表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FoxBoxで異世界放浪記  作者: 風詩
62/603

余暇の過ごし方 (改)

翌日、宿屋の一階でリネアさんが用意してくれた朝食を食べているとハンスが訪ねて来る。

何でも今日は非番を貰ったそうで、バルシュタイン家の屋敷に招待したいそうだ。

馬車に乗せられ王都の上流区にある屋敷に到着すると、庭でアンナが剣の鍛練をしている所だった。

ハンスの話によると、アンナは将来、王女様付きの騎士を目指しているらしく学園でも上位の成績なのだという。

アンナは貴族の次女に当たるので家を継ぐ事は出来ない。

将来は他の貴族の元に嫁ぐか騎士、又は文官として出仕するのが一般的なのだとか。


「カルさん、セティちゃん。ようこそいらっしゃいました。」


「こんにちは、アンナお姉ちゃん」


セティはクリスの真似をして、アンナをお姉ちゃんと呼ぶようになったようだ。

アンナも新しい妹が出来たと喜んでおり、微笑ましい限りだ。


「カルさん、兄から聞きましたよ。ニコラウス様を倒したそうですね。」


「成り行きでね。」


「良ければ、一手ご教授下さい。」


アンナは俺の前に木剣を差し出してきたが、ハンスは身の程をわきまえろとアンナをたしなめている。


「お兄様だって、戦ってみたいって言ってたじゃありませんか。」


「そ、それはそうだが…!」


「構わないよ。二人まとめてかかって来なさい。」


「よ、よろしいのですか!?」


余裕ぶって言ってみたけど、これで不覚を取ったら恥ずかしいな。

二人は木剣を構えると、同時に左右から同時に攻撃を仕掛けてくる。

ハンスは現役の王国騎士、そしてアンナは騎士を目指しているというだけあって、動きは中々良い。

また、兄妹というだけあって連携も上手く、片方が攻撃を仕掛けた後はもう片方がしっかりとカバーしてくる。

ニコラウスさんには悪いが、この二人との手合わせの方が面白い。

だけど、いつまでも避けてばかりでは手合わせにならないな。

それに二人共隙が多く、これでは何処からでも攻撃出来てしまう。


「アンナ、足が止まってきているぞ。ハンス、左脇ががら空きだ。」


の悪い所を指摘しながら、反応出来るギリギリの速さで打ち込んでいく。

俺には正しい剣術など分からないので、せめて分かる範囲で教えていこう。

二人は汗だくになりながら剣を振っているが、次第に動きが悪くなってきた。


「もう終わりにするか?」


「ま、まだまだ!!」


「だ、大丈夫です!!」


二人共良い返事だ。

それにしても、二人はこんなに疲れているのに俺は汗一つかいてないよ。

こっちの世界に来る前なら、とっくに地面に倒れているだろうな。

暫く打ち合っているとまずはアンナが脱落し、次にハンスが力尽きてしまった。


「ハァハァ・・・動きが早過ぎて・・・もう無理・・・。」


「き、騎士団の訓練より疲れました・・・。」


うーん、ちょっとだけやりすぎたかな?

二人が可愛くて、ついつい張り切ってしまった。

今の立ち合いから察するにアンナは当然として、恐らくハンスもあまり実戦経験が乏しいようだ。

何度もわざと隙を作ってあげたのに見逃していたり、踏み込みが甘過ぎる事が多々見受けられた。

こればかりは実践を何度も経験しなければ身に付かないもの。

だけど、この二人には出来るだけそんな機会が来て欲しくは無いと思ってしまう。

呼吸が落ち着いた所でアイスクリームを取り出して、休憩を取ることにした。

二人は初めて味わう甘さと冷たさに目を丸くしていたよ。

一応、この世界にも似たような氷菓子があるそうだが、この辺りは温暖な気候なので真冬にならないと食べられないらしい。


「本当にお強いですね。手も足も出ませんでしたよ。」


「二人の動きも中々良かったぞ。」


「ご迷惑でなければ、また相手になってもらえないでしょうか?学園では中々模擬選すらやらせてもらえないので…」


「何だ、それくらいお安い御用だよ。」


「本当ですか?ありがとうございます!」


「それなら、私もお願いします!」


いくら騎士を目指していると言っても、アンナは女性。

学園では男女別で授業が行われている為、剣を使った模擬戦は殆ど出来ないらしい。

しかも、アンナの相手が出来る女生徒は少なく、兄としか真剣な打ち合いが出来なかったという。

二人は俺と年齢が10も離れてないせいか弟妹といった感じだ。

肉体の年齢に関しては…、だけどね。

俺が相手をする事で二人が強くなるのであれば、協力を惜しむような真似はしたく無い。

また、アンナは魔法も使えるそうなので、次に会った時はセティとも手合わせしたいと言い出した、

本人も面白そうだといって了承しているがセティの魔法、結構強力なんだよね…。

手加減出来るのかちょっと不安だな。

その日は二人の希望もあり、夕食をご馳走になる事になった。

その席でニコラウスさんとの対決から始まり、学園ではどんな授業を受けているのかなどなど、話が尽きる事は無かった。

帰り際、今日は屋敷に泊ってはと引き留められたが、また顔を出すことを約束して屋敷を後にする。


ブックマークの登録・評価を押して下さり、ありがとうございます。

現在、1話より順番に修正を加えていますが(内容に変化なし)

次話を優先している為、中々進みません(´・ω・)ゴメンネ


これからも狐成分たっぷりの話を盛り込んでいきたいと思いますので

宜しくお願い申し上げます(/ω\)ガンバルヨー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 模擬戦が「選」になってるのが二か所ありました。 あと、ハンス・アンナ・クリスの三兄妹ではない?(私の見損ない?)「アンナが貴族の次女に当たるので家を継ぐ事は出来ない。」とあるので、三兄…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