アリスとダリウスの会話2
「こんな結界張れるなんてアレンさんて何者なんでしょう?」
エイミーが呆然としながら呟いた。
結界を見ながら黙っていたダリウスが1人の騎士に質問を投げかける。
質問をした相手は魔法が得意な…主に後衛担当のレイモンドである。
「…レイモンド、おぬしならこれほどの結界を張れるか?」
「…俺には無理ですね…俺が張れるのは一般的な【矢除けの結界】だけですし、魔法自体も詠唱しなければ形になりません。正直、無詠唱でこれを張れるアレンさんは化け物ですよ…我が国の賢者なみの魔法技術です」
「…そうか」
レイモンドの答えを聞き、改めてアレンという少年の規格外さを実感するダリウス。
「アリーシャ様…アレン殿の強さについてなにか知っているのですか?」
「わたしも聞いたのだがな…この森に暮らしているとこのくらいの強さは普通だよ?って感じの答えを返されたよ…軍隊狼の群れを軽く殲滅しておいてな」
「軍隊狼…群れの大きさによってはAランクに指定されている魔物…」
「ふふふ、びっくりするだろ?まぁこの禁断の森でずっと暮らしてきたみたいだからな…あの強さも頷けるが」
「えっ!?この森でですか!?」
「ばかな…ありえん」
わたしの言葉にエイミーやダリウス、結界に目がいっていた他の騎士までもが振り向き驚きの声をあげた。
無理もない…こんな立ち入り禁止区域に指定されるような危険な場所に人が住んでいられるわけないのだ。
実際にここにいる面々は森の魔獣と戦っているのだから尚更信じられないだろう…。
「だが事実だ…この森で1人で…いや狼のコハクと共にずっと暮らしてきたらしい」
「そういえばあの狼も…魔獣ですよね?なぜアレンさんと行動を共に?」
「昔、コハクが小さいころに出会い、それ以来家族同然で育ってきたらしい」
エイミーの問いに答える。
「コハク…あの狼も相当強いのでしょうな…正直体が竦みましたからな」
「ははは!第一騎士団で゛鬼教官゛の名を欲しいままにしているダリウスからそんな言葉が聞ける日がくるとはな!」
「…私は普通に訓練を施しているだけです」
「そうなのか?他にも゛歩く鬼訓練製造機゛や、゛実はこの人がSランク指定大魔獣゛なんかも聞いたことがあるぞ…あとは」
「ちょ、ちょっと!だだだ、団長!?その話は!!??」
「わーーーーーっ!!!わーーーーーーーーーーっ!!!!??」
わたしの話を近くにいたレイモンドやランディが止めに入った…い、いきなり大声を出すな!びっくりしたじゃないか…いったいなんだと言うのだ!?
「ほう…その話は初耳ですね…詳しくお聞きしても?」
「お、おう?それは構わんが…なぜそんな殺気立っておるのだ?」
わたしを含め冷や汗がでるほど殺気立っているダリウス…ランディたちにいたっては倒れそうなほど蒼い顔をし震えている。
「…いえ、アリーシャ様が気になさることではありません。それよりも…ランディ、レイモンド…」
「「は、はひぃっ!?」」
「…帝国に帰ったら訓練をするぞ…変なことを言う体力がなくなるまでな」
「「…は、はひ」」
なんだか泣きそうな雰囲気を漂わせている2人…大丈夫なんだろうか?疲れているのか?
この森を必死に抜けてきたのだ…疲れていても仕方がない。
「みな、疲れているようだな…アレンが帰ってくれば美味い飯が食えるからそれまでの辛抱だ!食べたことがない食材ばかりだが、味は絶品だぞ!!」
暗くなった雰囲気の中、みなの士気を上げようと食べ物の話を振ってみたが…みなの表情が晴れることはなかった。
明日、明後日は投稿できません。
土曜日に次話を投稿いたします。




