兄妹で久しぶりのお出かけ
Guten morgen。朝になりました。
……今日は何か変わったりしてないよね?
……大丈夫みたいだ。よし。
「お兄ちゃん、今日出かけるからねー。準備してよー?」
「……ふぁぁい」
……どこに?どこになの?
聞いてないよ?
◇
……出発されました。歩きなの辛くね?
そんで妹。今ロリ化してるから財布預けてるけど……絶対に無駄遣いするなよ?
「……スルワケナイジャン」
「……なるほどきょうのゆうはんはもやしか」
「絶対無駄遣いしません」
黒菜はもやしが嫌いである。
なんといってもシャキシャキした食感とみずみずしさが嫌らしい。……にしてはほうれん草とかは食うんだけども。
「……じゃあまず服屋行くよ。お兄ちゃんに合う服家にこれしかないじゃん」
「……なんでひとつはあるんだか」
黒菜の服が捨てるに捨てられなかったのが理由なのだが。しかしそれが役に立つとは……。
……地味めでありつつ可愛い感じで本当に良かったよ。
「……そういやお兄ちゃんってさ、意外と幼女になって女の子の服着ても恥じらったりとかしてないよね」
「たしかに。……まぁりゆうはおもいうかぶけど……」
「理由?」
「……なんでもない」
……言えるわけがないだろう。
小さい頃とはいえ、家ではママに女装させられてたことなんて……!なんならその頃僕の一人称私だったし……!
だから割と女装とか抵抗ないんだよ!なんなら女性服見たらついじっと見ちゃうんだよ……!
「……はぐらかさないでって言ったよね?」
「いやこれふつうにはずかしいことだし……」
「……教えて?」
「……わーったよ……。でもあにがむかしはじょそうしてたってしりたいの?」
「……うん」
……黒菜は溜めて言った。
「めっっっちゃ気になる」
「……そうだった……。こいつあにをにょたいかさせてきたんだった……」
……もしかして黒菜ってママの要素強いのか?
……ママって変態だったりしたのか?
「……あ、そゆことね。引っかかってた事が分かった。記憶にあった黒髪ロングの女の子ってお兄ちゃんだったのか」
「……もくひします」
昔の僕は髪も長かったっけな……。
丁度今の僕くらいに……は……あれ?
もしかして僕って性別と年齢と色素だけ変わってて見た目そんなに変わってない?(割と変わってる要素多いけど)
写真で見た限り顔も似てたような……。
……なるほど。今の僕って色違いなだけか。
4096分の1なのか。……え?8192分の1?
……それとも1024分の1?
……あ、まさか改造だったりする?
末尾に.comってついてる?
なんて考えは置いておいて、服屋だ服屋。
「……」
「これ良いよねお兄ちゃん!」
「アッウン」
「……あーっ!でもこれも……」
「ソダネー」
「キャー!これ可愛い……!」
「……ダネ」
……服屋というものは退屈なものだ。
見ても面白みもない。興味もない。
「……お兄ちゃん!どれがいい?」
「……なんでもいい」
……服は正直興味ない。
可愛いとは思っても選ぶことなんてしない。
全部適当に取ってる、
◇
結局、黒のワンピースとか白いTシャツとかの無難寄りの物となりました。