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FoxBoxで異世界放浪記  作者: 風詩
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ダンジョン報告

翌朝、マチルダさんに別れの挨拶をした後、ロストークの街を後にする。

たった数日ではあったが、初のダンジョンでは良き出会いもあれば、

様々な敵と遭遇したりと、充実した冒険を経験出来たと思う。

そして、偶然にも勾玉を手に入れる事も出来た。

このウルムシュタット王国では、ダンジョンはここにしかないそうだが、

今後、旅先で同じようなダンジョンがあれば、また潜ってみたいと思う。

街の外に出て、人気の無さそうな場所に移動してから、

セティに転移ゲートを唱えてもらう。

行先はビフレストの街。

無事にダンジョンから戻った事を伝え、次の目的地を決めたいと思う。

魔法陣を潜ると、街の外へと繋がっていた。


「てっきり、デニスの屋敷かと思ったよ」

「まだ時間が早いからね。先にギルドで、ダンジョンの素材を卸した方が良いと思って」

「それもそうだな」


城門を潜り抜け、冒険者ギルドへと向かう。

ギルドの中に入ると、冒険者達が我先にと掲示板から依頼を取り、

受付で手続きをしていた。

その中には、受付嬢のラピリスさんが忙しそうに対応している姿もある。

ギルドの奥へ向かい解体所の方へ行くと、ロランさんが道具の手入れをしていた。


「おう、兄ちゃん達戻ったのか。随分と早いな?」

「ええ、さっき到着しましたよ」

「連絡が来ているぞ。ついにロストークのダンジョンを攻略した奴が出たってな」

「もう伝わっているんですね」


確か各ギルドでは、連絡用の魔道具があるって聞いた事があったな。

物凄く貴重な品で、国やギルドしか所有してない代物だとか。

いつか発見出来たら、セティとクリスに持たせてみたらどうだろう?

デニスが許可するならの話だが…。


「それで今日はどうした?もしかして、ダンジョンの品を持って来てくれたのか?」

「ええ。全部は買い取り出来なかったので、ここでお願い出来ないかと思いまして」

「そりゃありがたい。ダンジョンの品は基本的に、その町が買い取る事が多いからな。売ってくれるっていうのなら、みんな喜ぶぜ」

「それじゃ出していきますね。結構数がありますよ」

「おう、なら倉庫の方に頼むぜ。ダンジョン産は質が良いから楽しみだぜ」


ロランさんに連れられ、奥の倉庫で買い取って貰い易い素材を出していく。

24階層で手に入れた名前の分からない亜種達の皮・角・骨・肉などだ。

ロストークのギルドで3分の1程買い取って貰ったとはいえ、

まだかなりの量が残っている。


「こいつは、全部亜種の素材か。随分と珍しいものばかり持ち込んでくれたな。商業ギルドや職人たちが喜ぶだろう。数は多いが、まぁ何とか買い取れるだろう」

「まだ、向こうで買い取って貰えなかった物があるんですが」

「一体何を手に入れたんだ?ギルドが買い取らないなんて事、滅多に無い事だぞ」


ロランさんに残りの品を説明していくと…。


「無理だな。そんな凄い代物、王都のギルドでも買い取らないぜ。収納袋マジックバッグなら買い取れない事も無いが、その手は冒険者必須のアイテムだ。兄ちゃんには必要無いかもしれないが、大事に持っておけ」


結局、どの品も貴重過ぎて買い取り不可能だそうだ。

仕方がないので、これらは当面の間、

異空間収納アイテムボックスで保管する事になりそうだ。

それから買い取り金額は、数日以内にカードに振り込まれる事が

決まった所でギルドを後にする。


「折角手に入れたのに、売れなかったね」

「今の所、金には困って無いから構わないさ。それに、今後使い道があるかもしれない」


特に、死神の衣は洗って臭いが取れそうなら使ってみたいと思っている。

一見、ボロ切れのような外套ではあるが、闇と氷属性が無効化されるという事は、

防寒具の代わりとして使えるかもしれない。

しかも、不死者アンデッドが敵対して来ないというのも魅力的だ。

燃え易いという弱点はあるものの、自動で修復されるとなっている。


「次は何処に行く?商業ギルド?」

「まだ十分在庫が残っているだろうから、暫く大丈夫だろう」

「それじゃ、クリスの所に行こう」


他に用事も無い為、デニスの屋敷へ向かう事にした。

門兵は俺とセティの姿を見て、すぐに門を開き一人が屋敷へ走って行く。

戻って来るのを待ち、屋敷の方へ歩いて行くと、

入り口にはクリス、デニス、そしてフランさんが待っていた。

セティとクリスは再会すると、すぐに屋敷の方へ走って行く。


「おかえり、良く戻って来たな。ラバンから聞いたぞ、ついにロストークのダンジョンを攻略した冒険者がいるとな」

「はは、何とかね」


デニスには話すつもりではあったが、俺達の個人情報は駄々洩れのようだ。


「カルさん、私にも話を聞かせて頂けますか?現役の頃に19階層までは潜ったんです。是非、その先を知りたくて」

「その話は俺も是非聞きたい。ダンジョン攻略者と話す機会など、そうある事では無いからな」


その日はダンジョンで出会った魔物やフロアの形などを話す事になった。

特にフランさんが興味津々で、興奮気味に根掘り葉掘り質問してきた。

地下なのに広大な森があった事、不死者達の集団に襲われた事、

たまたま知り合いに会い、一緒に冒険する事になった事など、

良い出会いもあれば、そうでない事など思い出は様々だ。


「近い内に、陛下から呼び出しがあるだろうな」

「そう言えば報せるって、ロストークのギルドマスターが話していたな…」

「陛下はあのダンジョンに、少なからず因縁があるからな。攻略者とは是が非でも話がしたいはずだ」

「因縁って?」

「・・・本当に何も知らないんだな」


デニスは呆れたように、この国の歴史の一部を話してくれた。

この国が建国されて数百年後。

突如、ロストークの街に現れたダンジョンを攻略しようと、

当時の国王は国中の冒険者達に対し、

ダンジョンを攻略した者には懸賞金を出すと布告を出す。

そして200年前。

勇者率いる一党パーティがダンジョンに挑み、

探索は失敗したものの、生きて22階層から生還する。

勇者はその後、魔王討伐を成功させ、この国に戻って姫を娶り、

国を発展させたと伝えられている。

自分達の先祖が失敗したダンジョンを、

また、初めて攻略した者が現れたのならば、会ってみたいという事だろう。


「うーん、断りたい…」

「そんな事を言うな。陛下はお前達を気に入っておいでだからな、そのお前達がダンジョンを攻略したとなれば、会って話を聞きたいと思っておられるのだろう」


こちらとしては、いつでも転移魔法ゲートで出向けるので、

たまに顔を出しておけば、そのうち連絡が入るだろう。

その日はデニスの屋敷に泊り、夜遅くまでデニスと話す事となった。


今年も残すは一月を切り、2021年が終わろうとしています。


来年はどんな年になるのでしょうね。


はぁ、ガソリンが高い( ;∀;)イヤダー

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