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接触と嘘

戦闘が終わったのを見計らって、アレンは姿を見せることにした。


ガサガサっ…


「誰だっ!?」

「に、人間!?」


…案の定警戒されるよな。


「こんにちは、魔獣を倒すお手並み、お見事でした。」


できるだけ警戒されないように接してみる。


「…落ち着けぃ!、騒ぐな!」


大剣を持つ男が一喝し、仲間の動揺を収める。


「…この森に普通の人間種がいるとは思えないが、お前は何者だ?」

「俺はアレンと言います。普通の…この森に住む普通の人間種ですよ」

「う、嘘をつけ!こんなところに人が生きていけるわけないだろう!!」

「って言われてもな…昔からずっと住んでるんだが」


その自己紹介に若い男が反論する。

苦笑いしながら頭をかいて答えるアレン。


「…まさか、魔獣の一種か?」

「あり得る、幻覚か、擬態か…油断させるための能力かもしれない」


場所が場所だけに信じてもらえないか…まさか魔獣だと疑われるとは思わなかったが。


「アレン…と言ったな、お前に聞きたいことがある」

「はい?なんでしょう?」

「この森で女性を見なかったか?金髪で…いや、とにかく目立つ女性なんだが」

「……」


やはりこの人たちはアリスを追ってきたようだ。

となると…正直に答えるのはまずいかな。


「さぁ知りませんね、ここには俺1人で住んでいますから」

「…本当か?」

「ええ」

「……」

「……」


大剣の男としばし無言で視線を交差させる。


「ふぅ…そうか、知らないか」

「残念ながら…どなたなんですか?」


それとなく情報を集めようと聞いてみる。


「いや、知らないならいい」

「そうですか…皆さんはその人を探してこの森に?」

「あぁ…と言ってもけっこうギリギリでな、探索どころか生き残るだけでも精一杯という有様だ」


大剣の男の表情が初めてゆがむ。


「探索を打ち切って帰っては?見たところ人数も少ないですし、出直すという選択もあると思うのですが」

「あぁ、それも考えている、しかしできるだけ、限界まで探索は続けるつもりだ…そして一つお願いがあるのだが…」

「なんでしょう?」

「食糧と…あれば回復薬などは持ち合わせていないだろうか?金はないので物々交換になってはしまうのだが、それ相応の対価は払おう」


俺は少し考える…

食糧などを渡してしまえば、探索時間を延ばすことに繋がる、これ以上探索されるのは嫌だがここでハッキリ断っても逆に怪しまれてしまう可能性がある。


「…残念ながら回復薬は持っていませんが、食糧なら少しばかり」


そう言って前回獲った火熊の肉を空間魔法で出す。


「お、お前!いまどこから出した!?」

「空間…魔法?」

「うそ!?」


周りで様子を見ていた仲間たちが騒ぎ出す。


「静まれ!…すまないな、希少な魔法ゆえにみな驚いているんだ。わたしも驚いているよ」

「そ、そうですか」

「食糧、ありがたく受け取らせてもらうよ…そうだな、見返りは…」

「いえ、お気持ちだけで結構ですよ」

「そういう訳にもいかん…これでどうだろうか」


そういって大剣の男は背負っていた背負い袋のなかから小さな白い鐘を取り出した。


「それは?」

「これは【幸運の鐘】といってな、鳴らした持ち主の運気を一時的に上げる効果がある物だ」

「運気…ですか」

「そうなんとも言えない顔をするな、この鐘のおかげで私たちはまだ生きているといってもいいんだ」


運気を上げて魔獣との接触を控えてきたのだろうか…正直俺には微妙な物だが貰わないのも変に思われるので貰っておいた。


「ありがとうございます」

「いや、いいんだ…ところで、本当に女性の姿を見ていないか?」

「ええ、見ていませんね」



チィリーーン…



アレンが答えた瞬間、手に持っていた鐘が綺麗な音を鳴らした。


「…どうやら君は嘘をついてるみたいだな、どうゆうことか聞かせてもらうぞ!」


そう言って大剣を握りしめた男がアレンを睨み付けるのだった。



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