3-9 二人の戦士
解放軍と国軍の初戦が終わってから二日間は、国軍の動きはおとなしかった。
クロコはひたすらに基地内にとどまっていた。
クラット基地から東の草原、そこには多くのテントが張られていた。ここは国軍本陣、その一角をラズアーム将軍と若い副官が歩いていた。
ラズアームは周りの兵士達を見渡す。
「戦力はだいぶ整ってきたようだな」
「はい、今の段階で50000とのことです」
「50000か、グラン・マルキノも到着した。そろそろ動き時か……ん?」
テントの周辺に座り込む大勢の国軍兵、その中の、ある二人の若い軍人にラズアームの目がいった。
そこにはフレアとコールの姿があった。フレアのそばには白い布がかぶせられた人一人分はありそうな巨大な何かが置かれている。ラズアームはその巨大な何かを見つめる。
「あの形状は……」
ラズアームは二人に近づく。
「やあ」
ラズアームは軽く手を上げて話しかける。
それに二人は気付き、白い将軍服を見るなりあわてて立って敬礼する。
「はっ!」
ラズアームはフレアの方を見る。
「君のこの武器……君が『死神』フレア・フォールクロスか」
「はっ、そうです」
「なるほど……私はピューター・ラズアームだ」
「ラズアーム……『七本柱』の……」
「そうだ、良い働きを期待するよ」
ラズアームはそう言ってほほえみ、二人の前を去った。
ラズアームが立ち去ったあと、フレアとコールはふっと軽く息を吐く。
フレアが口を開く。
「びっくりした~。いきなり将軍が声かけてくるんだもんなー」
「うん、びっくりした……」
「ピューター・ラズアームってあれだろ。確か『奪威の狐』の異名の」
「それ本人の前じゃ禁句らしいよ」
「分かってるって、だから言わなかっただろ」
同じ頃、クラット基地にもかなりの兵士が集まってきていた。
その人口密度の増えた基地の廊下を、クロコとサキは歩いていた。
クロコは息苦しそうな顔をする。
「……ったく、どこを見ても人ばっかりだ」
「そうですね。もうかなりの数の兵力が集結しているんじゃないでしょうか。いったい何人いるんだろう?」
その時だった。
「クロコ君!」
クロコを呼ぶ声が聞こえた。クロコは振り返る。するとよく見覚えのある二人がいた。
フロウとクレイドだ。
クロコは驚く。
「え……なんでいんだよ」
「フルスロックの援軍の第二便さ。僕らもここで戦うよ。って……」
フロウはクロコの隣に立つ人物に顔を向ける。
「もしかして……サキ君!?」
「はい! お久しぶりですフロウさん」
「久しぶりだなサキ」
クレイドも声をかける。
「クレイドさんも、お久しぶりです」
「けどおまえ、縦に伸びたな。一瞬分からなかったぜ」
「はい! 10cm近く伸びました」
フロウが一瞬面白くなさそうな顔をする。
クレイドはクロコの方を向く。
「そういえばクロコ、おまえフィンディ・レアーズに会ったか?」
「ん? ああ」
「おまえ、怒って斬りつけたりしてねーだろうな」
クレイドは冗談交じりで言った。
その言葉を聞いた途端サキの顔が少し青くなり、クロコは一気にムスッとした。
((あっ、ホントにやったな))
二人は同時にそう思った。
「とはいえ、今回はかなりの規模の戦いになるみたいだね」
フロウの言葉にクロコが口を開く。
「ああ、基地は兵士のギュウギュウ詰めだ」
「過去最大規模の戦いになるって噂だよ。おそらく『七本柱』も動くだろうね」
