「無職」のパーティーリーダーは、ソロになったのに「パーティーリーダー」の職を得ました。
主人公プロフィール
名前:ゲンシス
年齢:18才
性別:男
身長:158センチ(低め?)
体重:60キログラム
体格:痩せ型
黒髪で短髪に目の色がこげ茶系
顔は、自分では普通だと思っているが、周りからは「童顔」た言われている。(うぅーん、納得いかない)
得意のは位置取り(ポジショニングだね)
レベルが上がって分かったが、スピード重視型って感じです。
1 元リーダーは一人で再起を願う
「申し訳ない。」
今日、集まってもらったのは「旅路の癒やし(パーティ名)」の今後について、話すためだ。」
パーティリーダーの俺の発言にみんなは息を呑む。
俺が、パーティリーダーとして活動していた(旅路の癒やし)は、Sランク目前と言われているAランクパーティだった。
ダンジョンを踏破した打ち上げの席で、言うべきでは無いかも知れない。
しかし、「今日言おう。」と決心した以上、言わないという選択肢は無い。
しかし、決心した日に、ダンジョン攻略とかまったく笑うしかない。
本来もっと早く言うべきだった。
それを、先延ばしに先延ばした自分に嫌気が差し、昨夜「必ず告げる。」決めたからには、言うしかなかった。
俺は、「今日をもって、このパーティーを抜ける。」
「始まりの町に戻って、自分を鍛え直す。」
「勝手を言ってすまないが、このままでは、このパーティーの経験値ドロホーと変わらない。」と。
旅路の癒やしは、2年前、始まりの町と言われる「ビギナー」の町で、俺が冒険者登録をした時、幼馴染4人組のパーティーに勧誘され加入して結成されたものだ。
彼等は、当初は4人パーティでダンジョンに挑もうと考えていたらしいが、たまたま、冒険者登録しに来た俺を見つけて、声を掛けた、と後で聞いた。
ここで、パーティーシステムやダンジョンについて簡単に説明する。
ダンジョンは、特殊な空間で
ダンジョン内のモンスターは討伐された際、その身体はダンジョンに還り、討伐証明になる「部位」、成長値である「経験値」、種族ごとに特定の「ドロップ品」を残す。(魔石はダンジョンボス等の特殊なモンスターしかドロップせず、高い収入にはなるが、生活の糧になるような物では有りません。ダンジョン攻略のボーナスみたいな物と考えてください。)
経験値は、討伐レベルが高いモンスターほど、高い経験値を得られる。
という一般的な条件の外、ここが一番の肝だが、
経験値は、モンスター1頭討伐ごとに、個別経験値(モンスターの種類やレベルごとの経験値)✕パーティ人数を討伐功績順に割り振られる。
「申し訳ない。」
今日、集まってもらったのは「旅路の癒やし(パーティ名)」の今後について、話すためだ。」
パーティリーダーの俺の発言にみんなは息を呑む。
俺が、パーティリーダーとして活動していた(旅路の癒やし)は、Sランク目前と言われているAランクパーティだった。
ダンジョンを踏破した打ち上げの席で、言うべきでは無いかも知れない。
しかし、「今日言おう。」と決心した以上、言わないという選択肢は無い。
しかし、決心した日に、ダンジョン攻略とかまったく笑うしかない。
本来もっと早く言うべきだった。
それを、先延ばしに先延ばした自分に嫌気が差し、昨夜「必ず告げる。」決めたからには、言うしかなかった。
俺は、「今日をもって、このパーティーを抜ける。」
「始まりの町に戻って、自分を鍛え直す。」
「勝手を言ってすまないが、このままでは、このパーティーの経験値ドロホーと変わらない。」と。
旅路の癒やしは、2年前、始まりの町と言われる「ビギナー」の町で、俺が冒険者登録をした時、幼馴染4人組のパーティーに勧誘され加入して結成されたものだ。
彼等は、当初は4人パーティでダンジョンに挑もうと考えていたらしいが、たまたま、冒険者登録しに来た俺を見つけて、声を掛けた、と後で聞いた。
ここで、パーティーシステムやダンジョンについて簡単に説明する。
ダンジョンは、特殊な空間で
