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ぞうきん
いと高き水に憧れて
いと高き水と一体となり
いと高き水とひとつになって
その身を濡らし
その身をすり減らしながら
あなたは、その身をどこまでも
あらゆる、ほこりや塵に、染めて
人を選ばず
むちゃくちゃに
むしゃくしゃにされながら
あまたの「他」を綺麗にし
度々、いと高き水に清められ
しぼられて
ぎゅうと、強くしぼられて
再び、あまたの「他」を綺麗にしていく
幾つか日を重ねると
かわき
しおれて
びりびりに破れ
くたびれ果てて
その天寿を全うする
あなたは
とても美しい
あなたの心は
とても美しい
ありがとう…
ありがとう
ありがとう
ありがとうと言葉をかけてみると
ぞうきんが
はじめは、恥ずかしそうに
それから
切なく、ほほえんだ
ああ、わたしも
ぞうきんのように
美しくなりたい
ぞうきんのように
世界を美しくしたい
せめて、せめて使い終わるその日には
心からのありがとうを
かけたいものですね




