アリスとダリウスの会話1
1つ前にアリスとダリウス達の会話を入れる予定でしたが、忘れていました。
アレンが食糧の採取に出ていった家でアリス、本名アリーシャと捜索隊のリーダーであるダリウスが話し合っていた。
「アリーシャ様、よくあの崖を落ちて生きておられた」
「風魔法で勢いを落としてなんとかな…まぁそのあとは魔獣に襲われて死にそうになったんだがな」
軽く笑いながら自分が死にそうだったと言うアリス。
「…その時にたまたまあの少年に助けてもらったと?」
「そうだ、アレンがいなければ確実に死んでいた」
「あまりにもタイミングが良すぎる気もしますが…アリーシャ様は敵ではないと確信しているご様子」
「あぁ…ほっとけばそのまま死ぬのにわざわざ助ける意味が無いからな、敵であれば放置しているだろう」
「たしかに…」
「それに、数日一緒にいて分かったが彼に悪意とか…そういったものはまったくなかったよ」
その時、外から騎士の1人がいきよい良く転がりこんできた。
「ダ、ダリウス様ッ!?」
「なんだ!ランディ!けが人がおるのに騒々しいぞ!」
あまりのあわてっぷりにダリウスがその騎士、ランディを叱りつける。
「し、失礼しました!!」
「まぁそう怒るな、ダリウス…それでどうした?魔獣でも出たのか?それなら今しがたアレンが出発したばかりだから倒してくれるとは思うが…」
怒るダリウスをなだめ、飛び込んできたランディに続きを促す。魔獣が出たのかと思い報告にきたのかと思ったが、そんな感じではないし…なによりアレンが出ていったばかりなので魔獣だった場合すぐ倒されるはずだ…。
「い、いえ…魔獣ではなく、とにかく見てもらった方が早いかと…」
「いったいなにがあったと言うのだ?」
「…まぁ見た方が早いと言うなら見てみようじゃないか…すまないがエイミーに肩を貸してくれと伝えてくれ」
「はっ!!」
まだ体は痛むが歩けないほどではない…捜索隊唯一の女性騎士、エイミーの肩を借りて家の外に出てみる。
するとそこには呆然とする騎士団のメンバーがいた…上の方を見ている者が多い。
「なんだ?どうしたんだ?一体なにを見て…い…」
みなの視線を追いながら、わたしは言葉を失った。
そこには半透明な膜が…結界が展開していた。家を中心に家を、そしてその周囲を広く覆っている結界の規模に言葉を失い見入るばかりである。
「こ、これは!?」
「…結界…なのか?」
ダリウスに続き、わたしも思ったことが自然と口に出た。その言葉に答えたのはさきほど転がり込む勢いで報告しにきたランディである。
「アレン殿が…出発なさる前に結界を張っていったのです…詠唱もすることなく一瞬のうちに…」
「…本当に底が見えないやつだな、アレンは…結界の効果は聞いたか?」
「いえ、この結界からは出るなとだけ…」
「ふむ…そうなるとこの結界の効果が分からんな、このタイミングでただの結界を張るのも些か意味がないであろうし」
しかし、わたしの疑問はすぐに晴れた、ランディがアレンの唱えた呪文を聞いていたのだ。
「アレン殿は【不可視の結界】、【魔除けの結界】と唱えていました」
その言葉にわたし、ダリウス、そして体を支えてくれるエイミーまでもが目を見開いた。
「…まさかの二重結界か…わたしたちが襲われないように気をつかってくれたのだろう」
「あの身体能力を持ちながらにしてこれほどの魔法が使えるとは…我ら騎士団の人間よりも…」
「す、凄すぎます…」
それぞれ思い思いに驚愕の言葉を口にする。
それほど驚いたのだ…まず騎士団でもそうだが、普通は身体能力に優れ前衛が得意な者、魔法に優れ後衛が得意な者に分かれるものだ。騎士団では得手不得手を無くすためにそういった訓練もするが、自然と前衛をこなすものと、後衛をこなすものに分かれる。
アレンのように剣も振るえて強く、魔法も強力などという者はいない。
そして二重結界だ…結界を2つ張るのも大変なのだが、2つを一か所に…つまり今の状況のような張り方は非常に難しい。お互いの結界の効果が干渉し合い、効果が薄れたりまったく機能しなかったりするのだ。
わたしも帝国の賢者が二重結界を張ったことがあるのを見たことがあるが、他では見たことがない。
そしてアレンが張った結界は、その時の様子と同じく…淀みなく結界の機能が発揮されていると思う。
「ははは…もう驚くことになれてきたな」
驚いているダリウスやエイミー、他の騎士の顔を見ながらアレンのやることに慣れてきたなーと感じ笑うアリスだった。
長くなってしまったので2話に分けます。




