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イロガミ様の話
色……それは、人の心。
様々な色があるのは、人の心がたくさんあるから。
赤、青、黄……
ただ一つ、変わらない色がある。
それが黒。
黒だけは、何者と交わっても変わらない。
黒だけが、変わらない色……黒だけが孤独な色。
そして、黒の対局にあるのが、白。
黒と白は交わらない……交わってはいけない色。
だから、黒と混ぜるのは、白以外の色。
赤と黒、青と黒、黄と黒……
あらゆる色を、黒と混ぜる。
混ざることで、黒の色はより深まる。
黒く……より、黒く。
そして、やがて黒は消滅する。
自身の黒さ故に……黒はその存在さえも、黒くなってしまう。
黒が消えれば、白だけが残る。
白を残すには黒が必要……そして、黒と混ぜるための他の色が必要……
そのためのイロガミ……そのためのシラカミ……
黒は汚れた色……黒は邪悪な色。
白だけが、村を救う色。
シラカミ様のために、イロガミ様が必要。
それが、イロガミ様の話。