戦闘を見る
今日は森に入ってきた10人と接触することにした。
「さてと…それじゃ行ってくる」
「気を付けてな…あと少しでわたしも動くことはできると思うんだが」
「焦ってもしょうがない、ゆっくり確実に治すことに集中するんだ」
「ありがとう、せめてコハクを連れていったらどうだ?」
「いや、戦おうとは思ってないし、万が一戦うことになっても逃げることを第一に考えるから大丈夫さ」
「そうか…ちゃんと帰ってくるのだぞ」
「あぁ、コハクもアリスが無茶しないようにちゃんと見ててくれよな」
「ウォウッ!!」
そう言って森の中へと入っていった。
前と同じですぐに見つかった…というのも魔獣と戦っていたからだ、ギガントラット…名前の通り、とても大きなねずみである。
ギガントラット…個体によって大きさが違うが、大きいものでは2メトルを超える。雑食、その強靭な歯は鉄でも容易に噛み砕くほど強力。ねずみ特有のすばやく、読みづらい動きで敵を翻弄するなかなか手ごわい魔獣だ。
「おぉぉぉ――――!!」
「チィー―――ッ!!!」
ギィン!!ギチギチギチ!
大柄な男が大剣を振り下ろすが、ギガントラットの前歯に阻まれつばぜり合いになる。
「鋭利な刃となりて敵を切り裂け!【ウィンド・スラッシュ】!!」
「槍となりて、敵を燃やし、穿て!【ファイヤ・ランス】!!
ザンッ!! ゴォウッ!!
「チィィー!!??チチチチィ!!!」
つばぜり合いで動きが止まったところに仲間たちの魔法攻撃がギガントラットに当たる。風の刃は皮膚を切り裂き、炎は槍はその身を黒く焦がしながら突き刺さった。
それでも
まだ倒れそうにはないギガントラット。
…つばぜり合いの最中に躊躇なく魔法を撃ち当てる技術と信頼…それなりに連携が取れてる集団みたいだな。
前回同様、身を隠しながら戦いの様子を見るアレン。
戦い方などを見て、男たちの戦力や戦い方を冷静に分析していく。
「ぐっ…!」
「く、くそっ!動きが速い!ツっ!」
「動かないでください!今治します!癒しの光よ!この者を照らせ!【ヒール・ライト】!」
少し離れた場所では2人の男性が負傷、そのそばで1人の女性が治療にあたっていた。
回復役もいるか…バランスは取れているみたいだな。
他にも魔獣を囲むようにして4人ほどが周囲に展開している。
大剣を使っている男性を中心とした戦い方のようだ。
魔法攻撃を喰らったギガントラットは大剣の男から距離を取り、一度さがる…そのまま身を隠すように木や草の中に突っ込み、凄まじい速さで移動し始めた。
「あの巨体でなんて速さだっ!」
「どこにいった!?」
「落ち着け、…スタン!シールノイズだ」
「はっ!【シールドノイズ】!!」
ギャリギャリギャリギャリッ!!!!
大剣の男が支持を出し、1人の男がシールドと持っていた剣をこすり合わせて鉄を引っ掻くような音を出す。
「チィー―――――――ィィッッ!!?!」
その音が嫌だったのか姿を現すギガントラット…そのまま音を出した者へと突っ込んでいく。
「ッ!!こい!【不動の構え】!」
がぁぁんんっ!!!!!
「っく!!お、重い!!」
盾を構え、腰を落とした男に突っ込む魔獣…両者が激突した瞬間に衝撃音が響き渡る。
しかし、しっかりと突撃を受け止めたためにギガントラットの動きが止まる。
「敵を捕らえ、縛れ!【アース・バインド】!」
「うぉーっ!!」
「はぁ―――ッ!!」
「せやぁ!!」
「ッしっ!!
その隙を突き、先ほど魔法を放っていた1人が拘束魔法を唱え動きを阻害、包囲していた残りの3人と炎魔法を使っていた男の合計4人が魔獣の四肢に剣を突き刺し、もしくは切り裂いた。
「ギィィィ―――ィィッッ!!!!?」
「トドメだ、【断空】!!」
「ギィッ!?…」
大剣の男が、動きが止まったギガントラットの首筋に上段からの振り下ろしの斬撃を放ち、その首を断ち切りギガントラットと男たち(1人は女性だった)の戦闘が終了した。




