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映画館
一人で映画館に来た
これから
人生と人生が不思議と交わり合った
見知らぬ人々と共に
見知らぬ世界に飛び込むのだ
袖触れ合うも多生の縁とも言われているが
きっと前世でも同じか、それ以上の
シチュエーションのなかで
こうした現実が訪れたのだろう
それなのに
なんでこんなにも眠たいのだろう
日頃の疲れがたまっているのだろうか
思ってみたら
見知らぬ世界へ
見知らぬ人々と飛び込むことなんて
普段の日常生活においても
なかなか無いことなのに
こうやって
ぼやぼやほやほやと
呟いていたら
フィルムがくるくると回り出し
いろんな映画の紹介が始まった
スクリーンに映る
様々なヴィジョンやカラー
音
夢
アート
息
フェアリー
痛み
光
振動
ハート
言葉
タンタタチカチカッ
ド・ドドッドン!
あ、やっぱり
僕は人が大好きなんだ




