リエラもやってた。
ゲームを始めると、配信者らしき人達の声がした。
「きょ、今日の配信こそファイアドラゴン倒すからね!? ってコラ! 倒せない前提でスパチャをすんな後輩ぃ!」
「諦めなよさわわ……。レベル差いくらか知ってる……?」
「69も差あるけどさ! 倒すんだよ!」
「知ってるんじゃん……というか無理だって、レベル1がレベル70を倒すとか流石に無理だって……」
……何か凄い会話が聞こえた。
レベル差69で倒すのは絶対に無理だろ。
「……あ! 可愛い子はけーん!」
一人がこっちを向いて言う。
後ろに僕以外は居ない……。
……えっ……はっ……えっ!? 僕!?
「ね、ね! お持ち帰りしていい!?」
「あぁ南無南無」
「えっ……!? あっ……えっ……!?」
「本当に幼い娘を襲うなんて……だって? そんなこと言われてもね後輩。早い者勝ちなんだYO!」
「本当に逃げて! 名も知らぬ娘! ……あ、え? 後輩来るの? なら早めに来て! 女の子で遊ばれる前に!」
◇
「はい先輩。女の子を襲ったこと、反省してください」
「よくやった後輩」
僕は逃げ回っていたが追いつかれ、襲われそうになっていた。
でも後輩? さんが助けてくれました。
その後輩さんはシスター服を着ていて、金髪に赤い瞳。
「……その……だれですか……?」
名前を教えてくれませんかと言おうとしたのに、少し失礼な訊き方になってしまった。
「オレらは配信者で……このロリショタコンは露里羽さわわ。この人は牧弍哉にや。2人はバーチャルユーチューバーでね」
変な名前の配信者達だなぁ。
というか貴女も名乗ってよ。
「……それで、先輩。この子知り合いなんで悪影響のあることしないでください」
知り合い? こんな人知りませんが。
「……ごめんね。このロリコンはゴミとして処分するからさよなら〜」
「酷!? あッ! 待って! せめてフレンドに……!」
「F**k」
「すみませんでした……」
牧弍哉にやと露里羽さわわはどこかへと行った。お口が悪いこと。
「……で、白兎だよな?」
「えっ……!? ……ぼくのともだちで……オレっこ……ま、まさか……リエラ……!?」
「そう」
顔の形はともかく、目の色も声も同じなのに、何故分からなかったのだろうか。
髪色が金色なだけで、分からなくなるか?
あとリエラ曰く、事務所のオーディションをなんとなくで受けてみたら、一発合格したんだとか。それで配信者になったらしい。
「……で、チャンネルめーは?」
「しゃけたまごch」
「……あ、うん」
なんかもうちょっと名前っぽいかと思ったのに。なんか凄くゆったりしてそう。
「……ま、ゲーム実況とかほとんどしてなくて大体料理動画なんだけど」
「えぇ……」
◇
さて。リエラとフレンドになって、あとなんかずっと着いてくるようになった。
……え? なんでそうなったのか? って?
色々ごにゃごにゃ言ってたけどー……。
一番の友達と一緒にいたいから……だと思うよ、聞こえた限りは。
「……とゆーか、ずっとおもってたけど……そのうさぎ、なに?」
「観察してたら何か仲間になったんだよね。桃みたいな目の色してたからモモって名づけたけど 」
桃由来なのに、イントネーションはもも肉の方なの、ややこしや〜、ややこしや〜。
とりあえず、少し抱っこしてみた。
「って、いたいっ……! かまないで!」
「!?」
モモは急に腕を噛んできた。
特段痛くもないが、目から汗が出る。
「……ぅ」
「あっごめんね!? こらモモ!」
モモはなんか首をものすごく縦に振っていた。ヘッドバンキングか? ってくらい。
「反省の意思はあるみたいだね」
「あっこれあたまさげてるつもりなの?」
モモは、えっ違うんですか!? と言いたげに固まった。
「あたまをすうびょうかんさげるんだよ?」
僕がそう言うと、頭を下げ始めた。
話を聞いていて偉い(+1145141919810pt)
「……待って白兎、敵いる」
「スライムにひき……?」
何の変哲もないスライム二匹だ。
スライムはなんか跳ね始めた。
スライム が仲間 になりたいようだ
あ、仲間になりたいんですか。
でもこっちスライム一匹いるんだけど。
ま、いいや。
スライム が仲間 に加わった!
