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天国のメルヒェン ー時系列版ー  作者: アミュースケールトン
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寿命

いつかこの地球にも

寿命が訪れる


薔薇のように

ハクセキレイのように

人間のように

ダンゴムシのように


いつかあの太陽にも

寿命が訪れる


アゲハチョウのように

オラウータンのように

何億光年離れた星のように

どこかの会社のように

愛するあの人のように


いつかこの宇宙にも

寿命が訪れる


かげろうのように

戦争孤児のように

ノヴァーリスのように

ぼくのように

長瀬磨彦のように


いつかあの霊界にも

寿命が訪れる


いつか見た悲しい夢のように

いつか叶わなかった恋のように

ヒマラヤを飛ぶアネハヅルのように

顕微鏡で確認したミジンコのように


いつかは全てに

寿命が訪れる


寿命

それは

新たな世界への巣立ち


寿命

それは

ぼくたちの大切な何かを繋いで

ぼくたちの純潔を守るはたらき


そう…

ぼくたちのなかには…

ぼくたちのそとには…


永遠がある


永遠


永遠それは

ささいなことで

何度でも感動できる

子供のようなよろこび


永遠それは


永遠それは

愛と光の螺旋



永遠それは

言葉にならない

言葉のなかの言葉


永遠それは

渇くことがない泉


永遠それは

今、この瞬間にも実感できるもの

また、昔にもあり

未来にもあるもの


永遠それは

純粋無垢な求心力


永遠それは

ぼくたちの故郷


ぼくたちは

永遠から産まれて

永遠に還る

永遠の子供達


ぼくたちは

気がついたら

永遠にいざなわれている


もしも永遠に寿命があるとしたならば

それはハッピーエンド

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