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白神さんの八十神語り  作者: 松戸京
第七神
135/200

手紙

「……で、センセーに速攻で電話して……ここに来たってわけ?」


 喫茶店テンプルで、僕はケイさんと対峙していた。


 テーブルの上には琥珀……白神さんからもらったものがある。


「うん……でも、番田さんは……」


「ったく……肝心な時に用事があるから今日は来られないって……センセーもどうしようもないわね」


 ケイさんはそういって、コップの中にはいったオレンジジュースをストローで啜り上げる。


 そして、今一度テーブルの上のモノに目を戻した。


「で……これ、手紙、よね?」


 ケイさんはそういってテーブルの上のもの……白神さんからもらった手紙を指差す。


「……ええ。ですね」


「えっと……白神はアンタに……果たし状でも渡してきたわけ?」


 ケイさんは呆れ顔でそう言う。


 ……そんな感じじゃなかった。少なくとも、今から僕と戦うとか……そういう感じでは。


「……これが、終わりのはじまり、って……」


「終わりの……はじまり」


 ケイさんは僕が言った言葉を今一度繰り返してから、深刻そうな顔で今一度手紙を睨む。


「……次の八十神語りって、いつ?」


「え……なんでそんなことを?」


「いいから。答えて」


 そう言われて、僕も今一度思い返す。


「えっと……あ。それって、もう明日……」


 よくよく考えれば朝から大変な目にあっていたので忘れていたが……八十神語りは既に明日に迫っていたのだ。


 ケイさんはそれを聞いて大きくため息をつく。


「なんだ。簡単じゃない。それ、明日の八十神語りに関係あるものよ」


「え……そ、そうなんですか?」


 僕が訊ね返すと、ケイさんは頷く。


「当たり前でしょ。だから……そうね。明日、白神神社に行くまでは、それ、見ちゃダメよ」


「え……ダメ、ですか?」


「当たり前でしょ。白神が渡してきたものよ? まともなもののわけないでしょ?」


 そういって、ケイさんは立ち上がる。


「ほら。行くわよ」


「え……どこに?」


 すると、ケイさんは大きくため息をついてから僕のことを睨む。


「アンタのお父さんの所。怪我したんでしょ? お見舞いがてら、気になることもあるから聞きに行くのよ」

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