狩人の最後の一手
ミゲル・フラッドは部屋の中を一人歩き回っていた。彼は腰からあの深紅の宝石が散りばめられた短刀を解くと、その冷たい鞘を、まるで愛撫するかのように指の腹で優しくなぞった。
「あと少し……本当に、あと少しだ……」
彼はゆっくりと短刀を抜き、その鋭い刃の面に興奮でわずかに収縮した自らの瞳が映り込んだ。冷たい光が四方に溢れ出す。
彼の脳裏に、またしてもあの日の光景が蘇った。あのミリエル・ローレンスという名の若き女王が、平静を装って階段を下り、自分の目の前で立ち止まった。王権を象徴する目に刺さるほど鮮やかな深紅の絨毯、本来ならフラッド家のものであるべき眩い王冠が、自分から本当にあと一歩の距離にあったのだ。
滑稽なことだ。彼の先祖はかつて初代ローレンス王に従い血を流して戦ったというのに、勝利の後、愚かにも人後に甘んじることを選んだ。しかし今、自分はほんの少しの策略で、この先祖が天険と見なした垣根を容易く乗り越えることができる。
彼の目の前に、あの無能な先代の国王の顔が浮かんだ。父娘の情に溺れ、領主たちの台頭を見て見ぬふりをした愚か者の。フラッドは空中に向かって軽く短刀を振るうと、まるで、あの臆病な顔を容易く切り裂いたかのようだった。
そして、その天才と謳われた娘は、今や自分が自らの手で編み上げた絞首索に固く囚われている。あとは適切な時機を見計らい、軽く一引きするだけ……フラッドの口角が、冷たい、一片の笑みもない弧を描いた。そろそろこの権力を、その真の主人の手に戻す時が来た。
コンコン――
一つの落ち着いたノックの音が響いた。
「旦那様、図書館の司書、コーナ・ハールウェルスがお見えです。女王陛下からの緊急のご口勅をお持ちしたと」
「ほう?」ミゲルは顔の全ての余計な表情を収め、慎重に呼吸を整えた。長年の準備を、この最後の一瞬で一片たりとも隙を見せるわけにはいかない。
彼は短刀をゆっくりと鞘に戻し、慎重に引き出しの中へ入れるとそれを押し戻した。「彼女を入れろ」
しばらくして、あの紫色の短い髪の、目立たない図書館の司書が入ってきた。
「ご機嫌よう、ミゲル・フラッド様」コーナの顔には、彼女の伝令という身分にふさわしい絶妙な焦りの色が浮かんでいた。「たった今、女王陛下が前線からの緊急の戦況報告をお受け取りになりました。戦況は……尋常ではございません。陛下は直ちに、あなた様のお力添えを賜りたいと」
そう言うと、コーナは懐からあの涙の痕のついたアルヴィン将軍直筆の戦況報告を取り出し、両手で恭しく差し出した。
ミゲルは戦況報告を受け取り、一字一句読み始めた。
……辺境の形勢は刻一刻と変化……戦況報告起草の時点で、辺境三砦はすでに全て陥落……敵の攻勢は猛烈を極め、エグモンド家当主ミラーは生死不明、アルヴィン将軍本人もまた重傷を負い……学生観摩団は敵軍の奇襲を受け、死傷者多数、主力はほぼ壊滅……
ミゲルの眉がどんどんきつくひそめられていく。彼が最後の一字を読み終えた時、一股の怒りが制御不能に心の底から込み上げてきた。
彼が怒っているのは王国の損失ではない。自分の損失だ。
「やりおるわ、鋼心連邦のあの雑魚どもが!」ミゲルの心はまるで血を流しているかのようだった。あの堅固な堡塁、あの訓練された兵士たち、あの豊かな辺境の領地……全てが彼が間もなく手に入れるはずの財産だったのだ! 彼は自分が玉座に着いたばかりで、食い荒らされてぼろぼろになった王国を引き継ぐことなど望んではいなかった!
「はい。ですから女王陛下は、あなた様が直ちに援軍を派遣し、辺境を支援してくださることを望んでおられます。もし可能であれば、この反乱を平定されたばかりの功臣である、あなた様ご自身が兵を率いてくださることを」コーナの声には一筋の懇願の色が混じっていた。
ミゲルは戦況報告を置き、コーナの心配に満ちた顔が彼の目に映った。
(思えばお前たちのハールウェルス家も、かつてはかなりの勢力を持つ家族であったものを。今やこの落ちぶれた王国と共に沈むしかないとはな。あの自ら領地を返上した愚かな先祖に、今のお前のこの哀れな姿を見せてやりたいものだ)
「承知した」ミゲルは顔に沈痛な表情を作り出した。「女王陛下にお伝え願いたい。事態は重大ゆえ、しばし準備の時間をいただきたいと。後ほどわたくし自ら王宮へ参上し、陛下と直接ご相談させていただく。我々はこれ以上失うわけにはいかないのだから」
「はっ! 女王陛下もあなた様のお越しをお待ちしております!」
コーナはミゲルに深く一礼し、一筋の希望を胸に足早に部屋を出て行った。
ミゲルはその戦況報告を手に取り、また繰り返し何度も見つめた。
彼の顔の沈痛な表情はとうに消え失せ、代わりに崖っぷちに追い詰められた野獣のような決断の色が浮かんでいた。
「もう待てん……断じてこれ以上待つわけにはいかん……」
彼は机のそばまで歩み寄り、一つの銀製の小さな鈴を手に取ると、独特の性急なリズムで軽く三度揺らした。しばしの後、彼のあの無表情な執事が幽霊のように扉を開けて入ってきた。
「全員に伝えろ。今夜、行動を起こす」ミゲルの声は氷のように冷たく、そして平静だった。
「明日の日の出には、わしはあの玉座に座る。そして直ちに出立し、辺境へ向かい、あの傭兵の雑魚どもの手から、本来わしのものであるべきものを奪い返す。手早くやれ」
「御意に、フラッド様」
執事が部屋を出て行った後、フラッドは窓辺まで歩み寄り、遠方の王宮の、夜の闇の中でひときわ脆く見える輪郭を遥かに望んだ。彼はゆっくりとあの引き出しを開け、再びあの宝石が散りばめられた短刀を取り出すと、「カチリ」という軽い音と共にそれを腰の革帯に掛けた。
今夜を過ぎれば、それはもはやただの装飾品ではなくなるのだ。