成行
夢であれ、と。
心であれ、と。
既に出かかっていた月が
雲で隠れていく様を
君であれ、と。
清であれ、と。
やがて落ちていく日が
木々の間から漏れる様を
やがては落ちゆく者よ、と。
帰して成り行く者よ、と。
暗がりから声を聞く。
それが誰か
知らないまま
未知は沁みていく
雨は降るが、日は見える。
風穴を吹き抜けて
澄んだ空気が横から横へ
盃には、ただの水を汲みましょう。
深くに落ち入るために。
見つけた時には、
消えていることを願って。
飲んで酔えばそれで良い。
水であれど酒になるのだ。
成れるとは、そういうことだ。