6
「それにしても、惚れ惚れしたわ。ダリアさんは素敵な人ね」
「そんな、テレーザ様の方が素敵でした。凛としていて」
「まぁ嬉しいわ。これからも仲良くしてくださいね」
「そんなテレーザ様からそう言っていただけるなんて」
「友人なのだし、テレーザと呼んで」
「では、私のことはダリアと」
ふふふ。クスクスと笑いながら私たちは話していた。
あれから私たちはどういう縁か仲良くなった。こうなれたことはアルマーのおかげかもしれない。
そのアルマーだが、あの後父である伯爵や侯爵の前でも似たような熱弁を繰り広げ、呆れられたらしい。
侯爵家はアルマーと伯爵家に慰謝料を請求した。
伯爵はアルマーを勘当した。
常識知らずすぎて恥ずかしかったのだろう。その後男爵家である我が家にも謝罪に来てくれるほどで、どうしてこんないい人の息子があんななのか、と私は呆れてしまった。
あんな男と付き合っていた私が馬鹿らしい。
そう言うと、テレーザも「私もあれと婚約者だったことが恥ずかしい」と頬を染めて言っていた。そうとう恥ずかしかったらしい。
アルマーはそれから辺境の村に追いやられて、そこで流行病に倒れたそうな。
まだ無事だと聞いているが、貧乏に慣れていない彼には厳しい状況だろう。
だが、まぁ仕方のないことだと、私はおもっている。
それよりもこれからは婚約者のいない人と恋をしないと。
テレーザも協力してくれるというから、これからが楽しみだ。
テレーザと付き合うようになっていじめもなくなったし。
最近は笑顔で学園に通っている。
アルマーありがとうね。
お大事に。