ダンジョン内のモンスターは討伐された際、その身体はダンジョンに還り、討伐証明になる「部位」、成長値である「経験値」、種族ごとに特定の「ドロップ品」を残す。(魔石はダンジョンボス等の特殊なモンスターしかドロップせず、高い収入にはなるが、生活の糧になるような物では有りません。ダンジョン攻略のボーナスみたいな物と考えてください。)
経験値は、討伐レベルが高いモンスターほど、高い経験値を得られる。
という一般的な条件の外、ここが一番の肝だが、
経験値は、モンスター1頭討伐ごとに、個別経験値(モンスターの種類やレベルごとの経験値)✕パーティ人数を討伐功績順に割り振られる。
という、特殊システムが存在する。
このシステムは不思議なことに、「パーティーの内の一人が倒しても、パーティメンバー全員に経験値が入る」という「わけわかシステム」となっている。
当然、討伐者以外は少ない経験値となるものの、最低限の経験値が入るようだ。
ただ、現在判明している範囲で言えば「5人パーティとしての単独討伐」よりも、「ソロでの討伐」の経験値のほうが低い事が、冒険者の定説となっている。
※ 獲得経験値20の場合
20✕5
の経験値を討伐貢献度順に、平等に割り振られる(割合については不明。)なので、討伐貢献者にはおのずと20以上の経験値が入る事になる。
後は、「5人パーティ」をリミットに、「6人」「7人」と増える毎に、総経験値が下がる傾向にあるようだ。
その事を、知っていた「幼馴染パーティ」が、勧誘を掛けてきたのだろう。
ちなみに、「レベル」は存在するが、冒険者ギルドの「鑑定水晶」でしか確認出来ない。
残念ながら「ステータスオープン」的な、確認はできない。
しかも、鑑定水晶も基本的には「月に1度」だけ「無料」で使えるが、それ以外は、有料となる。
そして、確認出来るのは、
・ レベル
・ 職業
・ 獲得スキル
の3つだけである。
ただ、鑑定不能の「隠しスキル」なるものが、有るとか、無いとか冒険者の中ではまことしやかに囁かれてはいる。これは蛇足だが。
ここからが大事な話だが、「職業」については「レベル1」の段階では、発現しない。
モンスターとの戦闘を繰り返し、経験値を積重ねた先に「職業」は発現する。
但し、「レベル「◯」になったら発現します」「こう言う条件を達成したら発現します」、といった確実性のある物では無く、冒険者の中では
・ 才能
・ 攻撃手段「切る」「殴る」「魔法で攻撃する」等
で、発現すると考えられているが、実際のところは不明だ。
ちなみに、幼馴染パーティは早々に
・ 剣士
・ 戦士
・ 魔術士
・ 回復術士
の職業を得ており、現在では
・ 聖剣士(剣士の最上位職)
・ 重聖戦士(戦士の最上位職)
・ 賢者(魔術士の最上位職)
・ 聖女(回復術士の最上位職)
とジョブチェンジを果たし、現在に至る。
俺?もちろん「無職」ですよ(笑)
もちろん、こんなデタラメなメンバーのパーティは早々居ない(俺を除く(笑))。
だからこそ、Sランク目前のAランクパーティなのだ。
では、何故そんなパーティのリーダーを俺がしていたかと言うと、結成当初「俺が一個年上」であった事や、4人組の中からリーダーを決めると、トラブルになるとの事で、選択肢無くリーダーになったのだ。
その後、仲間が職業を得るたびに、リーダーを譲ろうとしたが、「その内、リーダーも何かの職業を得られるよ。」「もしかしたら、(パーティリーダー)なんてユニークジョブを得られるんじゃね(笑)」「リーダーの指示は的確で戦いやすい。」等々言われ、リーダーポジションを降りれず、現在に至っている。
しかし、指示をする立場上、後ろに位置する事となり、俺は常に「おこぼれ経験値」のみで、レベルアップする事となる。
パーティメンバーは気にしないが、他の冒険者連中には「おこぼれリーダー」「コバンザメ」「パーティの御荷物」と散々である。
しかも、メンバーは気付いていない様だが、魔法を使えない俺が後ろから指示していると言う事は、職業を得る為の攻撃が一切できず、それこそ(パーティリーダー)なんてユニークジョブ(いくつかのユニークジョブは、確認されているが「パーティーリーダー」なるユニークジョブは確認されていないので、仲間のジョークである)でも無ければ、職業を得る可能性は「0」である。
