表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/61

帝国に着く前に


グラトニー・アントの突然の発生により、その対処に丸一日…その後の怪我などの対応に更に一日をかけた。

そして森を再出発してから合計で5日をかけ…アレンと騎士団の面々はようやくアリスの母国、グラン帝国が見える場所まで来ることができた。


禁断の森を抜けるのは予想していたよりも簡単であった。

理由は言うまでもなく、グラトニー・アントの大量発生が原因だ、兵隊蟻が手当たり次第に獲物を求め捕食していったので森の魔獣の数が一気に減ったのだ。


もちろんグラトニー・アントより強力な魔獣は生き残っている…その数も少なくはないが、クイーンを失った兵隊蟻が元のビック・アントに戻り、それを逆に捕食したおかげでわざわざアレンたちを襲って喰らおうという魔獣がいなかったためだ。


みな、疲労感がにじみ出ているが帝国を前にしてどこか安堵した表情を浮かべている。


「…もう少しだな、一度休憩するか。ダリウス!みなに休憩を!それと情報を整理したい、王に報告することも含めてな」

「はっ!総員、小休止!並びに情報共有を行う!周囲を警戒しつつ円陣を組め!」

「「「はっ!!!」」」


アリスの指示に従い周囲を警戒しつつも休める態勢になる団員だち。

アリスの周りに円形に集まり、腰を落とす。


なお、今の団員の恰好は冒険者風だ…アレンが回収し、グラトニー・アント戦で騎士団の人たちに返した帝国の鎧はアレンの空間魔法で収納してある。

騎士の鎧をまとい、そのまま帝国へと帰れば必ず目立つ…そしてそういったことは瞬く間に噂として広まるだろう、内々に行動をしていたダリウスの苦労を無に帰すことを鑑みての事だった。


「さて…みな、ここまでご苦労だった。帝国まではあと数時間といったところだろう。国に帰ったらゆっくり休めるぞ」


アリスの言葉に嬉しそうな顔をする騎士団の面々。


「王への報告はわたしとダリウスがする…王城まで一緒にいった後は騎士団の詰所にて休むがいい、その後は追って伝えることにする」

「「「はっ!」」」


「アレン」

「…俺もそこらへんにいた方がいいか?それとも付いていくか?」

「…申し訳ないが、いきなり王城に入ることはできないだろう。わたしが王へと報告し、状況が整理でき次第、王城へと呼び出されると思う」

「まぁそれが普通か」


アリスの命を救ったとはいえ、どこの誰とも分からないやつを王城へと招くことはしないだろう。

さすがに森育ちのアレンも分かっていた。


「それまでは城下町で待機してもらうことになる…面倒を見ると言っておいて、すまない」

「いや、大丈夫さ…せっかく森から出たんだ。いろいろ楽しみながら見て回って気長に待ってるさ」

「助かる…しかし、呼び出しにいつまでかかるか分からない、当面の生活費は後で騎士団の誰かを先行させ、帰還の報告と共に持ってこさせよう」

「ありがとう…あ~それと、なにか自分で稼げるようなことってないか?さすがに金だけ貰ってただ過ごすのもなんだかな」


苦い顔しながらアリスの質問する。

さすがに生活費だけ貰って生活というのは、今まで自力で生きてきたアレンにとっては受け入れられないものだった。


「ふふ…そうだな、それでは冒険者登録をするといい!冒険者登録をすればさまざまな仕事や、それに合った報酬を自分で選ぶことができる。アレンには持って来いかもな」


一瞬呆気にとられていたアリスが口に手を当てつつ笑い、その質問に答える。


「冒険者…って魔獣討伐とかだよな?」

「まぁそれも一つだな、他にもなにかを採取してくるとか…街中での仕事もあるぞ」

「へー、けっこうおもしろそうだな。それじゃ俺は冒険者やりつつアリスを待つ事にするよ」

「すまないな、できるだけ早く迎えに行く」


申し訳なさそうに言うアリスに対し、終始笑って答えるアレン…アリスたちと離れることは確かにさびしい気持ちもあるが、会えなくなる訳ではないし、なにより帝国に付いてからの生活を楽しみにしていた。


「…アリーシャ様、そろそろ」

「そうだな、よし!みな!出発する!もう少しだ!あと少しがんばれ!!」

「「「はっ!!」」」


アリスたちの、そしてアレンの当分の行動や生活を整理し終えた一行はまた帝国へと向け歩き出した。

みなの顔には自分の国に帰れる喜び…アレンには森から出て初めての国での生活に対する期待で、嬉しそうな表情が浮かんでいた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