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FoxBoxで異世界放浪記  作者: 風詩
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ダンジョン攻略・其の15

23階層に到着すると、見渡す限りの庭園が広がっていた。

彫刻や壁などが全て黒い石で作られており、

赤い薔薇をつけたつたが絡まって、何とも不気味な雰囲気を醸し出している。


「何だか、気持ちの悪い場所だね」


この空間には、黒い石と赤い薔薇の花、そして棘生えた蔦以外、何も無い。

庭園の中を彷徨う事、数十分。通路の行き止まりに突き当たる。


「もしかして、迷っている?」

「「クゥーン」」


今まで、迷わずボス部屋へ到着していたハクロウとアウランが、

この階層に来てからというもの、目的地を掴めないでいるようだ。

周囲には目印になるものが無く、入り組んだ庭園はまさに迷路。


「慌てなくていい。お前達なら出口を見つけられるさ」

「頑張って」

「「ワォン!」」


元気を取り戻した二匹は速度を落とし、匂いを嗅ぎながら慎重に進んで行く。

すると、今までとは少し違う場所へ到着する。

目の前には広い空間があり、中央の通路の左右には沢山の鎧が立て掛けられていた。


「不自然な鎧だね」

「全くだな。絶対どれか動くだろ」


離れた位置からじっと鎧を見つめるが、動く様子は無い。

しかし、ゲームや漫画の世界なら、何かの拍子で確実に動き出すはずだ。


「それじゃ、少し手間だが、破壊しながらいくか」

「ううん。それより良い方法があるよ。ハクロウ、雷の魔法であの鎧達を攻撃してみて」

「ガウガウ」


バリバリバリッ!!

ハクロウが放った雷の魔法は、目の前にある全ての鎧に向かって降り注いでいく。

雷に打たれた鎧は黒焦げとなり、音も無く崩れていく。


「これで安心して進めるね」

「えげつない事考えるな…」


もしこれが魔物であったのなら、何とも憐れな。

すると、目の前から馬に跨った一人の騎士が姿を現す。

だが、良く見ると騎士本人と、馬の首から上が無い。


「えっと、デュラハンって書いているよ」


※デュラハン

首無し騎士と呼ばれ、本人の首と、跨っている馬の首が無い不死者アンデッド

左手には自分の首を持ち歩いているのが特徴。

そして、相手を指さすと、一年後に相手を殺しにやって来ると言われている。

別名:死を予見する者、とも言われる不吉な存在。


デュラハンは、ゆっくりとこちらへ歩を進めて来る。


「セティはここにいろ!アウラン!行くぞ!!」

「ガゥッ!!」


嫌な胸騒ぎを感じた俺は、アウランに指示を飛ばす。

アウランに全力で駆けさせ、同時にデュラハンに襲い掛かる。

デュラハンは右手で盾を構えるが、

アウランの爪斬撃そうざんげきと、狐徹による渾身の一太刀で、

デュラハンは盾ごとバラバラとなって倒れてしまう。

消え去った後には、ドロップ品として魔石と鎧一式、そして宝箱が現れた。


「急に飛び出すからビックリしたよ」

「すまん。どうしても、こいつを近づけたく無かったんだよ」

「ふふ、ありがとう。それで、その鎧が報酬なの?」

「そうらしいな。鑑定してもらえるか?」

「うん。えっと・・・デュラハンの鎧。…そのままだね」


※デュラハンの鎧(兜無し)

様々な耐性を備えた強靭な鎧。闇への耐性が強く、呪いを無効化する。

また、装備者の体格に合わせ鎧が変化する。


「性能は良さそうだが、呪われたりしないか?」

「うん。そういう事は書いてないみたい。…もしかして、着てみたいの?」

「似合わないか?」

「うん。何か、ヤダ」

「「クゥーン」」フルフル


3人がかりで、そこまで否定しなくてもいいだろうに。まぁ、似合うとは思わないけどさ。

ちなみに、宝箱は罠も無く、中身は宝石が数種類、

ダイヤ・ルビー・サファイア・エメラルド等。

小粒ではあるが傷も無く、30個程入っていたよ。

それから、どうやらこのデュラハンがこの階層のボスだったようで、

広場の中央に魔法陣が現れ、24階層へと進む事が出来た。


24階層へ到着すると、今度は何と石で覆われた部屋の中だった。

そしてその中には、あちこちと魔物達が徘徊している。


「まさか、今度はこれを全部倒さないと先に進めないのか?」

「一杯いるね。ちょっと疲れそう」

「「ガウガウ!」」

「こいつらはやる気十分みたいだな。手分けしてやっていくか」


ハクロウとセティはペアで、自分、アウランの3手に別れ、それぞれ戦う事になった。

他の三人は派手に暴れているようで、あちこちから激しい音が鳴り響いている。

魔法が使えるって、羨ましいな。

さて、俺の相手はっと・・・。

目の前の集団に近づくと、向こうもこちらに気が付き襲い掛かって来る。

この階層には様々な見慣れた魔物がいるようだが、

何だか肌、体毛の色が違うモノが多いようだ。

亜種の類かもしれないが、鑑定が出来ないので名前が分からない。

ゴブリン、コボルト、オーガ、ブル、ボア、蛇と種類が豊富だ。


ドゴーンッ!!

おっと、危ない。咄嗟に躱すが、背後から襲ってきたのは青いゴーレム?

この色からするとミスリルなのか?

以前、王都の学園祭で斬る事の出来なかったミスリルの柱。

まさか、ダンジョンで再び挑戦できる機会が訪れる事になるとは思わなかった。

(※柱が斬れていた事を、本人は知りません)


改訂作業が遅れております。


次話優先なので、もう暫くお待ち下さい(/ω\)

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