砕かれた港と、温かい太陽
シミアはシャルのかけ布団に全身をうずめた。
鼻腔には、陽光と焼きたてのパンが混じり合ったような、シャルの慣れ親しんだ淡い匂いが満ちていた。彼女は、シャルがまだ存在していることを証明する最後の一筋の空気であるかのように、貪欲にそれを吸い込んだ。布団の外の世界は音も光も温度も全てがぼやけて遠くなり、彼女は自分が果てしない、人を安心させる死海の上に漂い、記憶の黒い波になすがままに流されているように感じた。
子供の頃、村の子供たちにいじめられた時も、彼女はいつもこうして布団の中に逃げ込んでいた。暗闇と静寂は、いつも彼女に不思議な保護感を与えてくれた。
父が、あのいつも浅い笑みを浮かべた栗毛の少女をブレン家に連れてくるまでは。最初、シャルとの付き合いは順調ではなかった。あの子はあまりにも鋭敏すぎて、いつも自分が幾重にも重ねた棘のある偽装を容易く見抜いてしまった。
しかし、どれほどひどい言葉を言っても、シャルはいつも、少し困ったような、それでいてやはり温かい笑顔で寄り添ってきた。次第に、自分が長い長い間鍵をかけていた心の扉が、こうして彼女の不器用な優しさによって少しずつ押し開かれていった。
「ちくしょう!」
シミアは猛然と布団を握りしめた。指の関節が力を入れたせいで白くなる。しかし次の瞬間、彼女は驚愕して手を緩めた。自分のこの乱暴な動きが、この……彼女の最後の仮の港を壊してしまうのではないかと恐れたのだ。
一筋の冷たい風がいたずらっぽく布団の隙間から忍び込んできた。シミアは無意識のうちに両足を抱きしめ、体をさらにきつく丸めたが、あの骨の髄から染み出してくるような刺すような寒さを遮ることはできなかった。
この寒気は……
彼女の脳裏に、制御不能にあの二人で王都に到着した夜の光景が浮かんだ。古びた旅籠のあの冷たいベッドの上で、彼女たちは固く抱きしめ合った。明日餓死するかどうかさえ分からないというのに、ただお互いがいるだけで、あの寒い冬の夜はこの上なく温かくなった。
あの夜……
そうだ、あの夜でもあった。ミリエルが自分の計画に対して三つの警告を提示し、そして自分はよりにもよって、あの最も肝心なカシウスに関する警告を無視してしまったのだ。
なぜ?
(あれはただミリエルの優しさだ。彼女はただ自ら悪名を引き受けようとしただけだ)
違う、そうじゃない。シミアはミリエルの言葉が正しいと知っていた。自分はただ……信じたくなかっただけだ。
なぜ自分は、相手が「先生」であるというだけで、これほどまでに無頓着になってしまったのだろう?
思考がさらに過去へと引き戻される。
歴史の弁論の授業で、カシウス先生は自分の勝利に拍手を送り、まだ尽くされていない推理があると指摘してくれた。あの時、シミアは初めて自分の考えが一人の「大人」に完全に理解されたと感じた。あの認められた喜びが、彼女を次第に得意満面にさせていった。
「なんて虚栄心の強い女なの」彼女はほとんど聞こえない声で自分自身を叱責した。
天幕の中で、シャルが顔を赤らめ、小声で自分にカシウス先生に近づきすぎないようにと警告した。
しかし、自分はどうした? ただそれはシャルの無邪気な誤解だと思っただけだった。甚だしきに至っては、シャルのあの鋭い直感の裏に一体何を感じ取っていたのか、考えようとさえしなかった。もしあの時、自分がもう一言尋ねていれば、もしもう少しシャルの考えを理解しようとしていれば……
なぜ彼女のあの最も真摯な警告を真に受けなかったのだろう?
