白兎くんは学校に行きたくない!
さて、集落にはギルドがあった。入ると、木造の酒場であった。
「冒険者登録ですね。では指をこのカードの黄色い部分にべったりと付けてください」
身分証となるのだろうか。
とりあえずべったりと付けてみた。
白い兎 さん 女 光、核 属性
無職 LV1
魔法 なし
カードに上のような情報が出た。
無職……? 言い方って物が……。
「それでは、職業を選んでください」
選べる職業は以下のものだった。
剣士、槍使い、盗賊、戦士、狩人、射手、錬金術師、魔法使い、僧侶、死霊使い、踊り子。なんか役割近い職ない?
「……じゃあ、メイジにします」
「……はい。分かりました」
魔法使いにした理由? 特にないけど……
強いて言うのなら、今の僕の見た目に合ってて強そうなものを選んだ……かな?
◇
ギルドを出て、武器屋に寄ることにした。
「いらっしゃいお嬢ちゃん。どの武器が欲しいんだい?」
武器屋には、剣や槍、斧、弓に杖があった。
僕が要るのは杖だ。
「つえです……。えっと……どれをえらべばいいですかね……?」
「おお、魔法職?職業にもよるね」
「メイジ……です」
「……うーん、それなら、宝石系か……」
店主は、でも……と口篭る。
「……はっきり言って高いよ?お金持ってる?」
「……ぁ……もって……ません……えと……えっと……」
「だろうね……。まぁいいよ。可愛い年長くらいの子からお金取る店でもないし。無料であげるから。ただし……」
条件付きで杖をくれると言う……。
「フレンドになってくれない? 迷惑な行為とかはしないからさ」
「そ、そのくらいなら……」
「うん、ありがとうね」
……言っておくが、フレンドはプレイヤーとのみだ。NPCとは不可能である。
店主の名前はGUNMA点Pだった。
彼はちょっと待ってね……。と言った。
店主は神々しい杖をくれた。
天使のような翼が付いていて、クォーツとルビーが先端に付いた、身が少し緑を含む杖を。
希望の杖 New! ☆☆☆☆☆ ☆ 売値:不可
光と核を扱う神聖な杖。
扱える者は少なく、普通は危険な杖である。
「えっ、なんてものわたしてるんですか……」
「いやぁ、光と核の属性だから……賭けでやってみたけど……大丈夫そうだね。良かった……誰も触れないし危険だったから……」
「……なんてものわたしてるんですかぁ……」
「普通は触るだけでダメージを受けるからね。その様子は無さそうだし、大丈夫だね」
店主からは、この杖専用の鞘を貰った。
なんでも鞘がないと色々と汚染されるからだとか。そんな毒みたいな……。
……さて、次は服屋に行くとするか。
現実の服屋は大っ嫌いだが……。
◇
「あっらー♡いらっしゃい。可愛いお 嬢 ち ゃ ん♡」
「あ、はい……」
店主はオカマだった。筋骨隆々で、逆らったら殺されそうな……。
「それで、お嬢ちゃん。宝石系の杖持ってるから……魔法使いかしら?」
「そ、そうですね……」
僕の震えるような声に、店主さんは……
「……あら。もしかして私、怖いかしら?」
「……はっきりいうなら……はい」
「そうよねぇ……学生時代から筋肉鍛えてきたからこうなっちゃったのよ。大丈夫よ。女の子と未成年には手を出さないって決めてるからね」
「……」
男で成年なら殺されてた……!!!
