堕ちていくお菓子
お菓子は堕落していった。
おいしくなる努力を放棄していった。
どんどん、どんどん堕ちていく。
お菓子は、おかしなのに、甘くない。
お菓子は、おかしいことに、甘くない。
だからみんな、お菓子をおかしいと言って。
お菓子をどんどん、食べなくなった。
お菓子の力は、偉大だった。
それらは失われてから気づくもの。
お菓子という癒しをなくした、甘味ファンも堕落していって。
どんどんどんどん、堕ちていく。
このままじゃまずいと思った。
だから砂糖の妖精、佐藤さんが。
懸命にお菓子にシュガーを振りかける。
すると、お菓子は堕ちていかなくなって。
普通のお菓子にもどっていった。
おかしくないお菓子に戻っていった。
すると堕落していた甘味ファンもにっこり。
みんなに笑顔が戻っていった。
なぜお菓子は堕ちてしまったのか。
お菓子は覚えていないから。
それはみんなにはわからないまま。
「えーん、お菓子とらないでよー」
「お菓子なんてなくなって生きていけるじゃん。普通のたべものがあれば十分でしょ? こんなものなくてもいいじゃん困らないじゃん」