しかし、彼らは「レベルも低く、職業も得ていない俺が前に出るのは危ない」と、指示に徹するよう言ってくるし、仕舞には泣きつかれた。
もちろん当初は、連携も拙く全体を見て指示を出す者が必要だった。
しかし、2年も同じパーティーで戦って来たのだから、今では充分に俺抜きでも連携に不安は無いだろうというところもあっての発言だ。
「で、だ。」「今後は支援術士系か、シーフ系の職業持ちを勧誘して、改めてSランクを目指して欲しい。」「目ぼしい人間を何人か、声掛けしてある。」とリストを渡す。
(もちろん、高レベル冒険者がソロで活動している物好きは居ないので、6人以上で活動しているパーティーに所属している者に、粉を掛けていたのだ)
そして、新たなリーダーは後衛職の「ドイル(賢者)」か、「リズライト(聖女)」が良いだろう。
だが、必ずしもリーダーが指示出しする必要はないので、前衛の「タナス(聖剣士)」や、「ロルナ(重聖戦士)」がリーダーでも構わないが、いざという時に「撤退」等の生命に係る指示を出すのは、後衛のドイルか、リズライトにするように等、助言を与え、口を閉じる。
この間、誰一人口をはさむ事はなかった。
そして数秒の沈黙をはさみ、タナスが一言「ナンデだよう?」と言った後、堰を切ったように、続けて
「俺達に不満があるのか。」
「今まで、うまくやって来たじゃないか無いか。」
「ソロってのは嘘で、どっかの引抜きにあったんじゃ無いか。」
等々不満をぶつけて来た。
「ふうっ・・・」
俺は、ため息を吐いたあと、落着いた様子で返す。
「俺が、最後にモンスターにアタックしたのが、いつか答えられる奴は居るか。」と。
「「「「・・・・・」」」」
誰も答えない、いや、答えられない。
俺は更に告げる。
「1年8ヶ月前だ。」
「ちょうどタナスが(剣士)の職について、前衛二枚が揃ったあの時から、一切戦闘には参加していない。」と告げると、タナスは「っ・・」と息を呑み、それでも諦め切れないのか
「でも、リーダーの的確な指示のおかげで、ここまで死なずにやってこれたし。」
「このままじゃダメなのかよ。」
と、引き留めに来る。
他のメンバーも、頷きタナスに同意を示す。
本当に良い連中と2年間、楽しく冒険が出来て良かったと、しみじみ思いながら、それでも言っておかなければならない。
俺は、改めて、
「今の俺のステータス(具体的な数値としてのステータスは無いが、レベル毎の身体能力の向上は確認されており、当然レベル差によるステータスの差は発生する)じゃ、今後の探索に影響が出る。」
「撤退に俺はもうついて行けない。」
「撤退時に一番力があるとはいえ、重聖戦士のロルナ、年下の女の子に、おぶってもらわないと、逃げることも出来ない位、レベル差が付いているのに気づいているか?」
(一言じゃねーしというツッコミは無しで(笑))
ちなみに、俺を除く4人については「レベル80前後」でS級冒険者の平均が90前後なので、かなり高い方だ。
レベルは99でカンストする訳では無く、100を超えた者も確認されている。
しかし、どこまでで止まるのか、上限は無いのかについては確認されていない。
俺のレベル?笑ってください「レベル28です。(T_T)
そんなレベルが離れてて、高レベル冒険者についていけるのか?と言えば、本来は無理。
ただ、レベリング以外でも、トレーニング次第で、移動や撤退時について行く位は出来るようになる。
しかも、俺が「無職」のままなので、無理な探索をせず、比較的慎重に探索を進めて来たせいか、生命に係る撤退戦は1年以上無かったお陰で、今まではついて行けたのだった。
しかし、今回のダンジョン踏破によって、更に高位のダンジョン攻略が可能となり、今までですら、「ヒーヒー」「カツカツ」でついて行っていた俺は、今後、足手まといにしかならない。
ちなみに、仲間には俺のレベルは知らない。