「それで、魔法使いの服よね。お嬢ちゃんはローブ……よりドレスのほうが似合うんじゃないかしら? 私の意見だけどね」
「そ、そうですか……」
「ええ、自分に自信持って頂戴! 私なんてこんな見た目でもオカマできる程には自信あるんだもの!」
説得力が桁違いだ……。
確かにそんなゴリラみたいなのがオカマやれるのは凄いけども……。
「黒かしらね? それとも純白のドレス?」
「……」
「あら、白のほうが可愛いわ! このドレス私のおすすめよ! 大丈夫! 私がお嬢ちゃんのファッションショーできたから、お金は取らないわ!」
……店主さんは、強い、白いドレスをくれた。
大天使のドレス New! ☆☆☆☆☆ 売値:不明
天使の如く体を包み込んでくれるドレス。
着ると空をふわりと漂える。
……ちなみに、店主曰く非売品だったとか。
着れる人もいないからくれたのだと。
「うふふ。とっても可愛いわよ?」
「ぁ……ありがとう……ございます……」
「……あ、そうだ! フレンドになりましょうよ!」
あなたもプレイヤーでしたか……
店主さんの名前は爆走♡カマ……だとか。
……おっと。何時間やってたかな……
よし。ログアウト……っと。
◇
「おにーちゃん! 今なら遅刻で済むから! ほら! 学校行くよ!」
「……え」
ゲームで何時間と過ごしたと思っていたのだが、現実では一時間も経っていなかった。
「……くろな……いまのぼくがいったらどうなるとおもう?」
「知らないよ! 早く行くよ!」
……知る努力をしようね!?
「まいごあつかいされるよ!? ……ってこら! むりやりつれていこうとするな! せめてせんせいたちにじょうほうをつたえたほうが……」
「私が伝えておいたから大丈夫だよ!」
「……」
不安だなぁ……!
◇
「……」
結局、学校に来てしまった。
「……」
しかし……入っていいのだろうか。
恥ずかしいというか……なんというか……
「……もしや雪宮か?」
「は、はい……」
校門の前で突っ立っていたら、厳しくて恐れられてるという氷室先生に声をかけられた。
「幼女になったってのは本当だったか……。で、雪宮。何だ?その格好は……。いや百歩譲って服の方はいい。幼女サイズの制服はないからな。……だが」
先生は僕の目……よりも少し上を見て言う。
「その帽子とサングラスは何だ?」
「……せんせい、じじょうがありまして……まぁ、ぼくのはだのいろをみればわかりますかね」
僕は先生に袖を捲って肌を見せた。
真っ白で、自分でもギョッとするような肌を……。
「……こんなにはだしろいから、ちょっとひのひかりによわくって……」
「……そういう理由だったか……。まぁ、それなら特例で許可しよう」
「ありがとうございます……」
先生は……ただし、と言って……
僕を抱っこした。えっ!?
「日光に弱いんだもんな。それなら一秒でも早く教室に連れていくからな!」
「ひ、ひむろせんせい!? だ、だいじょうぶですよ! ぼくがわらいものになりますからやめて……!」
先生はそっかそっか、でも安全第一だからなーと話を聞かない。
そのまま氷室先生に抱っこされたまま教室へと運ばれた。
◇
「……し、白兎……なんだよな?」
「……うん。そうだけど?」
同級生の須之内 唯斗に疑問を投げかけられた。
僕と聞いて、女子達はクスクスと笑ってたし男共は声を出して爆笑していた。
「……白兎くん?」
「ど、どうしたの? タマ」
幼馴染の近衛坂 玉乃に神妙な顔で話しかけられる。
「そんな女の子になってるんだね。へぇ……」
「な、なに?」
タマはニコォと笑って言う。
「今朝、ゲームしてたよね? 本名に近い名前で……白い兎、だったよね」
「……えっ……それってどういう」
本名に近い名前つけたから怒られてる……!?
確かにネットリテラシーとかないな僕!
「朝からゲームしちゃ、ダメだよね?」
あ、そっち!?
「……と、というかなんでしって……」
「ニンニク入りって名乗ってたでしょ?」
タマ。お前もゲームしてるじゃん……。
「小さい子が朝からゲームなんかしちゃいけません!」
「「「そーだそーだ!」」」
「だまってよがいやぁ!」
外野(主に女子共)にそう言われる。
うるさい! 急に自分が幼児になったらどうするのさ!? 現実逃避一択でしょ!?
「……授業に戻りますので、皆さんお静かに」
「「「「「すみませんでした」」」」」
近衛坂 玉乃 女 15歳 168cm D
あ、どうも。白兎くんの幼馴染の玉乃です。
……いや、何で白兎くんが女の子になって……!?
須之内 唯斗 男 15歳 172cm
……俺はけしてロリコンではないんだが……
今の白兎って可愛いよな。
GUNMA点P 男
謎の人。強い。
爆走♡カマ 男
筋骨隆々のオカマ。