「『七本柱』って何だ?」
「大きな戦果をきっかけに高い地位を得た七人の将軍の総称さ。今のグラウド国軍を支えた七人の英雄、国軍の切り札……それが『七本柱』さ」
「そんなやつらがいたのか……」
「うん、地位の高さもあって戦線に出ることはほとんどないんだけど、さすがに今回は動くだろうね」
「俺達も気を引き締めねーとな」
国軍本陣、その司令官テント内で軍人達が机を囲み、作戦会議を開こうとしていた。
「失礼します」
テント内にフレアとコールが入ってきた。
それにテント内にいたラズアームが反応する。
「来たかフォールクロス」
「自分も作戦会議に?」
「ああ、君にも役目を持たせたいからな。それより横にいるのは……」
「ああ、仲間のコールです。無名ですが、こいつもかなり腕が立つんですよ。同伴させてもよろしいですか?」
「ふむ、君がそう言うならば構わんよ」
コールが敬礼する。
「よろしくお願いします」
「それではそろそろ始めよう」
大きな机を十人近くの軍人が囲む。副官が地図を広げ説明を始める。
「地図を見て分かる通り、クラット基地は丘の上に建てられた基地であり、そのためこちらの攻撃方向が制限されます。さらにその丘は南方まで続いているため、南方からの攻めは不可能です」
それを聞きラズアームがうなずく。
「そのため前回我々は基地正面からの横陣形の攻撃を仕掛けた。しかし……」
ラズアームは地図上のクラット基地を指さす。
「高度からの遠距離基地砲により、陣形全体の勢いがそがれ、さらにフィンディ・レアーズによって一気に陣形が切り崩された。そして結果は……」
ラズアームは小さくため息をつく。
「我々の大敗だ……。幸い素早く引いたため損害はそれほどでも無かったが」
それを聞き副官が周りの軍人を見渡しながら口を開く。
「次の戦闘ではこの二つの対策を立てた上での戦闘を行いたい」
一人の軍人が口を開く。
「基地砲を避けるのなら正面からの戦闘を避けるのが一番でしょうね。南に回り込むのは無理なようなので、北側に回り込むのはどうでしょうか」
それにラズアームが答える。
「北側に回り込んだ場合、足場の悪い丘の上で常にこちらが低所に回って戦わなければならない。それならば基地砲の方がまだかわいい」
別の軍人が口を開く。
「それならば正面を開けた陣形で挟み込むように展開すれば良いのでは?」
ラズアームがまた答える。
「中央を開ければ力負けするのは目に見えている」
ラズアームは軽くため息をつく。
「基地砲に関しての対策はあきらめて、ある程度の被害覚悟で戦うしかないと私は考えている」
ラズアームのその言葉に他の軍人達が静かにうなずく。
副官が口を開く。
「ではフィンディ・レアーズに対しては?」
「彼の相手は私がする」
ラズアームのその言葉に一人の軍人が口を開く。
「勝てる自信がおありだと?」
「私を誰だと思ってる。やつの剣技は先の戦闘で確認している」
副官が口を開く。
「とはいえ前回の敗戦も踏まえて、陣形は厚く構えた方が良いですね」
「厚くし過ぎれば今度は基地砲の餌食になる。せいぜい5000ずつといったところか」
ラズアームはそう言ったあと、フレアに目を向ける。
「前回の戦闘時にフィンディ以外にもかなり腕の立つ者がいた。フォールクロス、君にはフィンディ以外の手練のものを任せていいかね」
それを聞いてフレアがほほえむ。
