窮地の策、シミアの采配
アルヴィン将軍は、天幕の中の巨大な地図を険しい顔つきで見つめ、その眉間には深い皺が刻まれていた。
二日が経った。敵軍はじりじりと敗走を続けているものの、その落ち着き払った秩序ある様子が、まるで魚の骨のように彼の喉に突き刺さって取れなかった。これは到底、潰走などではない。これはもっと……計画的な、優雅な後退だった。
もし二日前の自分であったなら、今頃とっくに我慢できずに自ら大軍を率いて追撃し、この「見掛け倒し」の傭兵どもを一網打尽にしようとしていただろう。
しかし今、彼の目の前にはいつも、制御不能にあの黒髪の少女の姿が浮かんでくる。
(あの小娘であったなら、きっとこの中には罠があると言うだろうな)
アルヴィンは苛立たしげに、自分のぼさぼさの髭を掻きむしった。シミアは丸二日間、天幕に顔を見せていない。彼は少し心配だったが、しかし面子を気にして自ら見舞いに行くこともできなかった。
まさにその時、天幕の入口で一陣の小さな、しかしひときわ耳障りな騒ぎ声が起こった。
アルヴィン将軍は大股で天幕を出ていくと、ちょうど二人の新しく配属された衛兵が、ひどく苛立った顔で長槍で見慣れすぎた小さな姿を遮っているのを目にした。
「どうかアルヴィン将軍にお取り次ぎください。本当に遊びに来たわけではないのです」シミアの声は抑えた後のかすれが混じっていたが、依然として平静だった。
「お前のような子供に何の軍事情報があるというのだ? ままごと遊びがしたいなら、お前たちの学校の観摩団に帰るんだな!」
その光景を見て、アルヴィン将軍の顔に瞬時に喜びと怒りが入り混じった複雑な表情が浮かんだ。彼は三歩を二歩で駆け寄り、一気にあの無遠慮な長槍を払い除けた。
「ようやく来たか!」彼は手を伸ばし、いつものように親しみを込めて少女の髪をくしゃくしゃにしようとしたが、その掌が、あの柔らかな黒髪に触れようとした時、彼は止まった。
なぜなら彼は、今まで一度も見たことのないシミアの目を見たからだ。
あの、いつもは平静で時折知性の光をきらめかせる瞳が、今、しかし、まるで底知れぬ冷たい古井戸のようだった。全ての感情――悲しみ、苦痛、迷い――はすでに沈殿し、ただ一種の……心臓を鷲掴みにされるような、絶対的な空虚だけが残っていた。
「……すまん」アルヴィンは少し気まずそうに手を引っ込めた。「最近、野営地は人手が足りなくてな。他の領主の衛兵を見張りに回したんだが、彼らにお前のことを言い忘れていた」
将軍と目の前の小娘がこれほどまでに親しげであるのを見て、入口の衛兵の顔から瞬時に血の気が引いた。
「お気になさらないでください」シミアの声は依然として平静だった。「あなた方は忠実に職務を果たし、将軍のために潜在的な邪魔者を排除してくださいました。将軍があなた方をお咎めになることはないと思います」
アルヴィンは頷き、それ以上何も言わなかった。彼は背後の、あのまだ魂が抜けたような衛兵二人を置き去りにし、シミアを天幕の中へと招き入れた。
……
天幕の中の相も変わらずの調度品、あの敵味方の位置が記された地図を見て、シミアは一筋の久々の親近感を感じた。二日間、アルヴィン将軍はやはりあのままだった。それが彼女の、とうに嵐にめちゃくちゃにされた内心に、一筋の得難い静けさを感じさせた。
アルヴィン将軍は地図の周りの椅子をどかし、彼女を地図の前まで連れて行くと、あの彼女が使い慣れた指揮杖を彼女の手に渡した。
