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白神さんの八十神語り  作者: 松戸京
第三神
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謎の死

 さて……この日は色々なことがあった。


 正直、僕としてもあまりにも色々なことがありすぎて、処理しきれないほどに……色々なことがあった。


 一つは……黒田さんがいなくなってしまったことだ。


 これは、まず一番目の問題だ。


 後から紅沢神社に追いついた番田さんにも、黒田さんがいなくなったことは確認してもらった。


 そして、境内の敷地内にはどこにも……黒田さんはいなかった。


 それこそ、神隠しにあってしまったかのように。


 ただ……これに関してはなんとなく予想はついていた。


 僕のせいで……いや、白神さんの術中にハマってしまったがために、黒田さんは……ハコガミ様の話の通りになってしまった……


 そして、いなくなった……これがハコガミ様とどのように関係あるのかはわからない……ただ、無関係ではないということだけはわかった。


 もう一つ大きな問題……それは、黒田さんのお爺さんのことだ。


 僕が家に入った時に顔を見せなかったお爺さんは……書斎で発見された。


 発見というのは、お爺さんがその時生きていなかったという意味である。


 お爺さんは天井の梁に縄をつけて、首を吊っていた。


さすがに衝撃の光景で、僕としてもショックだったが、あまりのショックで動揺することもできなかった。


 すぐさま番田さんが警察に電話をした。警察は十分後にはやってきた。


 そして、僕と番田さんは事情聴取……ただ、状況から見てどう見ても自殺ということから、すぐに開放された。


 こうしてついに、八十神語りで死者が出てしまった。


 無論、父さんの話では過去にも八十神語りの最中に人が死んでしまう事はあったと聞いていたが……


 そして、いなくなってしまった黒田さん。


 黒田さんは一体どこに行ったのか……ただ、一つの予想はついた。


 これから約十日後……つまり、次の八十神語りの時には黒田さんに出会うことができる。僕は漠然とだがそう感じていたのだった。

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