帝王の設計図、戦慄の夜
深夜、カシウスは机の縁に身を乗り出していた。蝋燭の炎が、カーテンの隙間から忍び込む微かな風に揺らめき、その顔にゆらゆらと動く影を落としている。カシウスは片手にノートを、もう一方の手に定規を持ち、その視線は、シミアが研究していたあの貿易地図の上を、何度も往復していた。一つデータを測るたびに、彼はノートに対応する数字を書き込んでいく。
額から流れた汗が、頬を伝い、貴重な古地図の上に落ちて、一滴の染みを作った。
ついに、彼の作業は終わった。彼の脳裏に、女王ミリエル・ローレンスがこの計画を聞いた時に浮かべた、興味深そうな口調が蘇る。あの時の眼差し。彼女はきっと、この計画の中に、自分が見ていなかった何かを見て取っていたのだ。
彼は地図上のデータを詳細に測量し、シミアの計画がどの場所に、どれほどの要塞を建設投入するつもりなのかを推測した。要塞の作戦半径を最大化するには、いくつの要塞が必要になるのか、と。
それらの位置を、駒を使って地図上に配置していくと、カシウスの顔から笑みが消えた。彼はよろめきながら一歩後ずさり、信じられないというように地図を見つめた。
「違う……これでは……」彼は喃々と呟いた。「これは防御ではない。攻勢ですらない……これは……支配だ」
彼の脳裏に、シミアが地図の上で定規を動かす姿が浮かぶ。あの穏やかな瞳の下に隠されていたのは、学生の奇抜な発想などでは断じてない。一人の帝王が、自らの未来の版図を計画する、冷酷さそのものだった。
「私は彼女を見誤っていた!」カシウスの心臓を、氷のような恐怖が鷲掴みにした。「私は、磨かれていない玉を見つめているのだと思っていた。だが、まさか、この大陸全てを呑み込みかねない怪物を、この手で目覚めさせてしまうとは!」
あれは黄金回廊などではない、ローレンス王国の戦力投射網だ。これは貿易路などではない、軍商両用の戦略的攻勢計画なのだ! 夜風がカシウスの横顔を撫で、汗で濡れた頬に、ひやりとした寒気をもたらした。
かつて、ローレンス王国が強盛を誇った時代、各国は強大な王国との交戦リスクを避けるため、広大な戦略的空間を空けていた。その典型例が、鋼心連邦が広大な領土を空け、その上での定住を禁じたことだ。
だが、シミアの計画が完成した時、大陸全体がこれらの要塞群によって結びつけられ、新生ローレンス王国にとって、それは各国に首輪をはめるに等しい。
「シミアの計画が完成すれば、ローレンス王国は一兵卒も損なうことなく、ただ鋼心連邦に管制を通告するだけで、冬の間中、傭兵たちは手にした貨幣で越冬のための一杯の麦酒すら買えなくなるだろう。ただ、ある重要な時期に、銀潮連邦の特定商品に対して『貿易規制』を宣言するだけで、かの商業共和国の経済は瞬時に崩壊する。彼らはただ、永遠の烈陽帝国が食料を手に入れられないよう制裁を加えるだけで、幾千幾万の奴隷が蜂起し、あの尊大不遜な輝煌帝国は、大陸の孤島と化すだろう……」
これは戦争ではない。戦争よりも恐ろしい、茹でガエル式の支配だ。奴隷化だ。いくつかの大国を、心甘んじてローレンス王国の臣僕とさせる、陽謀なのだ!
彼はもう、目に浮かぶようだった。鋼心連邦の、あの最も勇猛な戦士たちが、最終的には数袋の食料のために、ローレンス王国の税務官に、その誇り高い頭を卑屈に下げる姿が。
「いや、その全てが、計画が成功するという仮定の上に成り立っている。王国内の大貴族たちが、この計画に同意するはずがない」
カシウスの頭脳は、今はひどく冷静だった。彼は、大貴族にとってこの計画が彼らの地位に深刻な影響を及ぼし、精力を消耗させ、シミアが提案した強硬手段に至っては、直接的に貴族たちに危機感を抱かせることを、よく理解していた。この計画が各国の絞首索となる前に、まず、貴族たちの絞首索となるのだ。
カシウスは傍らの箱から古いノートを二冊取り出した。彼の授業は、主に将来、家督を継ぎ、一族の産業を管理するであろう貴族を対象としており、彼は生徒一人一人の発言と思考の傾向を、詳細に記録していた。
彼は一ページ、また一ページとノートをめくり、貴族の生徒たちの視点に立って、シミアの計画を採点していく。
「彼らの領地のほとんどは、村が二、三つ程度。この計画に抵抗する力はない」カシウスは冷静に彼らの名前を消していく。そして、残った貴族だけでは、現在の王室の力に単独で対抗するのは困難であることに気づいた。
「彼女の計画が成功すれば、貴族は、王国の経済の生命線を掌握した王室を、もはや牽制できなくなる」
不本意ながらも、カシウスの心は、すでにその結論に達していた。
カシウスは、息が詰まるような感覚に襲われた。彼の目の前に、シミアの姿が浮かぶ。相手は、たった十五歳の女学生。学院に入る前は、少しばかり家柄の良い村娘に過ぎなかった。彼女が、これほど精密な戦略的思考を養えるはずがない。
「銀潮連邦……」カシウスは視線をローレンス王国の隣国へと移した。長年、銀潮連邦は輝煌帝国の圧迫により海上貿易が困難であった。彼らはきっと、シミアの計画を喜んで受け入れるだろう。甚だしきに至っては、ローレンス王国の地位を最初に承認することを利用し、未来の貿易の主導権を要求してくるかもしれない。そのような条件が整えば、各国が軍事力でこの計画に干渉するのは、さらに困難になる。
――負けた。
この、国家間の声なき駆け引きにおいて、大陸全体が、この齢わずか十五歳の少女に、負けたのだ。
彼女を殺すか? だが、たとえそうしたところで、この計画はすでに女王に強烈な印象を与えてしまった。時をかければ、女王もまた、シミアの計画の全貌を推察できるだろう。
計画を阻止するか? 不可能だ。大多数の貴族は、反抗しないだろう。なぜならこの計画は、彼らにとっても、最も利益があるのだから!
カシウスは、息が詰まるのを感じた。彼は壁に寄りかかり、大きく、荒い息をついた。蝋燭の炎が、彼の瞳の中で、狂ったように揺らめいている。
その絶望的な闇の中で、一つの狂気じみた、稲妻のような閃きが、彼の脳裏を貫いた。
「いや……私には、まだ……好機がある」
カシウスは棚の下から一束の便箋を取り出し、羽根ペンが、その手の中で目まぐるしく踊り始めた。これは、天才と天才との間の、危険な舞踏。そしてカシウスは、先手を取ったのだ。
夜空に、一声の驚雷が轟いた。
嵐が、来ようとしていた。