「もちろんです。コールも手伝わせてよろしいですか?」
「構わんよ」
「あっ、それとラズアーム少将、前回の戦闘時に黒髪の女剣士を見かけませんでしたか?」
「……? なぜ君がそれを知っているんだ?」
「いたのですか!」
「ああ、おそらくはフィンディの次に手強い相手だろう」
それを聞いてフレアはニヤッと笑う。
「お任せください。必ずや仕留めて見せます」
「ふむ……対策についてはこんな所か。あとは……」
ラズアームは地図を見つめる。するとコールが口を開く。
「この北方の下り斜面、ここは使えませんか?」
「北方の下り斜面?」
「はい、地図上にはここの北方にずっと長い下り斜面が見られます。それをうまく目隠しに使えれば、奇襲を行うことができるかもしれません」
「ふむ……どうだ?」
ラズアームは副官を見る。
「え~、ダメですね。事前の調査では、この下り斜面は傾斜が緩すぎて目隠しには向きません。相手に気づかせない位置までとなると……かなり大まわりするハメになります」
「なるほど…………いや、待てよ」
ラズアームはもう一度地図を見つめる。そしてニヤリと笑った。
「どうやら明日は早起きすることになりそうだな」
クラット基地防衛戦四日目。
その日の昼ごろ、クラット基地の正面の大草原にグラウド国軍が姿を現した。
40000はいるだろう巨大な軍勢。
その軍勢に対し、セウスノール解放軍もクラット基地の丘の前に陣を構える。その巨大な軍勢は国軍に引けを取らない。
その解放軍の左翼にクロコも立っていた。
「すげぇ数だな。ケイルズヘルの総力戦にも負けてねぇ」
すると隣のフロウが口を開く。
「そうだね、これでまだお互い戦力が集結しきってないんだ。僕らのやることは、こっちの戦力が整うまでなんとか基地を守り切ること……つまり、時間稼きってことになるけど……」
「潰せるんだったら、いま潰しといた方がいいだろ」
クレイドがそう言って剣の柄を強く握った。
草原を挟んで向かい合うセウスノール解放軍とグラウド国軍。大軍同士のにらみ合いが続く。
静かに時が流れる中、クレイドが口を開く。
「しかし、左翼にオレとクロコとフロウが固まって、右翼はサキだけ……バランスが悪いな」
「まあね、ホントは両翼を一気に崩せる方がいいけど……僕ら無名だし、仕方ないよ。とにかく今は気を引き締めよう」
パンッ!!
信号銃と共に国軍が一気に突撃してきた。
およそ5000の軍勢を切り取って厚く構えた陣形だ。
基地の塔からその陣形を見ていたロイム司令官。その顔が険しくなる。
「くっ……フィンディ対策か……」
解放軍中央、フィンディはそれを見て笑みを浮かべる。
「いいねぇ……狩りがいがある」
基地砲が火を噴く。爆炎が突撃してくる国軍陣の所々で上がるが、ひるまない。国軍は大きな掛け声を上げて基地へと近付いてくる。
それを見て解放軍の指揮官が叫ぶ。
「突撃ーッ!!」
解放軍も動いた。
解放軍左翼では、クロコ、フロウ、クレイドが先頭に立って駆ける。
国軍が目の前にまで迫ると、まずフロウがそこへと飛び込んだ
ヒュヒュヒュヒュヒュンッ!!
フロウの高速の斬撃が次々と国軍兵を斬り伏せる。
さらにクロコが続く。
ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!
クロコの強烈にしなる連続の斬撃に国軍兵は手も足も出ない。
そしてクレイド。
ギュンギュンッ!!