仲間には、「Aランクパーティーに、低レベルが混じって居るのを知られると、パーティー自体がバカにされる」と言って実際、1年以上鑑定してもらっていない。 ただ、パーティーを抜けると決めた昨日、コソッとギルドで鑑定してもらって現時点でのレベルが28というのは確認済み。(もちろん、泣きました。はい。)
タナス達は離脱については理解を示すも、多少武者修行的な事をすれば戻ってくるだろう的な考えなのか「早くレベルを上げて、戻って来てくれ。」「それまでは4人で探索を続ける。」「席は明けておく。」等々嬉しい事を言ってくれるが、心を鬼にして一言
「それは、愚策だ。」
と切って落とす。
当然である。
そんな事をしたら、入る経験値は下り、探索のペースも落ちてしまう。
逆に、支援術や探知等のスキル持ちが加われば、探索スピードは確実にアップするだろう。
そんなことは、分かっているのだろうが、2年もの間一緒に探索してきたのだ。
今後も一緒にと、考えるのも分る。
しかしだ、50近く離れてしまったレベルはそう簡単には埋まらない。
もちろん、すでに高レベルとなった彼らは、レベルの上がり方も緩やかになるだろうが、今後、高レベルのダンジョンに挑戦する彼ら、初心者ダンジョンからやり直す俺、多少レベル差が埋まったとしても、共に戦う未来は無い。
俺は、更に留めを刺す。
「俺のレベルは28だ。昨日ギルドで確認したから間違い無い。」
「今後、同じ道を歩くことは二度と無い。」
「後ろをボチボチ付いていくから、どんどん先に行ってくれ。」
「今後の活躍におおいに期待している。」
「失望させてくれるなよ。」
と活を入れた。
どうにか納得(無理やり飲み込ませた?)させ、ダンジョン攻略の細やかなパーティーをして、パーティーを去った。
2 再起の時
移動を含めて数日後、俺はビギナーの町に着いた。
懐かしい風景にほっこりしながら、ギルドへと歩いて行く。
この町を離れてて1年半も経つので、声を掛けてくる者は居ない。
冒険者は、入れ替わりが激しい。
更には、始まりの町と言われるくらいのビギナーは、レベルが上がれば次の町に移動して行く。
大体の者が、1年か1年半も居ればこの町を卒業して、次の町へと移ってしまうし、それ以上となると、冒険者を諦めて別の仕事に就くのがほとんどなので、知り合いが居ないのも、当然と言える。
旅路の癒やしが、半年でこの町を離れたのは、かなり異常な事で、当時は騒がれたものだ。
そんな事を考えながら歩いていると、冒険者ギルドのある場所に着いた。
建物を見上げて「えっ」と思わず、口に出てしまった。
本来であれば「変わらねーな」とかが口に出そうなところが(えっ)である。
何故なら、変わってました。
ピッカピカの新築物件に。
思わず看板を確認したが、はいっ冒険者ギルドです。
思わず、こそっと入り口を入ってしまった。
中も、もちろんピッカピカの新築です。
しかし、若い(2年くらいしか変わらないけどネ)冒険者達が、ガヤガヤと話をしているのを見て、ちょっとほっとする。
だって全然変わっちゃってるんだよ。
ピッカピカだよ。
しかも、ちょっとオシャレになってるし。
シゲシゲと中を見ていると、女性の声が耳に入ってくる。
「ゲンシスさん」「ゲンシスさん」「ゲンシスさ〜ん」と誰かを読んでいるようで、見ると、受付嬢のジョルスさんだった。
ジョルスさんは、駆出しの頃にお世話になった受付嬢さんだ。
誰を読んでるのかなぁと、周りを見廻すが、特に反応する者は居なかった。
ジョルスさんは、「もうっ」と口にして、受け付けカウンターから出て来て、コチラに歩いて来る。
俺の目の前で「無視はないでしょっ、無視は。」とはジョルスさん。
近い近いです・・・
「えっ無視した。」と口に出して、はたと思う。
あっ俺の名前「ゲンシス」だった。
旅路の癒やしでは、みんな「リーダー」としか呼ばず、ギルドでの受け付け業務も「リーダーまかせばかりじゃダメ」と、4人が持ち回りでやってくれていたし、親しかった冒険者も「よう」とか「おう」とか話しかけて来たので、リアルに自分の名前を忘れかけていた。
