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女王蟻との戦い1


倒れ込むようにして女王蟻へと肉迫するアレン…それに対し女王蟻はその巨体に反し素早く反応、前脚の片方を持ち上げ素早く振り下ろしアレンを潰そうとする。


巨体だけに脚一本でも十分な脅威である。

振り下ろされた脚をなんなく躱し、剣の切れ味を上げ、その脚へと切りかかる。


「【付与・斬鉄】ッ!!」


ギイィィィンッ!


「硬った!!なんて硬度だ!手が痺れる!!」


アレンの放った斬撃は脚をしっかりとらえたが、切り裂くことは叶わず…いともたやすく弾かれてしまった。あまりの硬さに手が痺れたアレンは悪態をついた。


「ギギギギギギィィィィ―――――――ッ!!!!!」


ドスンッ!ドスンッ!!ドスンッ!!!


傷はついていないが脚に攻撃されたことにいら立った女王蟻が前脚2本を使い、さらにアレンに追い打ちをかける…あまりの攻撃の重さに地面が揺れ、土煙があがる。


「おっと!!さすがにそれで潰されたらひとたまりもない…なっ!」


脚の位置をしっかり見極め…土煙も利用して姿をくらまし、攻撃を避ける。

さすがのアレンもあの威力で潰されてしまえば死ぬ他ない。

しっかり避けながら振り下ろされる脚に対してしっかり斬撃を加える…


ギィィン!ギィィン!!


が、そのことごとくが硬い甲殻に弾かれ切り裂くには至らない。


「…脚は硬くて刃が通らないか…なら!全身剣が通じないのか試してやる!!【付与・疾駆】ッ!」


己のスピードを更に上げ、女王蟻に凄まじい速さで走り寄り…スピードを落とすことなく切り抜け、走り、さらに切り抜ける…それをひたすら続け、女王蟻の全身を切りつけるアレン。


ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!


「ギギ…ギギギギギギッ!!!」


自慢の甲殻でアレンの斬撃を弾いてはいるが、己の体にまとわり付き攻撃してくる敵をうっとうしく思い振り払おうとする女王蟻…体を動かし、腕を振り上げ巨体に見合った大暴れをする。

そして振り下ろされた前脚を蹴るようにしてアレンが跳びあがる。

跳び上がった先は女王蟻の目の前…その顔へと二振りの剣を交差させるように振り下ろす。


「オラァッ!!」


ギィン…ブシュッ!!


「ギィィィィイイイイイィィィ――――――ッッ!!!!!」


振り下ろされた剣のうち、その一つが女王蟻の片方の目を切り裂いた。

さすがに眼までは甲殻ほどの硬度がなかったのだ。

あまりの痛みに絶叫し、更に暴れる女王蟻…アレンはそれに巻き込まれないように女王蟻の体を蹴り、後方へと跳び、地面へと着地する。


「さすがに眼は切り裂けたか…やっと攻撃が通ったな」


切り裂いた方の剣を見つつ、初めて攻撃が通ったことを確認するアレン。

そのまま追撃すべく走り寄る…だが、そこで女王蟻が脚での踏み潰し以外の攻撃方法を見せる。

少し顎を引いたかと思ったら、黄色い液体を大量に吐きだしたのだ。


「ツッ!?あぶっ!」


そのまま黄色い液体に突っ込みそうになったアレンは焦ったように方向転換…横っ飛びにその液体を回避する。


ジュオッ!!


先ほどアレンがいた場所へと黄色い液体が落ちる…そして瞬く間に地面が溶け、陥没した。


「…蟻酸…か」


完全には避け切れなかったのだろう…腕の部分の服が溶け、皮膚にかかったために火傷のような痛みが走る。少量だったからいいものの、万が一頭から浴びてしまえば跡形もなく溶けてしまうだろう…それほど強力な酸だった。


女王蟻はアレンに向かってさらに蟻酸の塊を吐き出す…今度は先ほどのように大量にではなく、少量を弾丸のようにして次々と吐き出す…溶かす面積は少なくなるが飛んでくるスピードが上がった…それはまさしく酸の弾丸と呼べるだろう。

その弾丸として吐き出された酸の大きさとてアレンの頭を溶かしつくすには十分な量が込められていた。


「くっ!やっかいな!攻撃っ!をっ!!」


悪態をつきながらそのすべてを避けるアレン…剣で切り裂くことも考えたが、さすがに溶けない保証が無いため避けることを優先したのだ。


アレンはそのスピードを活かし、広間を縦横無尽に駆け、酸の弾丸を躱し続ける。

岩陰に隠れ、盾にし…壁を走り、天井を足場に跳び、かすることなく躱し続けた…そして躱している間も女王蟻からは一切目をはなさず観察し考え続けていた。


一度切られたことで近づかれることを警戒してるな…酸による攻撃で近寄らせないようにしているのがその証拠。

酸は尽きるのか?それともずっと吐き続けられる?体のどこに酸を持っている?


そんな考えをひたすらめぐらせながら壁を蹴り、大きく跳びながら酸を躱すアレン。

そして女王蟻の変化に気付く…。


「あれは…」


女王蟻の腹部の部分が大きく波打っているのだ…先ほど攻撃した時の甲殻の光沢も無く、見た目では十分剣の刃が通りそうに思えた。

大きく女王蟻の腹部が波打ったその瞬間、アレンに向かって酸の弾丸が飛ぶ。

その攻撃に慣れてきたのか、余裕を持って躱したアレンは1つの仮説をたてる。


「…酸を急遽(きゅうきょ)作っているのか、そのために腹部の動きが活発になった…そして酸を作るためには腹部を柔らかくしその機能を活性化させる必要がある?…ならあの波打つような腹部の動きも納得がいくな、硬いままあの動きは無理だろう…」


酸を吐き出し続け、アレンを溶かし殺そうとした女王蟻…短期間にあまりに大量に酸を吐き出したため、貯めていた分がなくなり急遽、酸を作る部分を活性化させ無理やり酸を吐き出している。


そう結論づけたアレンは二振りの剣を握り直し、酸の弾丸を吐き出し続ける女王蟻に向かい…弾丸に負けないほどの速さを持って地面を走り肉迫していった。






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