「なんて傲慢な女なの」彼女はもう一度、声に出して自分を叱責した。
漆黒の夜、ルルト家のミリエルが自らの危険を顧みず、カシウスがかつて彼女を唆したという事実を全て打ち明けてくれた。
しかし、自分は? カシウスの度重なる温和なお世辞に心を動かされ、彼のあの完璧な「師」のイメージに一縷の望みを抱いてしまった。私は自ら彼の嫌疑を隠蔽し、この致命的な疑いを誰にも話さなかった。シメルにも、トリンドルにも、レインにも、アルヴィン将軍にも……
「結局、あなたは自分が信じたいことだけを信じたいだけなのよ」彼女は全力で、声に出して自分を叱責した。
シミアの目の前に、あのシャルの血に染まった髪留めが浮かんだ。彼女はシャルの頭部が傷つき鮮血が流れる様子を想像した。彼女は必死に自分を抱きしめたが、あの寒気がもはや制御不能に布団の中に流れ込んでくるのを感じた。シャルの匂いがこの流れ込んでくる冷たい空気に次第に薄められていく。シャルが……彼女から遠ざかっていく。
まさにその時、天幕の垂れ幕がそっと開けられた。一股の温かい食べ物の香りが横柄にシミアの鼻腔に流れ込んできた。
「シミア……何か食べるに越したことはないわ。私……私、スープをあそこに置いておくから。あなた……何か食べてちょうだい」
布団の外から、シメルの慎重で心配そうな声が聞こえてきた。
スープ……
そうだ、あの日、シャルは明らかに体調が悪そうな様子だった。私が、あの乾いて固いパンと肉干しを食べさせないために、彼女は自らの手で私のためにスープを作ってくれた。シャルは私がものを食べている時、あんなにも優しい笑顔を浮かべていた。あの時、私はただとても感動しただけで、彼女のために何かをしてあげようとは考えもしなかった。
しかし今、このスープの香りが、まるで最も汚らわしい匂いのように、絶えずシミアの嗅覚を掻き乱す。一股の強烈な吐き気が猛然と胃の奥から込み上げてきた。彼女は急いで布団をめくり、傍らへと駆け寄り、地面に膝をつき空嘔吐した。しかし胃酸が喉を焼く酸っぱい味以外、彼女は何も吐き出すことができなかった。
突然、彼女の視線があるものに引きつけられた。
スープの椀の隣に、一本の菜切り包丁が静かに置かれていた。
シミアはこの刀を知っていた。シャルがずっと使っていたあの一本だ。その刃はぴかぴかに手入れされており、この刀がその主人と六、七年も共にあったとは全く見えなかった。
これはシャルが美食と温もりを創造するために使っていた道具だ。
シミアの脳裏に、突然、遥かな前世の記憶の断片が閃いた。あの両親に嫌われ、先生に見捨てられ、同級生にいじめられた自分が、かつて部屋に閉じこもり、自分の命を終わらせる無数の方法を探していた。ただ最後の勇気がなかったために、それらの計画は実行されなかっただけだ。
もしかしたら……今こそ、償いの機会なのかもしれない。
シミアは震える手でその菜切り包丁を手に取った。冷たい感触が彼女の精神を奮い立たせる。彼女は、その鋭い、自分の青白い顔を映し出す刃を見た。
(シャルはきっと理解してくれる。今、最も裁かれるべき人間は私だ。シャルが受けた苦痛は、私が今受けるこの苦痛で償おう)
「シミア、入ってもいい? シミア?」
天幕の外から、トリンドルの焦った呼び声が響いた。
シミアはそれを無視した。彼女はその冷たい刃を自分の細い手首に向けた。
まさにその時、天幕の垂れ幕が猛然と引き開けられ、一陣の帳外の冷たい風をもたらした。トリンドルが飛び込んできた。彼女がシミアの手の中の菜切り包丁を見た時、あのいつも我儘と誇りに満ちていた顔に、初めて純粋な驚愕と恐怖が刻まれた。
彼女の、あの実りの季節の麦の穂のような金色の髪が、シミアの目の前で一つの残像を残した。
