⑲どうぶつの星 +(その1)
「どうぶつの星 +(プラス)」
昔あるところに、ホープ星という星があり、ルナちゃんという女の子がおりました。
あ、ちなみにわたしの「陽子」ってね、太陽みたいに明るい子に、って父さんがつけてくれたんだって、やっぱり天体に関係あるね。
だからこっちの話では、「月」でルナちゃんってことにしておくの。
ルナちゃんには幼なじみで「タイガー君」っていう、とてもサッカーが好きな男の子がいました。
ルナちゃんとタイガー君はとても仲良しで
子供のころからいつもいっしょに遊んでいました。
中学になると、ルナちゃんとタイガー君は、
他の仲良しグループ何人かといっしょに遊んだり
時には二人だけで映画にいったりすることもありました。
ただ二人とも、子供のころからの延長みたいなもんだと思っていました。
そう、少なくともルナちゃんの方はね。
中学3年になり、タイガー君はサッカーの特待生みたいな形で高校へ、
ルナちゃんは女子高に行くことがだいたい決まって、クラスも離れ離れになってしまったの。
ルナちゃんとタイガー君は、いつもと同じように映画を見た後で、
何となくタヌキデパートの中にあるペットショップに入っていったのね。
ルナちゃんが「ハムスターかわいい」って言ったので、タイガー君はなにを思ったか、ルナちゃんにハムスターを買ってあげることにしたのね。
ルナちゃんはその時なんとなく、これでタイガー君とのデートは最後になるのかな、なんて気がしてたわけ。
ルナちゃんはハムスターを一生懸命育てたのね。「パールハムスター」という種類だから「パムちゃん」
あ、そうそう、ハムスターってジャンガリアンとか、何種類かあるのよね。
ハムスターって結構、えさもいろいろあったりとか、どうしても育てるのにかかりっきりにならざるを得ないところがあるのね。
あ、あとひまわりの種っていうのは、ハムスターにとってはとてもご馳走っていうか、例えば高級チョコレートみたいなもんで、そればっかりをあげちゃ絶対いけない、とかね。
ルナちゃんは、タイガー君と会えない時も、パムちゃんと遊んで気持ちを紛らわせていたのね。