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FoxBoxで異世界放浪記  作者: 風詩
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光る花

確認の為に近くに寄ってみると、そこには赤と青の月明かりを受けた花が淡い緑色の光を放っていた。

光る花など物語の中でしか聞いた事が無いが、これは一体何だ?


「まさか、危ない花なんかじゃないよな?」


「ううん。危険な感じはしないから大丈夫だよ。」


危険が無いのであれば見ている分には凄く幻想的な光景だ。


「これ、摘んでいくよ。多分、薬の材料になると思うから。」


「身体が光る薬が出来たら、街で流行るかもしれないな。」


「馬鹿な事言ってないで、早く摘むのを手伝って。」


「あ、はい。」


そんな面白い薬があったらお祭りの時などに流行るかなと思ったが軽く流されてしまった。

花を摘み終わった所で、今日は風呂に入って休んだ。

翌日、再び薬草を探しながら山を歩き回る事に。

それにしても魔物も現れない事だし、俺も少しはセティの手伝いをしないとな。

えっと、これまで採取してきた草と同じ物を探すだけなら簡単だろう。


「お、これは良い薬草じゃないか?」


「それは猛毒のカエンベニテング草。触っただけで数日は手が腫れちゃうよ。」


「このキノコ、何だか効能が高そうじゃないか!?」


「それ、魔物の糞だから絶対に触っちゃ駄目だよ?」


ぐぬぬ・・・。

何度セティの採取作業に同行していても、一向に見分けが付かない。

俺には薬草採取の才能が皆無のようだ。

そう諦めていた時、セティが立ち止まって裾を引っ張って来る。


「カル、こっちから何か来るよ。数は20くらい!」


「魔物か?」


「多分。足が速いからすぐに見えてくるよ。」


それらはあっという間にやって来て来たかと思えば、あっさりと取り囲まれてしまった。

現れた魔物は白い体毛の狼で大型犬より一回り以上大きいな。

狐徹に手を添えながらセティと背中を合わせ、いつでも迎撃出来る態勢を整えていく。

それにしても白い体毛がモフモフしてそうで肌触りが良さそうだ。

この毛皮は是非とも欲しい。


「セティ。こいつらの毛皮をカーペットとして使いたいから、出来るだけ綺麗に仕留めてくれないか?」


「毛皮に余計な傷を付けないように、だね。分かった!」


そんな悠長な話をしていると、群れの一匹が飛びかかって来る。

俺は出来るだけ毛皮が付かないよう、口の中に向けて平突きで仕留めていった。

これなら毛皮に傷を付けずに倒す事が出来る。

一方、セティの方は風の刃を放ち、器用に狼の首だけを刎ねていく。

どうやら風の刃を放った後、途中で軌道を曲げているようだ。

結局、20匹いた狼を1分足らずで倒してしまった。

毛皮は独特な匂いがあるものの、触った感触は思った以上にモフモフしている。

これなら皮をなめしてもらって、カーペットの他に毛布や敷物に出来そうだ。

狼を全て異空間収納アイテムボックスに放り込み、その場で一旦休憩を取る事に。

協力してくれたセティに何かご褒美をあげないとな。


「何か食べたい物はあるか?」


「んと、少し肌寒いからコーンポタージュが食べたいな。」


その場で購入しておいた椅子を取り出し、セティ御所望と一緒に、自分用としてコーヒーを箱庭で購入して来た。

雄大な景色の中、飲むコーヒーって何でこんなに美味いのだろう。

一息ついた所で再び採取作業をしていると、セティからの提案で今回の採取はこれで終了すると言われる。

既に十分過ぎる薬草類を採取したというのもあるが、目新しい物も取れなくなってきたそうだ。

薬草に関してはセティに任せているので、そろそろ下山する事にしよう。


山の麓に降り、街道の方へ移動しようとしていると数台の馬車が土煙と共に、こちらに向けてやって来るのが見えた。

こんな場所に馬車?

