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渚のオルゴール
いつかの潮のざわめきが
私の心を包み込む
それは懐かしく
煌めく濤聲
陽だまりのゆりかごを
無邪気なまま
瑠璃色の岩礁の上で
海の精達と共に戯れる
晴天に浮かぶ想いも
黄金に染まる地も
それぞれが
鮮烈なまでに
ひとつに重なり合う
何故こんなにも
胸が震えるのでしょうか
波の歌声
海鳥のダンス
星々の砂浜
人々と家々の団欒
松の木々で呼吸する四季の光
私は遠い追憶のなかに
遠い未来をも潤わす
神の涙に触れて
豊かな心情が駆け巡りました
宇宙に流れるメロディーは
数々の無垢な唇によって
これからも歌われ続け
私達をひとつにし
寄せては返す波のように
悠久の真ん中で飛び交うことでしょう
眼を開いて下さい
そこにあるのは
貝殻の宝石
耳を澄ませて下さい
そこに響くのは
天使達が歌う子守唄
触れてみて下さい
私達にも流れる
海の血潮を