と、言う事で俺の名前は「ゲンシス」よろしくね。
ジョルスさんに、「悪い悪い、リアルに自分の名前を忘れかけていた。」
「無視した訳じゃないぞ。」とフォローにもならない事を告げると「はぁ〜、どうやったら自分の名前を忘れられるんですか。」と呆れ顔のジョルスさん。
「ん〜1年半ほど、名前を呼ばれなかったらなるかなぁ〜」と真実を話す俺。
だってみんな名前呼ばなかったもん。
「何、訳のわからないコトを」とジョルスさん、更に「ところで、他の皆さんは?」と聞いてきた。
俺は、ここに来た経緯を説明し、再登録をお願いした。
原則、冒険者はパーティー毎にランク登録されるが、ソロになったり、解散し再結成したパーティー等は「レベルや討伐実績」をギルドが審査し、再登録する。
俺は、レベルが28あったので、辛うじてDランク登録となった。
本来であればCランク辺りが妥当だそうだが、ネェ〜俺、討伐実績ほとんど0だからねっ(笑)、ホントおこぼれ経験値でも、もらってて良かったよ。
ちなみに最低ランクは「F」です。
3 ダンジョン考察
ビギナーの町の周りには3つのダンジョンが、それぞれ「初級」「中級」「上級」に別れており、名前は無い。
他の町のダンジョンも名前は無く、中級が2つ以上ある場合は「中級1」「中級2」と雑に別けている。
ちなみに、町ごとにランク分けしており、町ごとのランクがある。
ここ、初心冒険者の町「ビギナー」の町、次に「ミドルタウン」「ハイタウン」の順に続き、「ラスト」の町に、最高難易度のダンジョンがと、冒険者達は町を移り住みダンジョンを攻略していく。
どうして、同レベルのダンジョンが町ごとに都合良く出来ているのかは謎である。
で、Dランクの俺は一応上級ダンジョンまで入れるが、ギルドのルールで中級までしか入れない。
Dランクパーティーと、Dランクソロでは当然戦力が違う訳で、ソロだと一つ下のダンジョンまでしか潜れません。はい。
と言う事でビギナーの中級ダンジョンに潜りました。
3 ダンジョンでの再起
正直、ここの中級ダンジョンは美味しい。
「ホーンラビット」や「ジューシーボア」、何故か和名の「赤牛」等、肉をドロップするモンスターが多いのだ。
肉は、買取りが良い上に、食料としても重宝する。
ちなみに、初級、上級は肉はドロップしません。
と言う事で、一階に到着しました。
4 えっ何が起きたの?
しばらく探索していると、はい、居ました「ホーンラビットさん」でぇ〜す。
ホーンラビットは「角の生えたウサギさん」ですね。
さくっと片付けましょうね。
はい、「さくっ」と一撃ですね。
ドロップ品は何かなぁ〜なんて近づいていると、
頭の中で
「ポーンっ」
と音が鳴り、「はぁっ」と声が出てしまった。
今まで、そんな事は一度も無かったし、聞いた事もない。
しかも、頭の中で鳴ったのが、何故か感覚的に分かってしまった。
しかし、それで終わる事はなく、続けて
『職業〘パーティーリーダー〙を取得しました』
『パーティーリーダー取得に伴ない、〘スキル:経験値MAX〙、〘スキル:パーティー把握〙〘スキル:ステータスオープン〙を取得しました』
『1年以上、戦闘行為が無い状態からの初戦闘をノーダメージでクリアーしたボーナスで〘スキル:鑑定〙を取得しました。』
『1年以上、リーダーとして一切ダメージを与えなかった事から、救済措置として〘経験値微増〙を取得しました。』
『ユニークジョブ取得に伴い、〘スキル:無限収納〙と、以下のスキルの内、1つのスキルを取得出来ます。
1 筋力強化(小)
2 パーティー通信
3 パーティー強化(中)
なお、スキル選択は任意のタイミングで取得可能』・・・・・
やっと終わった。
何、今の。
ホーンラビットのドロップは「肉」でした。
ちなみに、ダンジョンあるあるでドロップが肉の場合は、拾うまで汚れないという便利機能付き。
もちろん、拾った後は普通に汚れます。
俺は、肉用の小袋にドロップ品を入れ、とっとと引き上げました。
だって、このままだと気持ち悪いし、かと言って、モンスターが徘徊するような場所で検証するなんてネェ〜。