不審に思い、狐徹に手を当て周囲を警戒する。

馬車は街で見かけた物より随分と立派だ。

盗賊の類ではなさそうだが、一応用心は必要だろう。

すると先頭を走る馬車から御者が手を上げ、こちらに向かって何かを叫んでいる。


「そこにいるのは、カル殿とセティ殿ですか!?」


俺達の名前を知っている?

見覚えは無いが、どうやら敵では無さそうだ。


「俺達がそうですが、何か用ですか?」


「私はバルシュタイン家に仕えるライルと申します。ビフレストの領主様の命により、お二人をお迎えに上がりました!」


ビフレストの領主様?

接点も無ければ会った事すらないのだが、俺達何かやったのかな?


「領主様が俺達に何の用があるんですか?」


「急用があって、お二人をお連れするように申し付かっております。詳しい話は馬車の中で致しますので、どうか馬車に乗って頂けませんか?」


突然そんな事を言われても領主様とは面識も無ければ会った事すらない。

会いたい理由が何であれ、貴族というのは自分の好きなように物事が運べると勘違いしているような、そんな我が儘な事がまかり通ると勘違いしているイメージだ。

もちろん、偏見と言われたらそれまでだけど。


「お二人を呼ぶようにと進言されたのはアンダリア様とキアラ様です。どうかお急ぎ下さい!」


あの二人が領主様と一緒に、わざわざ馬車を寄こして俺達を呼び戻す理由とは?


「カル、言う通りにしよう。本当に急いでなきゃ、二人はこんな事しないと思う。」


「厄介事なら断りたいんだが…。仕方ないな。」


「ありがとうございます!急ぎますので、少々揺れますよ!」


馬車に乗り込み、ライルさんが知っている事を要約すると…。

1:領主様の娘さんが病気で危篤状態。

2:アンダリアさんと、キアラさんが、セティなら病気を治せると考えている。

3:ライルさんは、それ以上の事を聞かされていない


つまり、領主様が困っているのを二人が見捨てられず、セティの事を話しちゃった訳だ。

だが、ライルさんの話ぶりから察するとセティの事を知っているのは領主様だけのようだな。

問題はセティが娘さんの病気を本当に治せるかどうか。

仮に失敗したとしても、そこまで責任は持てないぞ。

不安を抱えながらも馬車は街に向かって夜通し走り続けていく。

しかし…先程からずっとお尻が痛い。

領主様が用意してくれた馬車なので、硬い座席という訳では無いのだが、長時間の馬車での移動がこれほど辛いとは想像していなかったよ。

街道は街の中と違って、石畳みで綺麗に舗装されている訳ではない。

お陰でちょっとした段差や石を踏む度に振動が硬い椅子を伝わって来る。

セティの方を見ると、同じく辛そうにしている。

箱庭で座布団を数枚買ってきたい所だが、こんな狭い空間で扉を出せるはずも無い。


「セティ、大丈夫か?」


「ううん・・・、馬車ってこんなに揺れる乗り物なんだね…。」


「道も悪いからな。座布団でも買っておけば良かった。」


「もうダメ・・・。カル、ごめんね!」


そう言ってセティは何故か俺の膝に腰を下ろしてきた。

膝枕ならぬ、俺の膝を椅子代わりにするつもりなのか?


「あの…、セティさん?これはどういう事かな?」


「うん、大分マシになったよ。私の事は気にしないで大丈夫だからね。」


「するに決まってるわ!」


結局、セティは街に着くまで俺の膝の上で寝息を立てて休んでいた。

俺はどうしたかって?

尻の痛み加えて膝に子供の重みが加わったんだぞ。

徐々に足が痺れてきて、余計に辛くなってきた。

ライルさんが時折こちらの様子を見ては微笑ましく見ていたよ。


次第に空が明るくなる頃、ようやく窓からビフレストの街が見えて来た。

セティは娘さんの病気を治す事が出来るのだろうか?

これ以上の厄介事が飛び込んで来ないかと、不安が尽きない。

最悪、この街もしくはこの国を出る事も考えておく必要がありそうだ。

折角落ち着ける良い街だと思っていたのに、そうならない事を祈るばかりだ。


花粉症が酷いせいで

テレビを見ていると

どんな場面でも泣ける(/ω\)目が痒い~

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