数的不利
……気を取り直して、今日の夕飯はカレーライス。コンセント抜かないでください。(?)
……しかし、黒菜が作ったにしては上手いな。
前カレー作ったときなんかルーが全く溶けてなかったよ……。それ逆に教えてほしいよ。
「……ご馳走様でした」
さて。ゲームする……けど、やる事は一つ。
謎のログアウト不可な状態……。これが他の人に起こっていないか調べる。
その場合なら公式に電話する。
……ググッたら、一番上に、なんかどこかで見たような人の配信が出た。
とりあえず見よう。
「ねぇ何でログアウトできないの!?」
「……視聴者、ガチで頼むから公式に言ってくれ……」
:どーしよっかなー?
:えー?やらせでしょ?
……終わってるなこのコメ欄。
まぁいいや。公式に連絡しておこっと。
「もしもし、Vast world of fantasy talesの公式様でしょうか?」
『はい。どのようなご用事でしょうか?』
「現在、プレイヤーのログアウトが出来なくなっているみたいでして……」
『……ほ、本当でしょうか?確認をしますので少々お待ちください』
一分程して、再度声が聞こえた。
『すみません。解決まであと一時間はかかると思われます。情報提供をありがとうございました』
……よし。さっきの人達のコメ欄に打っておこう。
白:公式に電話しておきました。これマジのやつらしく、解決まで一時間はかかるらしいです。
:マジ救世主キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
:ぐう有能
「え……!ありがとうございます!視聴者の……白……さん?」
「……白さん以外の視聴者の株が下がりまくる」
:白さんの行動力がおかしいんだって……!
:ガチだと思わないって……!
さて。じゃあ私もゲームやりますか。
どうせ一時間超えてやるんだし。
◇
ログインしたら、目の前にタマとヴィーフェがいた。
「……来たね白兎。私は今までないくらい怒っている。十年間以上の友人を……そんな風に扱うことに……って」
「……いや、白兎……くんなの……?成長してるし……。」
ヴィーフェは目を瞑って話していたが、目を開けると驚いていた。
「お米って凄いんだね。成長しすぎて肩が凝るよ」
「……二度とその顔見たくないとか言っておいて、私の顔を見ながら喋ってるじゃん」
「私は嘘つきだからね。そんな思っても無いことを言っちゃうんだよ」
私は、でも……と言って、背中を向ける。
「でもさ。私の個性を無理やり変えてきてさ……私は嫌いだよ。近衛坂さんのこと。長年我慢してきたけど」
「……確かに私は悪かったかもしれない。今思えばね。……ただ、今までも言い返す機会はあったでしょ。それに、ここまで言わなくて良かったでしょ……?」
「……言い返す機会が無かった理由は私を脅迫してたからだけど」
「脅迫は……して……!して……し……て……?」
タマが脅迫と思っていなくても、私には脅迫と感じていた。
「……でもまぁ。言い過ぎた自覚はある。八割本心ぶちまけただけなんだけどね。……でも言ったから撤回もできないし」
「……じゃあさ。ここでやり合おうよ。プライドをかけて、勝負ってわけ」
「……いいよ。どっからでもかかってきて」
私がそう言った途端、ヴィーフェが僕の目の前に来ていた。
「それじゃ、遠慮なく」
「……っ!?」