フラッドの秘密
王都の反乱は、その夜が明ける前にすでに決着がついていた。
しかしミリエルの戦争は、まだ終わったわけではなかった。
彼女は周りの環境とは不釣り合いな領主学院の制服を着て、一人、ミゲル・フラッドの封鎖された書斎の中央に立っていた。空気中にはまだあの男特有の贅沢な香料の匂いが残り、そこにあるかないかの血の鉄錆の匂いが混じり合っていた。
「コーナ」
「はい、ミリエル様」ずっと静かに戸外で控えていたコーナが、直ちに入ってきた。
「『税収』、『領地経営』、そして『家族系譜』に関する本を全て探し出し、傍らに置きなさい」ミリエルの声は冷静で一片の波紋もなかった。「残りは一冊ずつ、念入りに調べなさい」
「はっ!」
ミリエルはよく分かっていた。フラッドのような貪欲の極みにあり、また慎重の極みにある老獪な狐が、まさか自分と「黒幕」との繋がりを手紙などという愚かな方法で残すはずがないと。しかし同じように、彼のあの自負に満ちた性格からして、彼もまた必ずや自らの「功績」や「切り札」を証明する何かしらのものを、この最も安心できる巣穴の中に隠しているはずだと。
コーナが書籍を探し始めたまさにその時、一陣の性急な足音が戸外から聞こえてきた。バセス将軍のあの大きな姿が書斎の戸口に現れた。彼の顔には珍しく、険しい表情が浮かんでいた。
「陛下、一大事でございます」
「申せ」
「ミゲル・フラッドが……地下牢から、忽然と姿を消しました」
コーナは抑えた驚きの声を上げた。ミリエルはしかし、ただわずかに眉をひそめただけでその顔には一片の驚きもなく、まるでとうにこの結果を予期していたかのようだった。
「彼は最下層の『静寂の牢』に監禁されておりました。壁は砕魔石を混ぜた黒曜岩で構成され、唯一の鉄の扉はわたくしの直々の命令があって初めて鍵を使用して開けることができます」バセスの声はこの上なく断定的だった。「彼が自力で脱出することは不可能ですし、また誰かが外部から侵入して何の痕跡も残さずに済むはずがありません」
「つまり」ミリエルの口角が冷たい弧を描いた。「これは『脱獄』ではなく、一回の正確な『抽出』だということね。敵がここまでできるからには、彼のあの同族どもを人質として残すほど愚かではないでしょう。これは……彼一人だけを連れ去ることができる方法」
彼女はもはやこの問題にこれ以上こだわることなく、その視線を再び目の前のこの巨大な書架へと向けた。
「バセス将軍、あなたも手伝ってちょうだい。思うに、答えはきっとこれら物の中に隠されているはずよ」
……
時間だけが刻々と過ぎていった。
書斎の中には、ただ書頁が速くめくられる「サラサラ」という音だけが響いていた。
コーナはすでに百冊以上の本を調べたが、しかし何の収穫もなかった。彼女は少し気落ちしてミリエルに目を向けたが、彼女の女王が今集中して見ているのは、書架の一列の……彼女が最も見るはずのない本であったことに気づいた。
それは一列の、装丁が精巧で金文字が箔押しされた……王室の史書だった。
「ミリエル様、これらの本は……」
「コーナ、あなたはフラッドのような人間が、心からこれらの『忠君愛国』を説くものを読むと思う?」ミリエルは振り返ることなく、ただ淡々と尋ねた。
コーナは首を横に振った。
「彼は読まないわ。だからもし彼がこれらの本を最も目立つ場所に置いているとすれば、それはただ一つの可能性しかない――」ミリエルは手を伸ばし、書架から一冊の分厚い『ローレンス王室紋章学』を引き抜いた。
「――この中に、彼が本当に見たいものが隠されている」
彼女は本を開いた。書頁の中央には驚くべきことに、人為的にくり抜かれた正方形の凹みがあった。
そして凹みの底には、一枚の付箋が貼られた深褐色の小さなガラス瓶が静かに横たわっていた。
彼女は瓶を手に取り、瓶のその乱暴だが力強い帝国語で書かれた三つの文字をはっきりと見た時、彼女の瞳が猛然と収縮した。
「馭奴薬」。
そしてその三文字の下には、さらに通用語で一行の小さな文字が記されていた。「使用の際は、必ず少量から始めること」
「これは……永遠の烈陽帝国の禁制品! 彼らが決して外部に流出させない処方! フラッド……彼がどうして……」コーナは信じられないといった様子でその小さな瓶を見つめた。
ミリエルの脳裏に、瞬時に荒れ狂う大波が巻き起こった。
フラッドが遥かな永遠の烈陽帝国の禁制品を手に入れることができる!
あの彼女の魔法を破ることのできる「砕魔の短刀」が、もし本当にミゲルの言う通り上古の巨獣の骨粉を混ぜた材料で鍛造されたものであるならば、このレベルの戦略物資は断じて金銭だけで買えるものではない!
この反乱は最初から、ただいくつかの貴族の野心だけではなく、もう一つの国家によるローレンス王国に対する長年にわたる周到な、致命的な浸透だったのだ!
彼女はあの辺境からの「惨敗」の偽の情報を思い出した。鋼心連邦のあの常軌を逸した猛烈な攻勢を思い出した。
一つの恐ろしい考えが彼女の脳内で狂ったように形を成していく――
もしかしたら鋼心連邦の侵攻、フラッドの反乱、この時間的に偶然のように見える二つの事件の背後には、もっと深く、もっと毒辣な存在がいて、同時にこの全てを操っているのではないか。
彼女のこれまでの全ての勝利が、この瞬間、一つの冷たい冗談のように思えた。彼女は一つの嵐を平定したと思っていたが、まさか自分がただ小さな、故意に点火された火種を消したに過ぎなかったとは。そして真の森林大火は、すでにフラッドの失踪を合図として音もなく燃え上がっていたのだ。
「ミリエル様? どうかなさいましたか?」コーナはミリエルの瞬時に青ざめた顔を見て、心配そうに尋ねた。
ミリエルはゆっくりと、ゆっくりと首を横に振った。
彼女はその小さな瓶を固く掌に握りしめた。その冷たいガラスの感触が、彼女のあの怒りと恐怖で狂ったように跳ねる心を、再び絶対的な冷静さを取り戻させた。
「何でもないわ」
彼女の声は恐ろしいほどに平静だった。
「コーナ、あなたとバセス将軍は先に外へ出て。衛兵にフラッドとルルト家の邸を完全に封鎖させなさい。中の一草一木、全て念入りに調べるように」
「はい、ミリエル様」
コーナとバセス将軍が書斎を出て行き、そして扉を閉めるのを見届けてから、ミリエルはようやくゆっくりと手を緩め、掌の中の、あの小さいが大陸全体の勢力図を覆すに足る瓶を見つめた。
彼女はしばし沈黙し、それから無表情に、あの冷たい小さな瓶を自分の制服のポケットの奥深くへと滑り込ませた。
小さな錠剤が瓶の中で澄んだ音を立て、そして再び沈黙に帰した。