空気を切り裂く巨大な斬撃、それが振るわれるごとに国軍兵数人が宙を舞う。
国軍右翼はあっという間に切り崩されていく。
一方、解放軍中央。そこでは以前と同じくフィンディが猛攻を見せていた。
「アッハッハッハッハッハッ!!」
フィンディは笑いながら国軍兵の首筋を恐ろしいほどの速さで切り裂いていく。
クロコ達三人が切り崩している右翼よりもさらに早く、国軍中央陣形は切り崩されていく。
一方、解放軍右翼では、サキを中心にして、ほぼ互角の押し合いが展開されている。
時間が経つにつれ、国軍の右翼と中央が徐々に切り崩されていく。しかし厚く構えた陣形のため、簡単には分断されない。
「第二陣突撃ーッ!!」
国軍の第二陣が突撃する。基地砲の嵐を再び抜け、5000の国軍兵が戦線に加わる。
それに必死で対抗する解放軍。
無数の剣がぶつかり合い、銃声と爆音が絶え間なく響き渡る。
戦いは激しさを増してゆく。
解放軍左翼の一角、クレイドは迫ってくる剣兵を次から次へと吹き飛ばしていた。先行していたクロコが砲兵隊を仕留め出してからは、砲撃はピタリと止んでいる。
それをいいことにクレイドはどんどん敵を斬り伏せる。その時だった。
クレイドは前方に立つある国軍人に気づく。
ただの剣兵とは違う。持っている武器の形状が明らかに異なっていた。
人一人分はあるだろう巨大な斧、それを片手で軽々と持っている。そしてその斧の形状は普通のものとは少し異なっていた。普通の斧よりもはるかに鋭利にとがった形状は、まるで死神の大鎌のようだった。
フレア・フォールクロスがクレイドの前に現れた。
二人の目が合う。
フレアはニヤッと笑った。
「強そうなやつ、発見」
クレイドも身構える。
「変なヤロウだが……たぶん強いな」
クレイドはフレアに向かって突進する。
その時、すぐ近くにいたフロウはクレイドの相手に気づく。その相手の武器を見るなり、一瞬で緊迫した表情へと変わった。
「ダメだ、クレイド!! アレと一人で戦うな!!」
フロウはすぐに駆けだした。
一方フレアは向かってくるクレイドを見て余裕の笑みを浮かべる。
「さーて、一騎討ちだ……」
そう言って、ユラリと巨大斧を両手に持ち、斜めに構えた。しかし、
「……ん?」
クレイドの後方を駆けるフロウの姿に気づく。
「……チェッ」
フレアは巨大斧を横に構え直した。すぐそこまで迫るクレイド。
フレアが大きく口を開く。
「さあっ! 力比べだ!!」
クレイドが間合いへと入る、その瞬間、
フレアは巨大斧を高速で振るう。クレイドも巨大剣を高速で振るう。
ギュオンッ!! ギュンッ!!
二人の巨大な武器が互いにぶつかり合った。
ギィィィィィンッッッ!!!
空間を揺さぶる強烈な金属音が辺りに響く。それとほぼ同時に、クレイドの体が斧の斬撃と共に高速で流れる。クレイドは勢いよく吹き飛ばされた。
フレアが勝利の笑みを浮かべた直後、斧をきれいに振り抜いた状態のフレアに、フロウが突撃する。
「甘い甘いッ!!」
フレアは斧の長い柄の部分を、槍のごとく高速で突き出した。
「くっ!!」
その突きのスピードに驚くフロウ。
ヒュッ!!
フロウは体をそらし紙一重でかわした。しかし、突きは素早く横攻撃に変化した。
ゴッ!!
柄はフロウの体に直撃した。
「う……ッ!」
フロウの体は吹き飛ばされる。
余裕の表情を見せるフレア。
「この突きをかわすとはなー。びっくりした」
吹き飛ばされたクレイドがヨロヨロと立ち上がる。
「クッソ……なんてデタラメなパワーだ……」
フロウも立ち上がる。
「くっ……強い……」
再び剣を構えるクレイドとフロウを見て、フレアは斧を構えると、少しだけ嫌そうな顔をした。
「複数相手は苦手なんだよなぁ」
「なら、手伝おうか?」
フレアの隣にコールが現れた。
「おっ!! いいトコに来たじゃんコール。んじゃあ、ちっちゃい方を頼むよ」
「オッケー」
コールはそう言うと剣を構え、フロウに突進する。コールはフロウに向け斬撃を放つ。
(速い……!)
コールの斬撃に驚くフロウ。
ギィンッ!
フロウは素早くコールの斬撃を防ぐ。しかし、
(重い……!)
フロウの体はコールの剣圧で押される。しかし素早くフロウは反撃に出る。
ヒュヒュヒュンッ!!
