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プロローグ下

よろしく

困った、出口がない。


私は遺跡中をあちこちくまなく探したが何ひとつとして出口らしきものは見当たらなかった。


それにしても何故か分からないがお腹が一向に空かない。

……まぁ普段からご飯なんてあまり食べていないから別にいいんですけどね


私は、しばらく待てば誰か助けに来てくれるだろう……とその時はまだ楽観的に考えていた。


▽△▽△▽△


──────体感1ヶ月後



「……来ない!……誰も来ないんですけど?!いや、こんなに可愛らしいエルフを1人こんなとこに閉じ込めて……誰も助けに来ないとかほんと、ふざけてんですか!?」


まあ来るわけが無い。だって時が止まってるんだから。


ベルメリアだけが止まった時の中で永遠に動けるだけなのだから


その事に私が気がつくのは後1年後である。



▽△▽△▽△▽△


──────体感5ヶ月後


「……暇すぎる!……やることがない!……そんな言葉を言う日が来るなんて……はぁ仕方ない、この剣の修行でもするか……」


そう言って私は近くに置いていた剣を手に取る。

私は正直剣は苦手だ。

というか戦うのが苦手だ。狩をするのは得意だけれど、エルフを傷つけてしまう可能性があることをするのが怖い


……だとしても暇すぎるし、これしか持ってきていないから……まあ仕方ない。やることはこれぐらい……おや?


剣を持った途端、遺跡の目の前にあった扉ががちゃがちゃと音を立てて開く。


「やった、出口だ!……誰か来てくれたんだ…………ってあれ?」


一目散に飛び込むと、同時に後ろの扉が再び閉まる。


「あ、ちょっと!……あ〜また閉じ込められた……」


『試練開始……体力固定完了、回避と攻撃の儀開始』


そしてこちらに向かって目の前の機械から魔法の弾丸が飛んでくる


私はそれに吹き飛ばされる。痛みは無いが、身体がふわりと吹き飛ばされて壁に激突する。


慌てて起き上がると、さらに自分目掛けて魔法がバシバシと飛んでくる。

「ひ!?なになに、?何なのさ!ストップ止まって!」


その言葉でゆっくりと機械が停止する……


私は壁に書かれていた文字に気が付き、それをゆっくりと解読する


『このモードでは、攻撃を避けながら後ろにある的を破壊する必要があります。』


何を言っているのかは分からないが、おそらく意味はある程度わかった。

どうやらここは『魔法』か『弓』をもって、あの攻撃を避けながら的を破壊する訓練場のようだ。


そして、このモードではこれを破壊するまで外に出ることができないとの事


「……なるほど……あれ?私どうやってクリアするの?」



もちろん機械はそんな言葉に答えてはくれない。


「──────え?」


▽△▽△▽△▽△▽△▽


──────体感1ヶ月後


仕方ないから試練をクリアしようと剣を投げるが的が遠すぎて全く当たらない。

と言うか先程から飛んでくる魔法に吹き飛ばされてばっかりだ


「ああ!もう吹き飛ばされる度頭がくらくらしてイラッとするう!」


△▽△▽△▽△▽△▽△▽



──────体感2年後


何か少しずつ動きがわかってきた私は、ほぼ当たらなくなっていた。


とはいへ、こちらからの攻撃手段が無に等しいから何も出来ないのがもどかしい。


……「待てよ?……頑張れば剣から斬撃飛ばせたりしないかな……」


あまりにも長いこと同じことばっかりやってたせいで少し判断がおかしくなり始めていた



△▽△▽△▽△▽△▽



──────体感40年後


「──────もうちょい頑張れば魔法斬れそうな気がしてきた!……と言うかなんか楽しくなってきたな」




△▽△▽△▽△▽△▽△▽


──────体感……80年後


彼女の剣はついに魔法を弾くようになった


もはや手と何ら遜色内ほどに自由自在に剣を振り回せるようになった。

けれど未だ斬撃は飛ばせない




△▽△▽△▽△△▽△▽△



──────体感、100年後



「せりゃあ!……はぁ……やっと斬れるようになった……」


彼女の剣は魔法を斬れる様になっていた。本来、魔法は魔法でしか破壊も防御もできないのだが……それはある意味彼女がシステムを超越しかけている証拠だろう


しかしまだ斬撃は飛ばない






▽△▽△▽△▽△▽△



──────体感200年後



もはや目に見えぬ速度で剣を振るえるようになった。

ついに斬撃が少し飛ぶようになった。

そしてついでに『魔法』を構成する呪文すら斬り裂けるようになってきた。


でもまだ物足りない



▽△▽△▽△▽△▽△



──────体感1000年がたったある瞬間



彼女の剣は、世界のシステムを超えた。


神が創りしチュートリアル場。そして神の力による防壁、それを彼女の剣は




──────完膚なきまでに断ち切った。





そうして遺跡は神の力を失い、その機能を完全に破壊されたことで……消滅した。




「……んん〜やっと出られた。……はぁ流石に1000年も経つと苦手な剣も極められるもんだなあ……」


そう言って彼女はゆっくりと伸びをする

傍らに置いていた剣は、その耐久値のロックが解除されたことで消滅してしまったが、その様子を見て



「ありがとうね」



とお礼を言えるぐらいにはなっていた。



さてと、里にでも帰ります……か。





△▽△▽△▽△▽△▽△▽



彼女は知らない。




──────エルフの体感で1000年というのが実際には何年だったのかを



()()()()1()()()()()()1()0()0()()()()()()()()()


すなわち1()0()()()である。それだけの年月をかけて鍛えたのだ、それはもうシステムを超越するのが当然、と言うべきなのだろう




よろしく

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