「ご覧の通り、敵は徐々に後退している。奴らは潰走しているようには見えん。後退するごとに効果的な反撃を仕掛けてくる」アルヴィン将軍は一息置き、一種期待を帯びた眼差しでシミアを見た。「わしは軍に追撃を停止させ、ちょうどお前を呼びに行こうと思っていたところだ」
将軍の、あの真摯な、甚だしきは一筋の「助けを求める」ような色さえ帯びた目を見て、シミアは唇を固く噛み締めた。
彼女は指揮杖をそっと机の上に戻し、深く息を吸い込んだ。そして顔を上げ、あの冷たい、一片の感情も帯びていない目でアルヴィン将軍を直視した。
「将軍、戦術を議論する前に、わたくしが直面している窮状をありのままお伝えしたいと思います。それをお聞きになった後、将軍は我々の以前のいかなる約束にも縛られることなく、ご自身のご判断を下してください」
シミアの顔の、あの決然とした表情を見て、アルヴィン将軍のからかおうとしていた気分も、瞬時にこの上なく真剣なものになった。
「よかろう」彼は力強く頷いた。
シミアはスカートの裾の内側から、あのカシウスの手紙を取り出した。その手紙は彼女が無数に読み返し、「八つ当たり」をしたせいで、今やくしゃくしゃになっていた。アルヴィン将軍は慎重に手紙を受け取り、広げ、一字一句読み始めた。
読み進めるにつれて彼の眉間の皺はますます深くなり、手紙を持っていない方の手は、固く握りしめられたせいで青筋が浮き出ていた。
「ドン――!」
一つの巨大な響きと共に、アルヴィン将軍の拳が容赦なく天幕内のあの歴戦の木の机に叩きつけられた。
彼は手紙を置き、あの怒りで真っ赤になった顔を、目の前の申し訳なさそうな、しかし依然としてまっすぐに立っている少女に向けた。
「アルヴィン将軍、ご覧の通りです。今より、わたくしのいかなる判断も、必ずやこの手紙の影響を受けることになります」シミアはあの空虚な目で彼を見た。「わたくしを追い出してくださっても結構です。この戦争をお一人で指揮なさっても結構です。我々の約束も女王の指令も、もはやあなた様を縛ることはありません。全てはあなた様がお決めになることです」
そう言うと、シミアは悲しげにゆっくりと頭を垂れ、足元の、あの無数の軍靴に踏みつけられて印だらけになった敷布を見つめた。
少女の、あの自らの運命を完全に自分の審判に委ねた脆い姿を見て、アルヴィン将軍の胸中の怒りの炎は突然消えた。代わりに、一種何とも言えぬ、心痛と敬服が入り混じった複雑な感情が込み上げてきた。
彼は突然、朗らかに大笑いした。
「何を馬鹿なことを言っているんだ、シミア……将軍」
アルヴィン将軍は、あのシミアが机の上に置いた指揮杖を手に取り、再び彼女の手に押し戻した。
シミアは驚いて顔を上げた。アルヴィン将軍の、あの信頼に満ちた朗らかな笑顔と目が合った。
「わし、アルヴィンは戦友を見捨てるような無義な男ではない」彼は胸を張り、胸元の革鎧を重々しく叩き、「ガチャン」という響きの良い、人を安心させる音を立てた。
「見せてみろ。お前にはきっともう策があるのだろう」
シミアは眼窩が熱くなるのを感じた。彼女は目の前のこの粗野な将軍を見て、力強く、力強く頷いた。
……
アルヴィン将軍はそっと不器用にシミアの頭を撫でた。シミアのあの高ぶった心は次第に落ち着いていった。彼女の視線は再び、あの彼女がこの間、片時も忘れることのなかった地図の上に戻った。
全てはとうに彼女の計画の内にあった。
彼女は席から立ち上がり、再びあの指揮杖を握りしめた。
アルヴィン将軍も席から立ち上がり、あの慈愛に満ちた眼差しが瞬く間に鋭く、そして真剣なものに変わった。
