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雷切

胃腸炎なんてなるもんじゃないね。

「魔戒解放!……」


「我の理性と記憶、全てを犠牲にしてでも貴様を……ここで止める!」


いきなり目の前にいた戦ってる相手がそんなことを言い出したらどうすべきなのだろうか。

──────「へーすげー」


とでも?


──────「な、何だと!あの魔戒解放を使うなんて!」


と乗ってあげるべきか?


いやいや、知らないワードを出されても此方としてはびっくりするほど対応に困ると言いますか。

なんだろうなぁ……身内ネタで勝手に盛り上がるのって困るんだなぁと思いながら『ベルメリア』は剣を構えて振りかざす


ガキン!という音で今の攻撃が弾かれたことを察したベルメリアはその弾かれた衝撃をそのままに再び剣を振り下ろす。


しかしそれも弾かれたことで、確かに強くなる系のスキルを発動しているのだなあ……と理解した。


「ぐごぁごぁ……ごごろず!おばぇゔぉ!……ごごで……」


そう叫ぶ敵に対して、あくまで冷静に、かつ冷淡に、淡白に


──────「うーん剣の腕が著しく下がってら……残念。こいつではもう遊べないか……」


そう、言いながらため息を着く。ベルメリアという女は戦いを好む。

しかし、その本質にあるのは、『剣を活かして、剣士を倒し、自らの剣の道をより素晴らしいものに昇華する』というのがある


その過程がたとえバーサーカーと呼ばれようと、破壊神と呼ばれようと、気にする女では無い。


しかし相手が剣をただ振るうものとして扱うようになってしまった時、それは彼女の相手にするべきものではなくなる。


「──────はぁ……せっかく魔族で剣士を見つけたんです、もっともっと遊びたかったのですが……仕方ありません……」


そうつぶやくと


「まあ、せっかくなのでいまさっき閃いた攻撃方法で倒させて頂きますよ!……」


そう言いながらベルメリアは剣を上段に構え……



──────『せい!』




△▽△▽△▽△






──────魔族を追いかける冒険者たちは、行先の方で突如として雷を纏った雨雲が発生しているのを目撃していた。


突然の天候の変化に戸惑いながらも、冒険者たちは目的地へと急ぐ


少しでも、生きている人達がいることを信じて。




△▽△▽△▽△▽



──────『せい!』


放たれた剣閃が振り下ろされ始めた途端、刀身にばちばちという紫電の電光が閃く。


周囲の魔力をものすごい速度で圧縮し、その際の抵抗により電荷を生み出したという恐るべき斬撃。、恐るべき轟雷、轟く雷のごとき一閃


後にその剣は冒険者たちの奥義のひとつ……スキル名にして……


雷切(らいきり)』……そう呼ばれた


もちろん、ベルメリアは自分の技に名前などつけない。

それは何故か、決まっているだろう。


そんな当たり前にできる行為にわざわざ特別な名前をつける意味など理解できなかったからなのだ




ともあれ、その轟雷を纏いし剣は



「が、がああああああ…………」


『ガンベルト』を瞬時に焼き殺した。


いくら魔族と言っても、周囲の魔力の変化を受けない訳では無い。まして、それを纏った剣の一振を……防ぐことなど不可能に近かった。


戦いの舞台を広範囲に焼き切る雷は後ろに控えていた魔族達すらもまとめて一気に焼き払う。


──────こうして、『ガンベルト』と言う1人の魔族の強者は、より強きものの手によりこの世を去った。


未だ剣先から雷を迸らせるベルメリアは、既に斬り倒した相手のことを見てはいなかった。


──────「み、……見事……だ……」


だからそんな賞賛の言葉なぞ、届いてはいない。


「?なんか言った?〜ってもう事切れてるから話しかけてくるわけないか〜ってか、まだ刀身に雷がバチバチなっててうるせぇな……ふり払えば落ちるか?」


そう言いながら軽く素振りすると、その余波で後ろにいた魔族が吹き飛ぶ。

そうして初めて魔族に動きがあった。


──────「嫌だ、死にたくない!」


──────「助けて、こんなとこで終わりたくない!」


まあもっと色々と言葉があったのだろうが、あまりにも重なりすぎてそれくらいしか聞き取れなかった。


まあそんな奴らに可哀想なんて感情を持つエルフでは無いので……



「さぁて、次にあたしに挑んでくるやつは……どいつだぁい?おやおや、逃げないでくれよ!……ははは!さぁ!……おいおい逃げんなよ〜」


そう言いながら彼女は刀身を地面に擦り付けて火花を散らしながらゆっくりと魔族の方に歩いていく。


まるで蜘蛛の巣を散らしたかのように逃げ出す魔族、


それを見ながら


「──────せめて新しい発見を、あたしにくれないかなぁ!」


そんなことを叫びながらベルメリアは殲滅を開始した


とりあえず今日は1話で

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