5 いよいよ検証です。
宿に部屋を取りました。
さてと、検証しますかね。
とは言え、さっきのメッセージ的なのが終わってから、「確かめるなら『ステータスオープン』する事。」と、何故か感覚的に分かっているという、気持ち悪い状態が続いている。
宿の中とはいえ、「ステータスオープン」なんて恥ずい事言えないので、心の中で『ステータスオープン』と唱える。
すると、目の前に文字が見えて来る。
6 ステータスはどうよ
名前:ゲンシス
職業:パーティーリーダー(ユニーク)
レベル:28
スキル:〘経験値MAX〙〘パーティー把握〙〘鑑定〙〘無限収納〙
※取得前スキル:〘筋力強化(小)〙〘パーティー通信〙〘パーティー強化(中)〙
その他
経験値微増
と表示されている。
ステータスオープンについては、表示スキルの対象外と、何となく理解させられている。
更に、「鑑定」があるせいか、そもそもの使用なのかは分からないが、何となくスキルの内容も分かり、それぞれ
〘経験値MAX〙
パーティー編成が4名以下でも、6名以上でもMAXの経験値が入る。
〘パーティー把握〙
パーティー全員のステータスが、自分と同様に確認出来る。
〘鑑定〙
対象の「名称」「使用方法」「レア度」が確認出来る他、モンスターのレベル、脅威度が判明する。(危険無し《青》から黄色をを経由し、オレンジ位から脅威対象となり、危険《赤》の範囲で無段階表示される)
対人には、使用出来ない。(但し、悪意をもって対峙した者は対象となる)
〘無限収納〙
特定したバッグ等を収納力をアップさせる。
無限とあるが、実際はバッグの容量の1万倍程度。
入り口の1.5倍程度の物まで収納可。
重量軽減(重量軽減率98%)
※取得前スキル
〘筋力強化(小)〙
筋力を2割程度上げる(常時発動)
〘パーティー通信〙
パーティーメンバーと通信が出来る。(半径200キロメートル程度)
〘パーティー強化(中)〙
パーティーメンバーの「筋力」「速度」「防御」「発動魔力」を5割程度上げる。(発動時間10分、クールタイム30分)
といった感じである。
ちなみに、脳内メッセージについては、不明。
何かの「スキル」に由来しているのか、隠しスキルかも、俺の中の「何となく分るくん」に反応しない。
あっと「何となく分るくん」は、特に説明を受けなくても分る感覚につけた名前。
にしても、「何じゃこりゃ」である。
ソロの俺は、今後経験値5倍プラスの、経験値微増(詳細不明)って、どんだけ成長出来るんだよって話。
早速確認に行きたいが、もう大分日も傾いており、現場検証は明日とした。
しかし、「鑑定」は検証出来る。
さて、ベッドを見て「鑑定」
ベッド
寝具
かなり古いようだ
と、鑑定結果を伝えてくる。
ってか「かなり古いようだ」って何、「ノーマル」とか「レア」とかじゃないの?
とか、考えていると「何となく分るくん」が反応、中古品などで、レア物以下の場合の表示らしい。
ちなみにレア物でも
レア、但し壊れ掛けている
等、レア度だけでは無く、状態も教えてくれるらしい。
何気に便利。
俺は、夕飯まで鑑定をつづけた。
そして、夕飯を食いに食堂に行き、夕食に出てきた、何かのステーキに鑑定を掛け
ジューシーボアのステーキ
食べ物
鮮度(中)味(普通)
との事であった。
ふ〜んと思っていたら「ポーンっ」て音が鳴り、続けて
『鑑定のレベルが上りました。』
『鑑定可能な対象が増えました。』
と、メッセージが流れた。
えっレベル上がるの?と思いステータスウインドーを開くと、別に〘鑑定〙は〘鑑定〙のままだった。
あれ、変わって無いジャンと思っていると「何となく分るくん」が、いい仕事してくれた。
いわく、レベル表示は無いらしい。
ただ、ある程度レベルが上がると「上位のスキル」にクラスアップしたり、派生スキルを覚えたりするらしい。
更に、スキルの組合せとスキルレベルが条件で「ユニークスキル」が発生したりする。
また、「職業」から発生したスキルは、レベルが高い状態で発生する事が多いそうな。
