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街の中へ


それから約2時間かけてグラン帝国…その城下町を守るために城壁へとたどり着いた。


ちなみに今回の救出作戦では終始、馬などの移動手段を使っていない。

移動速度は格段に落ちるが、それよりも救出作戦自体が漏れることを嫌ったためである。


「ふぅ~…やっと帰ってこれたな…」

「お疲れ様でした、アリーシャ様…無事に帰還できてなによりでした」


やっと帰ってこられたことへの安堵で思わずつぶやいてしまったアリス、そしてそれに対し嬉しそうにダリウスが言葉をかけた。


みなで歩いて城壁にある門へと近づく、城壁も立派だが門を非常に大きく何人もの人が一度に通れるほどだ。馬車がすれ違うことがでいるほど道の広さも余裕がある。


日が暮れはじめた門には人の気配は少なく、門の警備をしている騎士の姿が何人か見られる程度だ。

そのうちの1人、槍を構え門の入り口でこちらをうかがっていた男が大きな声で質問を投げかける。


「…こんな日暮れに何用だ!?見たところ商人には見えぬが…こちらの質問に対し、答え次第ではこの門を通すことはできんぞ!」


馬車はもちろん、荷物もほとんど無く十数人が日暮れに歩いて近づいて来るのだ…怪しむなと言うほうが無理な話しである。

話しかけてきた騎士の男のほかにも、門の警備を任されている騎士の人たちが警戒しているのが分かる。

先ほどまでに比べ、目に見える人数も増えている…おそらく休憩所などにいた者たちも出てきたのだろう。


警戒している門の警備たちにダリウスがゆっくりと、静かに近づいていく。


「そこで止まれ!それ以上近づいた場合、問答無用で拘束する…ぞ…」


ダリウスの接近に更に警戒心を強くし、それ以上近づくなと警告を飛ばす警備の男、おそらく警備の責任者、だったが…近づいて来るダリウスの顔を確認したことによりどんどん声が小さくなっていった。


「…ダ、ダリウス副団長!?なぜあなたがっ!?し、失礼しましたっ!!総員!警戒を解けっ!!」


責任者の騎士の言葉に、警戒していた者たち全員が直立不動になり、左腕を胸の前でまっすぐに伸ばし敬礼をする。


「極秘任務中だ、すまないがこちらの1人と共に至急王宮へと連絡を取って欲しい。また、我らが今来たことは内密に頼む」

「はっ!!了解いたしました!おいっ!王宮へ連絡に1人走らせろ!」


さすが第一騎士団副団長、ダリウスである。騎士団の訓練教官も務めているためその顔は広い。

ダリウスの願いにすぐに応える警備責任者。


「あぁ、それとなにかコートのようなものがあれば、数点貸していただきたい」

「防寒用のコートであればございます!そちらでよろしいですか?」

「十分だ、頼む」

「はっ!」


ダリウスがフードを必要としたのは自分たちを…なによりもアリスの姿をできるだけ隠すためだ。


「ランディ…一緒に王宮にいき、状況を報告してきてくれ。それと私の名前でいいので幾ばくかの金銭を借りてきてくれ」

「はっ!!」


救出隊の1人であるランディに一緒に王宮へと行き報告するように命令を出す、そのままランディは警備の1人と共に先に王宮のある方向へと走って行った。


ダリウスたちは警備責任者からフード付きのコートを借り受け、きっちり頭まで隠し王宮へとゆっくり向かっていく。

ゆっくり向かうのはランディが王宮へと状況報告をするための時間調整のためだ。


「アレン殿、報告が済み次第、ランディが戻ってきますのでそれまでゆっくり王宮へ向かいながら街を見て回りましょう…と言ってももう日暮れなので見づらいとは思いますがね」

「ありがとうございます。ダリウスさん」


アレンのために街を見せてくれるそうだ。


「ふふっ…暗くて助かったな、なんとかわたしのこともバレずに済んだようだ」


門から十分離れたことを確認し、アリスが笑いながら声を出した。

どこか楽しそうな雰囲気をだしている。


「普通は隠れて門を通るなんてことはしないからな…ちょっと楽しかったよ」

「…なるほどね」

「さてと、アレン…王宮に着くまでちょっとした街の案内をしよう」

「あぁ、頼むよ」


アリスは嬉々としてアレンへ街を案内し始めた。


「あっちに行くと冒険者ギルドがある、ちなみに冒険者登録するには最初に金が必要になる、あとでランディが金を持ってくるだろうから明日にでも登録するといい」

「ここは定食屋だ、冒険者ギルドでも食えるんだがこっちの方が美味いぞ」

「こっちは武器や防具、装飾品を扱ってる店が並んでいる。今はもう店じまい間近だからここも後で見てみるといい」


アレンは楽しそうに説明して回るアリスの後ろをついて行った。

石造りの建物を、そして大きな建物を初めてみるアレンは興味深そうに周囲を見ていた。

そんなアレンを見て更に楽しそうに笑うアリス。


「ははは、ずいぶん興味深そうに見ているな…やはり珍しいか」

「あぁ…見たことないものばかりだよ、すごいな」

「森とはいろいろ違うからなぁ…重ね重ねすまないアレン、状況が整理できるまで放置してしまうことになって」

「それはもう大丈夫だって言っただろ?」

「そうだな…そういえばアレンは金の使い方は大丈夫なのか?」

「実際には使ったことはないけど、両親からそういった教育は受けてるから大丈夫だ…たぶん」

「…少し心配だが…騙されて一文無しにならないようにな」

「そんときは外にでて食いものでも探して生きとくよ」

「実際にできそうだもんな、アレンなら」


アレンの言葉にアリスどころか、他の騎士団のみなも苦笑いしていた。


そこにこちらに向かって走ってくる影が見えた。

王宮へと報告に行っていたランディが戻ってきたのだ。




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