とりあえずキミの名前はシーメだ!
……由来? Slime→sime→シーメだよ?
正確にはスィーメになるけど、シーメだよ。
シーメだから間違えんなよ絶対。
「……白兎も仲間にしてるし」
「わぁおそろい!」
「……ぅぐっ……ヵヮ……ィィ……!?」
「しんだぁ!?」
リエラ・ヴェルヴァルデ・一條……。ここに眠る……。
「勝手に殺すな!」
「あっよみがえった」
「……というか白兎、夕飯食べなくていいの?」
「……え、あっ、いましちじはん……!?」
僕は急いでログアウトした……。
◇
「……お 兄 ち ゃ ん ?」
「……はい」
現実に戻ると、妹が部屋に入っていた。
「ご飯、食べない気?」
「え……えーっと……そのぉ……」
「言い訳しないで」
「あぅ……ぅ……」
妹にキレられた。
くっそぅ……! 僕がロリになったから調子に乗ってやがるぅ……!
……と思っていたのに。
僕は元男とは思えないほど無様に泣いていた。
「……ぅ……ひぅ……ひゃぅ……ぅっく……うぅ……」
「……えっ!? あ……え!? ごめ……!」
僕の涙腺はさらに脆くなったのか。
な、泣いてるんじゃないからな!(?)
勘違いしないでよ! 泣いてるんじゃなくて目から汗を出してるだけなんだよ!
「ごめーんお兄ちゃーん!」
「ひっく……ぅ……ぅぅ……」
……ところで、僕は妹に慰められてるんだよな。……あー僕のプライドどこ行った。
元から無かったような気がしてきた。
泣いていい? ……もう泣いてるわ。
◇
今日のご飯はナンカレー! なんで家にナンなんかあるんだろうか。ナンだけn
……はい、すみませんでした。
というかこれこそ白飯出せよ。
カレーナンとかなんで作ろうと思ったよ。
……というかカレー臭強いな。
「……わぁ、すっごいえきたい」
ルーとかの小麦粉が入ってない完璧なカレーだった。
……妹よ、まさかスパイスから作ったか?
いや、んなわけないよな。小麦粉入ってないカレー粉を買ったんだよな。
「……ふっふっふ、私の自信作! スパイスから作ったんだ!」
「あほんだら! ばかやろー!」
何スパイス買ってんだコラァァァ!
この家そんなお金ポンポンと使えないんだよふざけんな!
「えっなんで!? お兄ちゃんカレー好きでしょ!?」
「そりゃカレーはすきだけどさぁ! スパイスのねだんかんがえろ! けっこーたかいしここだいかぞくでもないからつかいきれないんだよ! ふつうのルーをかえ!」
「……使いきれたよ?」
えっ使いきれたn……いや、まさか
「……おまえまさか……ぜんぶいれた?」
「そうだけど?」
「……なにしとんじゃコラ」
二人分にそんな使うなよ。
……まぁ、食うしかないから食うけども。
いただきまぁーす……かっっっら!?
なにこれかっらい! チリペッパーどんだけ入れたの!?
「ゲホッゲホッゲホッ……さっせたけどさぁ! からすぎるってこれ!」
「そう? 牛乳かけたらそんなに……」
「ぎゅーにゅーかけるぜんてーでつくるな! つくってるときにいれとけ!」
露里羽さわわ 女
ロリショタコン配信者。
つゆりばと読むが、一部の視聴者はロリはねと呼んでいる。YESロリ、YESタッチ。
牧弍哉にや 男?
自称男の配信者。常識人。
まきにやと読む。昔は性格が悪い演技をしていたという。
ごにゃごにゃ
リエラ「し、白兎と一緒にゲームしたいけど、オレの一番の友達とわいわいガヤガヤして遊びたいからであって、確かに今の白兎みたいな小さな女の子は大好きだけどもあくまで可愛いからという理由だから……というか白兎は大好きだけども! あくまで友愛であって、オレの精神は男だから白兎とそのケは全く無いしそうなることもないから、健全な男(?)同士のゲームがしたいだけなんだ、だから……」
白「ごめん、もういっかいいって……?」