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⑥誰かに襲われたらどうするんだよ

「どうしたのじゃないわよ。今日2時半からの観測でしょ、ビールからも確認のメール着てたわよ」


あー そういう訳か、ビールのやつやりやがったな。


「・・・という訳で、さっき夜九時までの観測に変更になってた訳で、悪いね」

「なーんだ、せっかく親にも内緒で出てきたのに。

 そうだね、そしたら手伝うよ、何すればいい? 航ちゃん」

「えー そんな、いいよ、帰っても」

「何よ、これで帰って親にバレたら余計変じゃない。それに深夜の学校って何かスリルがあって、もうドキドキって感じ」

「そんな、だれかに襲われたらどうするんだよ」

「だれかって誰よ、二人しかいないじゃん。何、航ちゃん私襲うつもり? あはっ?」

何が あはっ だ。そういう気が100%ないわけではなかったが、今の今萎えてしまった。

「じゃあ眠くならないように、適当にそこでなんかくっちゃべっててくださいよ、浅井さん」

「なによお言葉ね。大体こんな美人目の前にしてグーグー眠るおつもりですか」

「あのね、美人が自分のこと美人って言ったら、嫌味でしかないぜ」

「あ、じゃあ美人って思ってくれてるんだ、どうもごちそうさま」

「もういいよ」

河野は爆笑問題の田中になったような気分がした。

「どうせ機械の事は分かんないでしょ。星を見るなり、あとこのビールの差し入れを飲むなりして、ご歓談くださいよ」

「こんなんで夜中にビールまで飲んだら、私もめでたく不良の仲間入りってわけね、はい、乾杯-」

なにがめでたいのかよくわからないが、二人の深夜の奇妙なセレモニーははじまった。


もしかしたら、17年間女性に関しては何もいいことがなかった自分に対して、神様がくれたプレゼントかもしれないな、これは。

えっ、でもそうしたら川上が神様ってことか。

河野は髭を生やしてなぜか十字架にはりつけになっている川上の姿を想像して、思わず噴き出しそうになった。

「あれ、航ちゃんなに笑ってんの?」

「あ、いや、何でもない何でもない」

「??? 変なの?」

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