2/2
『永遠生命』の開発者、三田倉教授失踪
8月9日午前、警視庁は『永遠生命』開発者の三田倉真琴氏(39)が失踪しており、家族の依頼のもと捜索を行っていることを公にした。
三田倉氏は、永久に宇宙空間上でその存在を維持し続けヒトのDNAなどの情報を保持し続ける記録デバイス『永遠生命』の生みの親として知られる。三田倉氏本人も自身の生体情報を内臓した『永遠生命』を保持している。ノーベル賞受賞式では「昔から私の生きた証を永遠に残すことが夢だった。その夢がかなって嬉しい」と感動を露わにしていた。
三田倉氏は二週間ほど前から自宅に帰宅しておらず、家族が異変に気づき大学に問い合わせたことで失踪の事実が発覚した。政府と警視庁は他国による誘拐の可能性も視野にいれて捜索網を広げている。
また三田倉氏の個人ブログも7月26日を最後に更新が止まっており、「私は永遠の私を作り上げた。では今ここにいる私は何なのだ?私は探さねばならない」という失踪を予告するかのような謎めいた文面が残されている。警視庁はあらゆる可能性を視野に入れて捜索を進めるとともに民間人による目撃情報の報告も呼びかけている。