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「あなたは私を弄んだのです。そう言うふうに捉えました。被害者である私がそう言うのだから、そうなのですよ」


 彼を呆れてみつめる。

 虐めもそうだが、やられた側が虐められたと思えば虐めだと私は思っている。

 アルマーはやがて笑い始めた。


「何が楽しいのでしょう」

「君が勘違いしているから」

「勘違い?」

「俺は君を恋人だと思っている。君は弄ばれたと思っている。その場合、貴族というのは上の言うことがすべてだ。つまり俺の言うことが君にとっての全てだよ。君のそれは被害妄想と呼ばれてしまうさ」


――それの何が楽しいのかしら……。仮にそう周りが解釈したとして、それでも浮気した男ということは変わらないのだけど……。


「つまり?」

「君は意外と馬鹿だったんだな……俺が女性を弄んだ事実などない。君は俺の恋人。俺が汚名を着せられることもないんだ。君が何を言ってもね」

「はぁ……」


 浮気は汚名ではないのだろうか。ないのだろう。彼の言動はすべてそう言っている。


「じゃあもうどっちでもいいですから、私と別れてくださいますね」

「どうして? 君も分かっただろう、君は俺の恋人。まっとうな関係だ。君が心配することはなにもないよ」


 話が通じない。

 まさかこんなに訳のわからない男だとは。

 立ち位置が違うとこうも話が合わなくなるのだろうか。


「ちょっと、一旦整理させてください」


 ここで一方的に別れを突きつけたら、伯爵家に何をされるかわからない。

 ならば別の場所に助けを乞うことにしよう。

 私は尚も何事かを言っている彼を放って、行動することにした。





 


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