フロウの高速の斬撃、しかしコールは最短の動きであっさりとかわす。
ヒュンッ!!
コールのカウンターがフロウの体をとらえた。わずかに血しぶきが飛ぶ。
「くっ……!」
距離をとるフロウ。
「さて! こっちもいくか!!」
巨大斧を構えてフレアがクレイドに突撃する。
フロウがそれに気づき叫ぶ。
「ダメだっ、クレイド!! 一人で相手しちゃいけない!!」
しかし、そんなフロウにコールが襲いかかる。
ヒュンヒュンッ!
コールの斬撃がフロウの体をかする。険しい表情をするフロウ。
「くっ……!」
「味方を気にしてる余裕はないはずだけど」
一方、クレイドは自分へと迫るフレアを見ていた。
「一人はダメつっても相手から来るんじゃあな」
クレイドは剣を構える。
一方、フロウはクレイドのことを気にしながらコールの剣を防いでいる。
(……なんとかしないと)
その時、横から人影がコールを斬りつける。コールは素早くそれをかわした。
「フロウっ!!」
クロコだった。
「いいトコに来たクロコ! あと任せた」
フロウはパッと言うとフレアの方へと駆けていった。
「え……?」
呆然とするクロコ。
一方、クレイドの目の前まで迫るフレア。しかし直前で足をとめた。
「クロコだって!?」
フレアはクロコのいる方向を見る。
クロコを見た瞬間、フレアの目の色が変わった。
「見つけたっ!」
しかし直後、横からフロウが斬りつける。
ヒュヒュヒュヒュンッ!
「うわっ!」
フレアは驚きながらもその斬撃を全てかわすと、素早く小ぶりの斬撃を返す。
ギュンッ!
フロウはそれを素早くかわすが、
ゴッ!!
フレアの蹴りがフロウをとらえた。
「が……!」
軽々と浮き上がり、飛ばされるフロウ。
逆からクレイドがフレアを斬りつけようとするが、フレアは素早く反応し、突きを放つ。
ガァァァンッ!!
クレイドは剣で防ぐが、強力な威力で後ろに押し返される。
「……クソ!」
クレイドは体勢を立て直して再び剣を構える。
フロウも立ち上がり剣を構える。
フロウとクレイド、二人は左右にフレアを挟む。
それを見てフレアがメンドくさそうな顔をする。
「あーもう、オレはクロコと戦いたいんだけどなー」
一方、クロコはコールと素早い斬撃の攻防を繰り広げていた。
クロコの斬撃の嵐。しかしコールはすぐさまそれを返す。
ギィンギィンギィンッ!!
二人の間で無数の斬撃がはじける。
クロコが後ろに跳んで距離をとる、するとコールも一歩下がる。
距離が離れた二人。
クロコは険しい表情をする。
「クソ……なんだこいつ」
コールも表情を少しだけ険しくする。
「手強い……」
クロコは剣を構え直すと、素早く左右に動きながらかく乱する。そして一瞬で距離を詰めた。
ヒュンッ!
クロコの斬撃、しかしコールは素早くかわす。直後、クロコは蹴りを飛ばす。
ビュンッ!
それもコールはあっさりかわす。
「なにっ……!」
ヒュンッ!
コールの素早い反撃。クロコの肩がわずかに裂けた。
驚いて距離をとるクロコ。
(クソ……なんだこいつ。変則的な動きに全く動じない……)
同じ頃、中央ではフィンディがなおも圧倒的な強さを見せていた。次々と斬り伏せられる国軍兵。
しかし、陣形はなかなか分断できない。
(……チッ、厚いな)
フィンディが少しだけいらだち始めたその時だった。
フィンディは気付いた。自分の前方の敵兵の群れ、その中にいる、大剣を構えたラズアームの存在に。不敵に笑みを浮かべながら、フィンディを大きな目でギラリと見つめている。
「さあ……始めようじゃないか。フィンディ・レアーズ」