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残滓
なんだろう?この想い
きっと、ぼくを超えた存在が導いてくれたんだ
本当に、理由が分かりません
それは無辜なるメルヒェン
今は、それだけを実感しているのです
分からないという、神酒や、ヴィジュアライズほど
美味しいものはありません
自身の小さな小さな枠組みは
音を立てて、壊れ、崩れていき
いつの日か、それは、創造されていくことも
忘れていくのです
虹が多様性を現し、
同時に一様性を現すならば
いろはにほへとは、いかにしてぼくに
響いていくのでしょう
川は、山や人の良心や泡さえも讃えますが
ぼくには、そこには暗夜しかないのです
真夜中も真昼も鬱もロマンスのとばりでさえも
全ては、この倒された不可思議なる
胸のうちに眠ります




