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弱いから

……日が進む度に幼女化が進むのだろうか。

それでまた、何度もこうなるのだろうか。


「……落ち着いた?」

「……うん」


やはり僕の心は弱い。

幼女化したせいで弱くなったのだと考えてしまう。


「……一人で抱える物じゃないからね。辛いときは抱き着きにきてよ?」

「……ぼくとハグがしたいだけじゃないの?」

「はは……流石にバレてたか」


しかし……もう僕は母親(ママ)の顔なんて覚えていない。なのに未だに傷が残っているのだ。本当に、どうしてだろうか。


「……あ、もう夕飯時じゃない?」

「……うん」


タマはじゃあ食べ終わってから、と言ってログアウトした。僕も同時にログアウトした。



「……」

「大丈夫……なの?お兄ちゃん……」


現実(リアル)でも、床が濡れていた。

……正確には、僕の吐瀉物で。


現実でも吐いてたんかい……!


「大丈夫……?ゲーム中に吐いてたけど……どうしたのさお兄ちゃん……」

「……な、なんでも……」


妹に知られたくないとか言っていたのに。

妹は知っていた。詮索しないで……。


「……体調でも悪かったの?」

「そんなことないよ……!」

「じゃあ、なんなのさ……」


黒菜は心配してくれているんだ。

一人で抱える物じゃない……とタマは言っていたけども……。


黒菜には背負ってほしくない。


「……お兄ちゃんってさ。いつも思ってたけど……自分で背負ってばっかだよね。馬鹿なんじゃないの?」

「……」

「まったく……。お兄ちゃんは某ゲームなら既に反転(テ〇ー化)してるよ」

「……そのゲームおとこいないでしょ」


……と言うが、黒菜の言う通りではある。

だけど、兄として……黒菜には……。


「話してよ。さもないとキャロライナリーパーを口にぶち込むよ?」

「……わ、わかったよ……」


まぁ、流石に唐辛子を口にぶち込まれたくはない。話すしかないようだ。


「……ぼくらにはママもパパもいないでしょ?」

「……考えたことなかったけど、そだね……。」

「……ママはね、むかし……ぼくのめのまえでしんだんだよ」


黒菜はゆっくりと頷いて聞いていた。


「……パパは、ママがしんだからぼくらをすてたんだよ。もとから、ママがいなければそだてるきがなかったらしい」

「……そう……だったんだ」


……そういえば、黒菜に言うことがあった。

忘れていたが、あの父親が僕に言っていた事だ。


「……てめーらをそだててきたんだから、もちろんおやこうこうしろよ?……とかいってたかな」

「……」


胸糞悪い話だ。

何が育ててきた、だ。何が親孝行だ。

子孝行をしろよ糞野郎が。


パパなんて呼びたかないよ。

僕の口が勝手にそう呼ぶだけなんだよ。


「……あ、えっと……お兄ちゃん……ご飯って食べるの?」

「……いい」


食べる気分じゃない。

トラウマが再発したんだ。何もしたくない。

もう嫌だ……。



……でも、ゲームだけは別だ。

ゲームだけはしたい。……でも


「……やることがない」


虚無だ。やっぱり気分が悪い。

何か目標を持ってゲームをしたほうが気分が良くなる。


「……どうせならおっきい目標がいいかな……。小さかったらすぐ達成して何も変わらないし……」


……おっきい……目標か……。

ゲームで……最強を目指す……とか?

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