「何となく分るくん」何気に優秀。
て、そんなの聞いた事無いんですけど。
その後、鑑定しながら食事を済ませて部屋に戻るも、レベルはりませんでした。
7 現場検証しました。
翌日、ダンジョンに潜り、鑑定をしながら、狩りを続けました。
ちなみに、ホーンラビットさんを鑑定すると
ホーンラビット(青字)
レベル10
といった感じで「名前の色」で、危険度を表すようだ。
ちなみに、「青緑」が鑑定モンスターの最高危険度で、サクサク進みます。
8 お金は、大切
お金について、話して行こうと思う。
お金の単位は「ウェン」で、宿に一泊して、3,000ウェン。
朝夕の食事付で4,000ウェンと日本の「円」と同じ位の感じだ。
但し、石鹸等は高級品で、なんと1個5万ウェンとびっくり価格。
俺は、転生者とかじゃ無いんで、普通の感覚なんだよねぇ〜。
硬貨は、
鉄貨 10ウェン
銅貨 100ウェン
銀貨 500ウェン
小金貨 1,000ウェン
金貨 10,000ウェン
大金貨 10万ウェン
白金貨 100万ウェン
となっていて、金貨だけは商業ギルドの発行する「金貨預かり証」が流通している。
また、冒険者以外は「商業ギルド」に、冒険者は、「冒険者ギルド」に「貯金」する事が出来る。
実は俺、そこそこ金持ちなんすよ。
そもそもが、攻撃しない後衛職であり、元のパーティー「旅路の癒やし」は、俺以外は、職業を貰うのも早く(何せ4ヶ月で、戦闘不要になる位だからネ)スキルもバンバン取っていたし、俺が抜ける時点でも全員が「スキル」「ユニークスキル」のデパートと言われるくらいだった。
なので、装備品の消耗も少なく、収入が多かった我ら旅路の癒やしは、装備の全てを買い治せる程のパーティー資金を持っていた。
で、本来なら引退しても暮らしていける位の金は持っているのだ。
でも、冒険者稼業は楽しいからネ。
辞めませんよ。
9 スキル
ここでついでに、スキルについて簡単に説明しようか。
スキルについては、所謂「条件達成型スキル」と職業を得た時に発生する「ジョブスキル」に分けられる。
と言っても、今は「何となく分るくん」のせいで、常識一変状態なんだけどネ。
まぁ気を取り直して「条件達成型スキル」は、まず素質や鍛錬によって蓄積さらる「基礎値」に、実戦において剣や魔法を使った攻撃によって蓄積される「実戦経験値?」によって発生すると考えられている。
これは、冒険者登録時の鑑定水晶による、鑑定時に「スキル持ち」がいた事が無い事がついて原因となる。
ただ、初期のスキルの出現時期については、個人差があり、早期に出現する者の多くが、登録前に、発現スキルに呼応する鍛錬をしていた者が多かった事からの判断である。
しかし稀に、そういった経緯無く早期発現した者もおり、現時点では「素質」プラス「鍛錬」によって発現するとの考えが主流となっている。
これは、「職業」にも適応される。
もちろん「スキル」や「職業」がモンスターを狩る前に、発現する可能性を指摘する者も少数派として存在するが、恐らく負け組になると俺は考えている。
思い出して欲しい。
俺は、初心者の町ビギナーの中級ダンジョンで、1年8ヶ月ぶりに、ホーンラビット1匹を倒しただけで「職業」や「スキル」を得た。
これが何を意味するか?
おそらくだが「職業」や「スキル」を取得する条件はそれぞれあるだろう。
しかし、発現条件は「自力でモンスターを倒す」若しくは、最低限「モンスターに攻撃を加える」事は必須なのではないか、という事だ。
もちろん、俺の仮説であるが。
その後、ダンジョンで経験値稼ぎに勤しみ、「50」まで上りました。
一週間位ですよ。
まじ、半端ないよ、「経験値MAXさん」と「経験値微増さん」のコンボは。
2年掛かって「28」までしか上がらなかったのが、一週間ですよ。
むしろ、引くんですけど。
ギルドには報告してないけど、何時までもDランクのままじゃ色々不都合が出て来るので、一ヶ月後には再鑑定してもらう予定だけど、絶対鑑定水晶のエラーと思われるよ。
続くかは、不明。
とりあえず、地味にやって行きます。