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白神さんの八十神語り  作者: 松戸京
第五神
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臨戦態勢

「ケイさん……どうしたんですか? その格好」


「ん? ああ、まぁ、臨戦態勢、ってやつかな?」


 白神神社に行く道すがら、僕はケイさんの紅白の巫女服をまじまじと見ていた。


 金髪に褐色の肌、巫女服……なんとも取り合わせの悪い組み合わせだった。


「それじゃあ……ケイさんも……」


「うん。まぁ、そのやそ……なんとかがどんなもんなのか知りたいしね」


「で、でも……それは危険なんじゃ……」


「え? そりゃあまぁそうかもだけど……かといって黒須君だけに任せるのもねぇ」


 そういった後で、ケイさんはチラリと背後の琥珀を見る。


 先程から、僕とケイさんの背後を少し離れて無言で付いてくる琥珀……その表情は相変わらずニコニコとしている。


「アタシがいたほうが、アイツが本性出してくれそうだしね」


「そんな挑発するような真似……大丈夫なんですか?」


 僕がそう言うと、ケイさんはふと胸元から何かを取り出してきた。


 見ると、それは御札のような……というか、御札そのものであった。


「これ。黒須君に託すわ。アタシに何かあったら、これ使って」


「え……使って、って……僕こんな御札なんて……」


「まぁ、その時になったら適当になんとかするからさー。ね?」


 相変わらず緩い感じだが……本当に大丈夫なんだろうか。


 結局そうこうしている間にも、白神神社にたどり着いてしまった。


 昨日はそうではなかったのに、どうにも落ち着かない……ケイさんもどことなくソワソワしている感じだった。


「さて……では、はじめましょうか」


 琥珀は石造りの腰掛けに座ると、即座に八十神語りを開始しようとした。


「……へぇ。アタシ、参加していいの?」


 ケイさんがそう聞くと、琥珀はニコニコしたままでケイさんに顔を向ける。


 その笑顔はどこか恐ろしくてケイさんも少しビクッとした。


「ええ。問題ありません。後悔するのは……アナタですから」


「は? 何言ってるわけ?」


「まぁ、いいじゃないですか。それより始めましょう。ワラガミ様の話を」

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