「アルヴィン将軍、敵は後退しているとはいえ、主力は健在です。もし我々がこの戦で彼らに大打撃を与えられなければ、辺境に安寧の日は永遠に訪れないでしょう」
アルヴィ-ン将軍は頷いた。
「わしもそう思う。長期の対峙は我々の財政と辺境の経済を疲弊させるだけだ。我々は決定的な勝利を収めねばならん」アルヴィン将軍は笑い、意味深にシミアを見た。「思うに、我らがシミア将軍には、きっともう策があるのだろうな」
アルヴィン将軍に「将軍」と呼ばれても、シミアはもはや違和感を感じなかった。彼女はただ平静に頷き、指揮杖を前線からゆっくりと、あの彼女がかつてそのために奮戦した――カール堡塁へと移した。
「我々は……カール堡塁を放棄しましょう、将軍」
「何?!」
「敵、あるいはカシウス先生は、我々がこれほど容易く堅城を放棄するとは信じないでしょう。ですから彼はすぐに大軍を派遣して占領するのではなく、まず精鋭の小分隊を派遣し、虚実を探りに来るはずです」シミアは目を閉じ、まるで戦場全体がすでに彼女の脳裏に形成されているかのようだった。彼女が再び目を開けた時、あの冷たい瞳には狂気の炎が燃えていた。
「我々は城を放棄したと見せかけ、カール堡塁を一つの巨大な、彼らのために用意された罠へと変えるのです。彼らを誘い込み、さらに多くの主力をこの『唾手可得』の堅城の中へと投入させる。彼らが完全に中に入ったその時……」
シミアは指揮杖でカール堡塁を囲むように、一つの必殺の閉じた円環を描いた。
「彼らを一網打尽にするのです!」
シミアのこのほとんど狂気じみた計画を聞き、アルヴィン将軍の目は恐ろしいほどに輝いていた。
彼の目の前に、まるで、すでに敵軍のあの数千人の部隊が、あらかじめ罠が満ち溢れた堡塁の中に包囲され、天に道なく地に門なしの絶望の表情が浮かんでいるかのようだった。
「見事な計画だ……実に、見事な計画だ!」彼は心から賛嘆した。「しかしお前はどうする? お前はあのシャルという小娘を助けに行かねばならんのだろう?」
シミアは頷き、その顔に初めて苦渋の表情が浮かんだ。
「わたくしは仲間と共に、シャルを救い出すべく努力します。我々三人なら、きっと何とかなるはずです」
アルヴィン将軍の眼差しが瞬時に鋭くなった。
「まさかお前は、自分の犠牲でこの戦役の勝利を勝ち取ろうなどと考えているのではあるまいな?」
「ア……アルヴィン将軍、我々は努力します」シミアは急いで説明した。「ただ相手はカシウス先生です。彼は必ずや最も精鋭の小隊を用意し、あの場所を見張らせているはずです」
「伝令! 入れ!」アルヴィン将軍は突然大声で怒鳴った。
すぐに一人の痩せた兵士が急いで天幕の中へと駆け込んできた。
「行け! ドドリン隊長をわしの元へ呼んでこい!」
伝令兵は急いでアルヴィン将軍に敬礼し、天幕を飛び出していった。
「ドドリンをお前と共に行かせろ」アルヴィン将軍の口調は有無を言わせぬものだった。「わしの親衛隊は人数は少ないが、一人一人が一騎当千の猛者だ」
「しかし、こちらの戦場の方が彼らをより必要と……」
「お前が決めると言ったのではなかったのか?!」アルヴィン将軍は直ちにシミアの言葉を遮り、彼は前に出て、あのたこだらけの分厚い手で重々しくシミアの痩せた肩に手を置いた。
「よく聞け」
「生きて帰ってこい、シミア将軍」
「はっ」
こうして、軍神少女シミアの人知れぬ、しかし王国全体の運命を決定づける戦争が、幕を開けたのであった。