に占有されてしまったかもしれない肌に。
パァン――!
彼女は手を上げ、容赦なく自分自身に一記の平手打ちを食らわせた。
火のように熱い痛みが、欲望と嫉妬で混濁した彼女の頭脳を瞬時に冷静にさせた。彼女はベッドの上でまだ薬効に苦しみ呻いているシミアを見て、自分がたった今、無防備な彼女に何をしたのかを悟った。
怒りと自己嫌悪が入り混じった炎が、トリンドルの胸の中で熊熊と燃え上がった。
(女王ミリエル! 彼女がこんな卑劣な手段で、彼女の騎士を汚した! 彼女が、彼女の最も大切で最も誇らしい騎士を汚した!)
(そして、自分も……)
彼女は驚愕して後ずさり、ベッドから地面に転がり落ちた。背中から伝わる激痛が彼女を完全に覚醒させた。
「シミア……違うの……私……」
トリンドルは震えながら起き上がり、ベッドの上のまだ苦痛の中にいる姿を見つめた。
彼女は唇を固く噛み締め、シミアが身の下に敷いていた制服を引き出し、そして心中の渦巻く感情を堪えて彼女に布団をかけてやった。
シミアのあの苦痛の表情が、烙印のように深くトリンドルの脳裏に刻み込まれた。
「許せない……絶対に許せない……たとえあの人が女王様でも……」
「シミアは私の騎士……私……」ベッドの上の、あの脆く、なすがままの姿を見て、トリンドルはついに答えを得た。
「シミア、私があなたを守るわ。私、絶対にもうあなたにこんな目に遭わせたりはしない」
トリンドルはその小さな拳を固く握りしめ、心の中で高みにいるあの女王に向かって、自らの決して譲らない戦書を下したのであった。