次の瞬間、シミアは手首に一陣の激痛を感じ、続いて全身が麻痺した。菜切り包丁が「ガチャン」と音を立てて地面に落ちた。
トリンドルは居高臨下にシミアを見下ろしていた。彼女の指先にはまだ、一筋一筋の細かな懲戒の稲妻が躍動していた。
シミアの視線が、あの落ちたせいで泥にまみれた菜切り包丁に落ちた。彼女は立ち上がり、まるでトリンドルが見えていないかのように、彼女を迂回してその刀を拾いに行こうとした。
突然、一つの澄んだ響きが静寂の天幕の中で炸裂した。
「パァン――!」
「シミア、あなた……あなたこの馬鹿!」
「トリ……ンドル?」
シミアは火のように熱い頬を押さえ、信じられないといった様子でトリンドルを仰ぎ見た。
彼女の顔は苦痛に満ち、その眼窩から大粒の大粒の涙の珠が制御不能に転がり落ちていた。
一つの小さな温かい体が猛然と彼女の懐に飛び込んできて、彼女を容赦なく地面に押し倒した。
トリンドルの、海のように青い宝石のような瞳が、シミアの目に映り込んだ。シャルの温かい匂い、トリンドルの熱い涙が、深く、深く彼女の瞳に焼き付けられた。トリンドルの涙に濡れたのか、それとも自分も涙を流したのか、目の前の視界がぼやけてきた。
「この馬鹿騎士……」トリンドルの小さな拳が力なくシミアの胸を叩いた。「あなたは私を、シャルを、シメルを置き去りにして、一人で先に行こうとでも言うの?!」
「あなたが自分に一体何の不満があるのか知らないけど、私から見ればシミアは何も間違ったことなんてしていないわ!」
間違っていない?
「でも、シャルが……」
「自分が誰だと思っているの?! 古の十一英雄?! 神様?! この馬鹿騎士!」トリンドルの優しい拳がシミアの腹を打ち、そしてまたあの涙に濡れた手で優しく彼女の腹部を撫で、無理やり自分と視線を合わせさせた。
「シャルが捕まったのなら、助けに行けばいいじゃない! まさかあなたが死んだら、彼女が自分で帰ってくるとでも言うの?! まさか私一人に敵の大本営で、あなたのために泣けとでも言うの?!」
「でも、カシウス先生は……」
「カシウス先生が先生じゃないかなんてどうでもいい! よく聞きなさい!」トリンドルは両手でシミアの顔を包み込み、一種有無を言わせぬ我儘の極みのような口調で命令した。「シミアは天才よ! あなたは私をあのごろつき共の手から救い出してくれた! あなたは歴史の先生に負けなかったし、シメルにも負けなかった。ましてやあのいちゃもんをつけてきた貴族たちにも負けなかった! あなたは将来も絶対に負けない! 誰にも負けない! あなたはカシウスに劣らないし、シメルにも劣らない。あの何とかいう十一英雄にも劣らない! あなたは私の騎士! 私、トリンドル・エグモンドが認めた、運命の、私の最も優秀で最高の騎士なのよ!」
「トリンドル?」トリンドルのこの支離滅裂だが、この上なく真摯な告白を聞き、シミアは頬が火のように熱くなるのを感じた。トリンドルの小さな体が今、まるで太陽のような温もりを放ち、周りのあの冷たい海水を溶かし、彼女を完全に包み込んでいた。
「いいこと! もし私が敵に捕まったら、あなたはただ全力を尽くして私を助けに来ればいいの! 危機に陥ったお姫様を救うのは、騎士の義務よ!」
シミアは頷いた。
トリンドルはそこでようやく、自分が一体何を言ったのかに気づき、その頬が「サッ」と音を立てて真っ赤になった。
シミアは手を伸ばし、あの小さな、微かに震える体を包み込み、あの灼熱の呼吸が自分の胸に当たるのをなすがままにした。
「シミア、あなたに命令するわ。シャルを救い出しなさい。シャルはあなたの親族、ならばそれは私、トリンドル・エグモンドの親族よ!」
シミアは目を閉じ、トリンドルのあの灼熱の、何の隠し立てもない真心を、感じた。
「分かった?」
「はい、我が姫君様」