山の小さな村
山を進んでいると、村が見えた。
「旅のお方ですか?ゆっくりしていってな」
「そうしていきます」
村に入ると老人がそう言う。
「……まぁ、儂のような老いぼれた爺が女子三人の間に入るわけにはいかんか。儂はさっさと帰った方がいいだろうな」
「……」
百合の間に挟まる男ではなかったようだ。
……あれ?僕ってロリじゃなければ当てはま……いや……二人って百合かな?どちらかといえば三角関係では?
「……この村には武器屋と服屋があるかな」
「ふくやにいくよ。つよいぼーしとかあるかな」
「ついてってい」
「……そんなら私も同行するよ?」
「……ぐぬぬ」
◇
さて。じっくりと頭装備を見ていこう。
白旗 ☆☆★★★ 売値:25G
パリはまだ燃えていない。燃える前に降伏したから。
……あ、もえ……か。で、こうふく……。
漢字が読めなくなった弊害が……!
そんで何だよこのネタ装備。思想が強い……。
「……お嬢ちゃん、頭装備をお探しかい?」
「ぁ、はいっ!なにかありますか!?」
「……そうだね。これがいいとかある?」
「へんなのとかはでじゃないやつならなんでも!」
「……うーん。……ま、カチューシャの中から選んでみるか」
……しかし、どのカチューシャも派手だったり、絶望的にダサかったり、僕の見た目に合わなかったりした。
「……なんならおいてあるんですかこのみせ」
「……痛いとこつくね。……あとは非売品か」
店員は、非売品であろうカチューシャを僕にくれた。
「お代はいいよ。それに、これ装備者を選ぶし……」
「え」
変な装備だったようだ。
……装備できればいいんだ。できれば。
紅白のカチューシャ ☆☆☆☆☆ 売値:なし
綺麗なカチューシャだが、装備者を選ぶ。
選ばれなければ諦めろ。
「……そうびできるかな。よいしょ……」
……普通に頭に付けれた。
痛みもないし変な感じもしない。
「……す、スゴ……この幼女……」
「……そ、それでは」
……また僕なんかやったな。
何なの?チーターよりもチートしてるの?
「……」
『お似合いですよご主人!』
「……そ、そう……」
そんな嬉しくないんだけど……。
僕は男だぞ。中身はまだ……じゃない、ずっと。
◇
村には図書館があった。
そこにはヴィーフェが。
「……あ、白……い兎。どしたの?」
「いや、なんとなくよっただけ……」
……そういや僕、漢字読めなくなってたな。
その点韓国語ってすげーよな。最後までハングルたっぷりなんだもん。
「……ぁ、ふふっ。どうせなら読み聞かせしてあげよっか?」
「……い……」
「冗談だって、そんなこと……」
「……やってほしい……。よみきかせ……」
「……え?」
「あさからかんじがよめないの……。だから……よみきかせ、おねがい……? 」
ヴィーフェは僕を少しからかったつもりだろうね。でも今の僕漢字読めないんだよ。
「……え?え?」
「……おねがい?」
「……ぐぅっ……!」
ヴィーフェは胸を押さえつけた。
分かるよ。可愛いロリにお願いされたらそうなるよね。多分僕もそう……なるかな?意外とならないのかも……。
「……じゃあどれ読むの?」
「そうだね……うーん……」
歴史書や古代言語書が気になる。
……歴史書が先かな。見てみよう。
「魔法の歴史 古代編
紀元前5世紀頃 ザウベラーが世界で初めて魔法……ファイア、ウォーター、アース、ウィンドを使用したと言われる……」
ふむふむ。魔法も昔の欧州みたいな四大元素なんだ……。火、水、土、風ね……。
……よし。今日は読みふけようかな?
……あっヴィーフェを拘束してるわけにもいかないか。