ミスターロンリー
ありのままのぼくを
本当に好きで、心から愛してくれる人を
不気味なほど探している
みっともないほど叫んでいる
自身でも気持ちが悪いほど
求めてしまっているぼくがいる
そのぼくをこれ以上
見捨てたくはない
ほっとくわけにはいかない
それ以外の、ほとんどのことは
今は、重要じゃないと
思っている
なんてわがままなんだろう
わがままでごめんね
今は、まだ、書くことしか出来ない
誰かに、ぼくの口から伝えることは出来ない
ぼくは恋愛がしたい
ぼくは結婚がしたい
ぼくは平凡で明るくて
あたたかな家庭を築きたい
それは本当だよ
正直な叫びだよ
だけれどもね…
現実を見渡せば
悲しい夢に引き連れてしまうんだ…
ぼくには、叶わない夢なんだ
叶わないほうが良い夢もたくさんあると
ぼくは、聞いたことがある…
いやだいやだいやだ
夢なんて、もういやだ
現実に、何も起きないなんて
もういやだいやだ、いやだ
もうたくさんだ
いくら詩を書いたり
綴っていたって
誰にも、何も、伝わらないんだ
何も、残りもしない
100年後に
ぼくが書いたり歌ってきたことなんて
何も、残りもしない
ぼくは、やがて消えていき
時代に忘れさられていくだけ…
そうだ!
忘れさられることを
生き甲斐としよう!
それでいいじゃない!
(それしかない…)
悲しくて
寂しくても
いいんじゃない
美しいものだよ
ミスターロンリー
日本の神奈川の野に生えた
一本の葦や
吹いていた風を
千年後に
誰が話題に出すの?
人が詩を突然歌い出すときなんて
だいたいそんなもの
心の戦場に無理矢理行かされて
傷ついて、激痛がほとばしり
身動きがとれなくなり
あとは死を待つだけの兵士は
だいたいそんなもの
平和?
真実の平和が
殺人鬼や独裁者やプルトニウムに
一瞬でも、よぎってくれれば
どれだけ世界は平和になることだろう…
人々が悪魔と呼んでいる存在に
誰か愛の花束と真心を
捧げておくれよ!
そうすれば悪魔だって
少しは優しさを思い出すからさ…
ぼくやきみのなかにいる
地獄の悪魔に
平和の優しいメロディーが
流れてくれれば…
今日も聴かせておくれよ
ミスターロンリー




