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ゼロから始める軍神少女  作者:
第一巻:入学と弁論編 (だいいっかん:にゅうがくとべんろんへん)
17/108

軍神の片鱗、歴史の舞台で

実は、『ゼロから始める軍神少女』の冒頭は、六年前、経済が疲弊した今、職を失った私が、ついにあの頃の夢を思い出し、小説家になることでした。これは、私が再び筆を執って書いた最初の文章です。何かご意見があれば、ぜひコメントで教えてください。私は常に、厳しい批判こそが私を成長させると信じています。

「かくして、狩神892年、我らローレンス王国と永劫の太陽帝国は、現在の鋼鉄の心臓連邦の位置で決戦を繰り広げました」教壇に立つ教師の語り口に合わせて、広々とした教室にはペンを走らせる音もまばらで、最前列の空席には数人の生徒がぽつりぽつりと座っているだけだった。


「永劫の太陽帝国の主力はクガ階層で、彼らは一様に四千人を超える騎士部隊でした。その騎士部隊の後ろには二万人の奴隷兵が控えていました。一方、ローレンス王国を代表したのは七人の領主で、それぞれが三百人の兵士を率いており、そのほとんどが鎧をまとった槍兵でした」


解説が深まるにつれて、前列からサラサラと音が聞こえてきた。ヒミヤが、領主たちに提供された学校のノートに何かを書き記している音だ。


「戦力は絶望的な窮地に陥り、戦場には草木一本までが兵士と化し、皇帝の咆哮と共に、騎兵たちが砂塵を巻き上げ、永劫の太陽帝国のクガ軍団は突撃を開始しました」


ヒミヤの目の前には、森に隣接する草原が広がっていた。戦力は圧倒的に劣勢で、騎士の突撃は決定的な意味を持つ。ローレンス王国の軍勢は、まるで一触即発のようだった。だが……。


「当時、大軍を率いていたのはカール・ローレンスでした。彼はその頃、たった一つの村しか持たない小さな領主だったのです。事前に話し合っていた通り、カールは兵士たちに大声で後退を命じました」


サラサラという音が止まった。不思議に思った歴史教師が振り返ると、ヒミヤの瞳には、冴えわたる光が宿っていた。


「ヒミヤ・ブラン?」歴史教師はヒミヤの異変に気づいたようで、彼女を立たせた。


「それは罠です。森の複雑な地形は騎兵の衝撃力を打ち消すのに十分ですし、もしその時、後方の密林に訓練された農民が二隊伏兵として潜んでいたとしたら……」


歴史教師は信じられないといった様子で目を細めた。後方の席からは、ひそひそとささやく声が聞こえてくる。


「しかし、歴史の記録によれば……」


「永劫の太陽帝国には三つの劣勢がありました」そう言って、ヒミヤは指を三本立てた。


「第一に、戦場が永劫の太陽帝国の本国から遠く離れており、二万人の歩兵と四千人の騎兵の補給を担う必要がありました」


後方から抑えきれない笑い声が漏れてきた。だが、その時のヒミヤは、まるで千里先の戦場に身を置いているかのようだった。どんな嘲笑も聞こえていない。


「第二に、戦場にはいくつかの密林が点在していました」


歴史教師は口を大きく開け、瞬きもせずにヒミヤを見つめていた。


「第三に、彼らは驚くべきことに、後方から大きな荷物を背負った農民たちが、飢えに苦しむ奴隷兵たちに食料を配っているのを発見したのです!」


その瞬間、教室は水を打ったように静まり返った。


騎兵たちはこの光景に驚き、本陣へ引き返そうとしたが、騎兵が減速するのと同時に、カール・ローレンスは突撃を開始した。


「いや、ありえない!これは正々堂々の正面対決だったはずだ!」


ヒミヤの初めての歴史の授業は、教師の怒号と共に幕を閉じた。

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