一番の煌めき
「……二対一……!?」
「卑怯だと思うんならテイムしたのを全部出したら?まぁこっちも全部出すけど」
「……そんなことする私じゃないし。紅の禁眼!」
二人の体を拘束した。そして、同時に二人をフレンドから外した。
「動けない……!?」
「拘束技か……。魔法もだし、テイムモンスターすら出せないのか」
「じゃあ、今撃つべきだよね?一番の煌めき!」
私の右手のひらから、強い光が出て二人を包み込む。
……眩し……。あ……あれ?
「……あっぶないね。バカみたいな火力してるじゃん。私の必殺技で相殺出来なかった。防御魔法さえなければ無傷は無理だったよ」
「……何でヴィーフェ無傷なの。こっちかなりダメージ食らったんだけど」
「はいヒール」
……無傷……?いやいやいや……。そりゃないって……。
「さっきの必殺技、よほど自信があったんでしょ?気分はどう?」
「……」
「……あれ?分かりやすく落ち込んでる……?」
「……」
「無傷は流石に優しくなかったね、ごめん……」
「ニューク」
ヴィーフェは落ち込んだ演技(半分くらいガチで落ち込んでるけど)をしている私に油断して近寄った。
で、そのヴィーフェにニュークをぶっぱなした。……私ガチの畜生行為してるな。
「……酷くない?咄嗟に防御魔法出せたけど」
「油断大敵」
「……いや!こっちのセリフだ!」
タマは私の背後にいた。
そして、必殺技を放ってきた。
「第四の状態!」
タマの右手から、電気のようなものを帯びたオーラが出ている。
拳が、私に向かっている……。
「二対一だよ。忘れちゃ、ダメだよね!」
「愛の護り!」
ライの声が響いた。
そっか。皆を忘れるところだったよ。
ライのおかげで、さっきの技を無効化した。
「……分かった。皆、出てきて!」
「分かってますよ!」
「……怒ってませんよねぇ……?ご主人……?」
ヴィーフェも、じゃあ私らもとリーフェンを出してきた。……あれ?一体だけ……?
「……無限の血雷雨!」
シーメが必殺技を放つ。二人の頭上に、赤い雨が降り、赤い雷が落ちる。リーフェンは瀕死になりしまわれた。
「次は我ですよね?凍極刑!」
ラーナが必殺技を放つ。二人に吹雪が吹き、その吹雪は遠くから見ればギロチンの刃のようだ。
「フレーダーマウスランツェ!」
シーメが二人に向かって魔法を放つ。
蝙蝠のように黒く、飛んでいる槍が二人に向かった。
「じゃあ、トドメだね。スパークル!」
二人を光が包み込んだ。
二人は、満身創痍となった……。
◇
「……負けたかぁ」
「数的不利だし……まぁ……」
「……うぇへへ……!」
「……まぁ、白兎が嬉しそうだし、いいんじゃない?」
「……うん。可愛いからいっか……」
……いや、やっぱ……。
「……ごめんね二人とも。あんなこと言って……。それに数的有利で勝ったし……」
「……うん。いいよ……」
二人は揃って、そう言った。
「……そういえば、ログアウトってできるっけ」
「流石にもう治ってるはず……」
私達はログアウトした。